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マンション、投資ネタブログ

家賃を月15−20万円程度払っているDINKSが子供ができて手狭になったので高値のマンション買うか、広い賃貸にするかという話(2023年版)

 

(10年前と現在の違い)

 

ぼくはDINKS時代に賃貸で職場近くに住んでいて、子供ができて手狭になったので、中古マンションを購入したのだが、これは10年前、2013年頃であれば当たり前の動きだった。

 

リーマンショック後、アベノミクス前はデフレで日本経済がどん底でマンションが安かったので、月の賃料と同額のローン返済で、賃貸よりも広いマンションが買える状態だったのだ。

 

その頃、マンションは経年で値下がりするものだったので、購入が有利ということはなかったが、購入すればキャッシュフローが同じで広いマンションに住める状態だった。

 

このため、値下がりしづらいタワマンを買えば、残債の減少スピードの方が価格の低下スピードよりも早く、結果として広い部屋に安く住める状態だった。

 

ところが、今では、マンションが高騰し、広いマンションを購入して住み替えようとすると、DINKS時代の家賃の2倍とかの支払いになる。

 

その代わり、マンションは経年で値上がりするものになっているが、価格上昇いつまで持続するのかは怪しい、高値掴みにならないか不安だと考える人も多いだろう。

 

価格上昇とともに、買い替えで大きな頭金がある前提、ペアローン前提の価格となっており、一次取得のハードルが上がってしまっていることは確かである。

 

ただま、マンションが安かった時期は今よりは金利が高かったし、マンションは経年減価するものだったので、当時も購入には勇気が必要だったのには変わりはない。

 

(誰向けの記事か)

 

現在の経済環境を踏まえて、賃貸が手狭になった時に購入すべきか、広い賃貸にすべきか。

 

この神学議論をする際、ノータイムで「新築戸建てで子育てしたい!」「頻繁に住み替えられる賃貸が合理的!」「実家の近くで注文住宅!」と考える人はそうすればいいと思う。

 

住宅に詳しく、「どう考えても購入が有利だから絶対購入!」とか、「あえて賃貸に住んで与信で投資!」とか、そうした強い思想、確信がある人は好きにすればいい。

 

住宅購入は心理的な要素があるので、ストレスにならないことが肝要。信念を持っているならそれに従うべき。

 

以下は、「大きなローンを負うのも、大きな家賃を払うのも恐ろしいが、手狭で引っ越しは必要で、どちらにしようか迷っている」人向けの記事である。

 

また、ぼくは東京の状況しか知らないので、東京で共働きしているDINKS向け、弊社の若手(年功色あり)をイメージしながら書いている。

 

(購入をさらっと検討)

 

DINKS時代は、通勤利便性を重視して賃貸に住む人が多い。場所にもよるが、40−50平米くらいのマンションだと15−20万円の家賃の人は多いだろう。

 

地方に比べれば信じられない家賃の高さだが、まぁ一人当たり10万円未満ならギリ許すか、的なノリ。

 

そこで、子供ができて狭く感じるので引っ越す場合は、70平米以上、できれば80平米以上くらいのマンションが候補になる。

 

新築マンションの広告を見ると、DINKS時代の通勤が便利な地域では70平米で9,000万円とか12,000万円とか恐ろしい価格になっている。イカれている。しかも、後から出る物件は更に高く、待てば待つほど状況が悪化していく。

 

中古マンションを見ても安くなく、6,000万円台の物件は少なく、8,000万円台とかがチラホラ、価格が安いものは悪条件が目立ったりする。

 

いやー、マンションオワコンだわ、やめたやめた、となる人も多いだろう。ぼくも現在の価格ならそうなるかもしれない。

 

(賃貸をさらっと検討)

 

まず、現在の居住地域かその近郊でググってみると、賃料が高すぎて吹く。

 

DINKS用のマンションは多いので家賃が抑えめだが、ファミリー向けのマンションは供給が少なく、30万円とか40万円とかのふざけた家賃になっている。

 

ただ、マンション価格が1億円ということは、利回り4%でも家賃33.3万円なのでぼったくりというわけでもない。

 

むしろ、物件価格上昇に対して家賃は遅れて上昇するため、これから上昇するはずである。

 

こうなると、現在の場所で広い賃貸は無理なので、少し郊外に出て広い物件を探すのはどうか?となる。

 

しかし、地縁がない場合はハードル高いし、家賃も思ったより安くならなかったり、安い地域は治安がヤバそうだったりする。

 

賃貸市場の効率性の高さに驚く。安くていいものはない。

 

うーん、賃貸もオワコンだわ、とりあえず、現状維持しよ・・・となる人も多いだろう。

 

実際、ぼくが住んでいたマンションでは40平米くらいの部屋で子供2人、3人を育ててた家庭もいた。が、ぼくには子供一人でさえキツかった。

 

(もう少し具体的に購入を検討)

 

購入も賃貸もぱっと見オワコンだが、ちょっと待って欲しい。もう少し具体的に検討すれば、オワコンではないのである。

 

