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テスラで雪山で籠城した話

軽井沢から諏訪への移動中に、雪山の上で車を動かせなくなり、割と大変な目にあったので記録。

 

トラブったのは車ではなく、布製のチェーン。布製のチェーンとは最近流行っている取付けが容易なチェーンだが、付け方が悪かったのか運転が悪かったのか、しばらく雪道を走って雪がないところに出てチェーン着脱用のスペースがあったので、停車してチェーンを取り外そうとしたら、布製チェーンが2輪とも車輪の中に食い込んでいることを発見。ディスクブレーキにガッツリ食い込んでいる。

 

外そうと努力したがしっかり食い込んでいるのかびくともせず。それまでは普通に走れていたのだが、見た目的にこのまま走るのは危険と判断して、ロードサービスを呼ぶことにした。この時点で16時頃。そろそろ日が沈むタイミング。さらに、止まったのは通行量の少ない山の上。周囲には民家もなく、街灯すらないガチの山。かなりやばい状況である。

 

<布製チェーン>

布製チェーンが悪いということはないと思うが、前もって装着や走行のテストをしなかったのはまずかった。雪のない道しか走る予定はなく、保険のために買っておいただけだったのを、行き先をちょっと伸ばしてみたので装着が必要になった。チェーンをつけるタイミングは良かったのだが、とにかく、車輪に巻き込んで危険な状態になってしまった。チェーンは純正のものを買えば良かったし、タイヤも・・・と考えたがもう遅い。

 

<通信>

ロードサービスは電話でのやり取りがメイン。ロードサービスを手配するコールセンターに電話して、状況を伝えたりロードサービスの利用条件を聞いたり。また、業者に場所を誘導したりする。ぼくのケータイは圏外で妻の電話が繋がる状態だった。両方圏外だったらヒッチハイクして電波のあるところに移動しなければならず、心が折れていたと思うので、通信の大事さを痛感した。その後、いろいろな方面へ電話したり、車両にテザリングして映画を見たりして気を紛らわせていた。つまり、車両の通信も圏外だった。通信は命綱であり、通信が切れたら外部から助けを呼ぶことができない。通信が切れる場所には行くべきではない。行くなら、スターリンクとかを保険に持っておく。それも無理なら、せめて、複数のキャリアを契約してリスク分散しておくなどが必要だと感じた。また、シガーソケット等からスマホを充電できるようにしておいた方が良い。

 

<エネルギー>

たまたま、ドライブ前に軽井沢プリンスのスーパーチャージャーで多めに充電していた。デステネーションチャージャーがある宿だったので割高なスーパーチャージャーで充電するのはもったいない気がしたが、食事中に余裕を持って400km程度の航続距離まで回復させていた。これが結果的に非常に良かった。停車したのは山の上でド田舎なので、20kmくらいはガソリンスタンドもコンビニも民家さえない場所だった。ガソリンでも電気でも水素でも余裕を持っておくことが大事だ。雪国を走る場合は、走行予定距離+バッファに加えて、いざとなれば1日くらいは籠城できるレベルのエネルギーを確保しておくべきだ。雪山を走るなら、ロングレンジ+スタッドレス+チェーンはケチるべきではないと感じた。ロングレンジは都市部オンリーなら過剰スペックだが、雪山では少しでも多くのエネルギーがあったほうがいい。

 

<籠城>

車を停車した時点で航続距離が300km程度だった。日没後、エアコンやシートヒーターをつけていたら1時間に10km程度のスピードで航続距離が減少していくのがわかった。エアコンを切ってシートヒーターでケチれば半分くらいに抑えられそうだ。残存航続距離が十分で、減り方がゆっくりだったのが精神的に良かった。エアコンつけ放しで1日以上籠城できる。日中はガラスルーフで車内が暖かくなるのでエアコンが不要なくらいなので本気出せば2日くらい籠城できそうだ。ぼくの車はガソリン車に比べると航続距離は短いのだが、エンジンがないので籠城しても一酸化炭素中毒になるリスクはないことからも、車内に安心してこもることができた。ぼくの車は航続距離はガソリン車に比べて短いが、安全に籠城できる能力は高いんだなと感じた。ただ、狭いので長くいるのはやや苦痛ではある。

 

<テスラのロードサービス>

まず、テスラのロードアシスタンスに電話したところ、車両故障じゃないので、契約している損保やJAF等のロードサービスで対応よろしくとのことだった。また、サービスセンターに持ち込む場合は板橋までもってこいとのことである。板橋までは150ー200kmくらいのレッカーが必要になる。まぁこれは想定通りだったが、ロードサービスを契約してない場合は業者紹介くらいしてくれるのだろうか・・

 

SBI損保のロードサービス>

続いて契約しているSBI損保のロードサービスに電話した。SBI損保の事故対応は最悪だぞという話をよく聞くので警戒していたが、ロードサービスは完全に委託だからかすぐ繋がり、対応は丁寧で効率的だった。150kmまで無料でレッカーできるよということだった。これは長めのほうだ。SBI損保のテスラ専用プランを契約していたのだが、テスラはサービスセンターが少ないのでレッカー距離を長めにしているのだろうか。基本的に外車専用のロードサービスプランはロードサービスが手厚いことが多い。修理できるところが限られるためだろう。