購入の場合は、月の支払いが増えることは増えるのだが、マンションを売却時にお金が返ってくるので、貯金しているような効果が得られる。

 

イメージとしては、現在、家賃に20万円払っている家庭がマンション購入すると、住宅ローンの支払い等に30万円払うが、売却すると15万円返ってくるとかそんな感じ。

 

この場合、支払いが回りさえすれば、オワコンではない。現在の家計で貯蓄や投資にお金を回しているのであれば、それをローン返済に当てるイメージだ。

 

1億円のマンションをフルローンで買って、10年後になると、残債は25%減少して7500万円になっている。

 

そこで、9000万円で売却できれば、1500万円返ってくる。ローン返済は金利等も含めて3000万円だが、1500万円返ってきたので、実質的な支払額は半額だった。

 

月返済に置き換えれば、月30万円返済したが、15万円返ってきた。つまり、現在の家賃水準と変わらない負担で広い部屋に住めたことになる。

(管理費等もあるけど、単純化のため無視)

 

もちろん、10年後の売却価格が7500万円なら負担額は月30万円になるが、インフレ経済下で、価格が下がりづらい物件を買えば、大きく下がることもないだろう。

 

なお、マンションが経年減価する時代は年に1.5%程度下落すると言われていた。10年で15%であり、この時代でさえ、残債の減少スピードの方が速かった。

 

インフレ時代ならどうなるか、短期的な騰落はあっても、長期的な傾向としては上昇し続けていくのではないか。

 

ご存知のとおり、この10年は売却時の価格が購入時の価格を上回る状態である。

 

それが今後も維持するのかは誰にもわからないが、一般論としてインフレが定着すれば、不動産は値下がりしづらいものになると考えられる。

 

将来のことなので約束することはできないが、これを信じられる人は買ってみてもいいんじゃないか。

 

値下がりが怖い人は、値下がりしづらい、「駅近、大規模、タワーマンション」「再開発が予定されるエリア」「駅ナンバーワン物件」を買うのが良いが、それについては今回は触れない。

 

とにかく、マンション高騰で購入時の月の支払額を見るとドン引きするかが、売却時に返ってくるお金を考えれば、そこまでオワコンでもないのではないかということ。

 

ライフステージの変化とともに、10年くらいで住み替えることになる人が多いので、永住と考えずに購入して10年後に売却するか、10年間賃貸するかで比較検討すると良い。

 

(もう少し具体的に賃貸を検討)

 

賃貸についても、もう少しうまい選択ができるのではないか。不動産市場は効率的なようで、たまーに非効率なのでチャンスがある。

 

制度の歪みや需給の歪みである。

 

制度の歪みについては、例えば、JKKの都民住宅は中堅所得向けに周辺の賃貸住宅よりも安い家賃で貸してくれる。

 

超人気で出た数時間後にはサイトから消えてしまうが、先着順で募集しているので、ネットに張り付いているとチャンスを掴むことができる。

 

都民住宅は、都営住宅のように激安家賃というわけでもないし、所得制限がある場合もあって複雑なので待っていれば意外と契約できる。

 

希望地域にこういうのがあれば、待ってみるのも良いのではないか。

 

需給の歪みについては、なんらかの理由で短期で貸し出したいというニーズがある場合、相場より安く賃貸に出る。

 

ぼくが覚えているのは、海外転勤などでさっさと貸したいケースで晴海三兄弟の好条件部屋が激安(相場の半額とかだったかな)で出て、1日で10件くらい申し込みが入っていた。

 

これもスピード勝負だが、普段からアンテナを張っていればチャンスを掴めるかもしれない。

 

これ以外にも好条件の賃貸を掴む方法はあるかもしれないが、ぼくが思うに、ある程度時間をかけられるなら良い条件の賃貸を契約することも可能である。

 

賃貸の場合、購入と違ってお金が返ってくることはないので、儲かることはないが、好条件の賃料で固定できれば、それはそれで価値がある。

 

(まとめ)

 

購入か賃貸かという神学論争については、物件次第、タイミング次第、ライフプラン次第なので、基本的には好きにすればいい。

 

共働き子育てを支える住宅をできる限り安く確保したいということであれば、多くの場合、価格が下がりづらい物件の購入が相対的に有利であるとは思う。

 

それでも、インフレは一過性だ、不確実性に賭けるのは嫌だ、チャンスがあったとしても借金するのは恐ろしいと考える人は、精神衛生上、賃貸すればいいと思う。

 

購入の場合は、支払いだけでなく返ってくるお金に注目すれば、高騰した今のマンションでもオワコンではない。むしろ、インフレで値上がりしやすくなったので、良い買い物になる物件もたくさんある。

 

賃貸の場合は、制度の歪みや需給の歪みをうまく活用できれば、広いマンションを借りても現実的な家賃に抑えられる。賃料は費用の確定だが、家賃も値上がりしていくインフレ経済の中で、子育てができるサイズの住宅を安めの家賃で確保できたら、それは良い物件を買ったのと似た効果になる。