 

<年末年始のロードサービス>

ぼくはコールセンターでバイトしていたことがあるので、年末年始や連休のロードサービスの事情を知っていた。普段は長距離運転しない人や雪道に慣れてない人が運転するので、事故や故障は爆発的に増えるのに対応できる業者は休業中で少なかったり時間制限がキツかったりして、業者の現場到着まで時間を要するのである。特に、山の上のような場所は最悪で、業者到着まで4時間から6時間くらいかかることもある。ついでにコールセンターで働いている人も少ないので電話は鳴り止まず、電話もつながりにくい。年末年始のようなタイミングでは救急車も病院も同じような状態になりがちなので、ぶっちゃけ旅行せず大人しくしておいた方がいいのだが、そうもいかないし、もう遅い。

 

<業者到着までに要した時間>

コールセンターの担当は、「年末年始は多くの業者が営業しておらず、業者を手配するのに時間を要するので、手配できたら連絡する」ということだった。ここから30分くらい経過して、電話が来て、「なんとか手配できそうだが、現場到着まで90分から120分かかるがいいか」という話があった。そのくらいなら全然OKである。その後、1時間くらいして業者から連絡が来て、「今から90分から120分かかる」ということだった。まぁ仕方ない。その後、山の上だったのでうまく誘導することができず、さらに時間を要して、結局、車を止めてから5時間後に業者の車両が到着した。到着したときは救われた思いだったが、現場対応がうまくいかない場合はレッカーとなり、そうなったら、同乗していた家族はどうやって移動するのか考えるだけで嫌になる。

 

<現場での対応>

業者の方の現場対応は素晴らしかった。念の為、レッカー車で来てくれたのだが、現場対応で走行可能になった。タイヤを取り外し、からまっていたチェーンを取り外し、故障箇所がないか確認してタイヤを戻す。食い込んでいた2つのタイヤに対応して20分強。暗闇の中だったが、ジャッキアップもタイヤ交換作業も余裕だった。結果、異物を除去したら走行可能になった。できた方で、ぼくたちが落ち込んでいると、「事故で怪我とかじゃなくて良かったですね!」と前向きに励ましてくれた。確かに、この雪山で事故って自走不能になり、家族が怪我したら本当にどうしようもなく、大した問題ではなくて良かった。たまたまラッキーだっただけだが。

 

<家族の状況>

家族旅行で4人で移動していた。最初の段階から、これは長い時間を要すると感じていたので子供が大丈夫か不安だったが、結果としては家族がいて良かった。最初はタクシーを呼んで家族と荷物だけホテルに送ろうかと考えたが、それをやったら精神的に参ってしまったかもしれない。籠城している時間は長く感じる。そんな時にいろいろ話したり映画を見たりして時間を潰した。子供が上機嫌でいてくれたので親の精神衛生も良かった。通信が取れる場所だったこと、ロードサービスが手配できたこと、十分にエネルギーがあったことが安心材料だった。また、子供も飛行機移動用にネットフリックスの子供番組をダウンロードしていたのでそれを見たりしていた。

 

<荷物>

寒冷地に移動しているところだったので、スキーウェアや毛布を積んでいた。これは良かった。また、食べ残していたパンやお菓子、飲み物が少し残っていたのも良かった。別にお腹は減らないが、長い時間を過ごすと何も食べ物や飲み物がないと不安になる。普段から食べ物、飲み物、簡易トイレ、ホッカイロ、電気毛布などは積んでおくといいのかもしれない。

 

<待っている間の出来事>

数時間、ハザードをたきながら籠城していた際、クロネコヤマトのトラックが止まって女性スタッフが声をかけてくれた。「行きも帰りも停車していたので気になって声をかけました」ということだった。ここは電波が悪いこと、この先の道や店舗の状況(雪はないが店もない)を聞いたりした。「何か買ってこようか?」「電話できないなら代わりに連絡をしようか?」と言ってくれたが、ロードサービスを手配済みだったので感謝だけ伝えてお別れした。追い詰められた状態だったので親切が心に沁みた。

 

<自走可能>

車が再び動いた時はとても嬉しかった。ブレーキ周りは目視で確認し、線が外れたり割れたりしている様子はなかったが、実際動かしてみないとわからない。長時間停車していたのでバッテリーが冷えて、当初は回生ブレーキが弱くなって、回生ブレーキ制限のアイコンが表示されていたが、しばらくすると消えた。

 

<ふりかえり>

トラブルを招いたのは自分の準備不足や知識不足だったが、起こってしまった事には結果的にはまぁまぁうまく対応できた。キーとなったのは、「通信が生きていたこと」「エネルギーが十分だったこと」で、これが欠けていたらかなりやばかった。トラブルを起こさないためにはトラブルに近寄らない事(雪山は走らない、特に年末年始は)としっかり準備することが必要だと思うが、それでもどうしてもトラブルは起きるので、いざという時のために通信とエネルギーは余裕を持っておくべきだと痛感した。