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中古マンションを購入して10年後に売却した際の住宅費は?

中古マンションを購入して、何年かして売却する場合は、売却価格が確定して、住宅費が後から決まることになる。


そこで、売却するときにどの程度価格が動くと住宅費はどの程度変化するのか試算してみる。

 

なお、計算を簡単にするために、頭金なしフルローン、住宅ローン減税なし(そのかわり、売却時課税もなし、3000万円控除使用)とする。


ざっくり計算なので、設定が甘かったり計算がおかしいところは適宜調整してもらえれば幸い。

 

1.購入時の支出
 価格:6,000万円(フルローン前提)
 諸費用:480万円(物件価格の8%、中古前提)

 

2.居住中の支出
 住宅ローン返済:2,160万円(月18万円、10年分)
 管理費:180万円(月1.5万円、10年分)
 修繕積立金:300万円(月2.5万円、10年分)
 固定資産税等:200万円(年20万円、10年分)
 居住中の支出計:2,840万円

 

3.売却時の支出
 諸費用:200万円(売却価格によってかわるが、大差ないので固定とする)

 

4.5,000万円(△1,000万円、△16.66%)で売却時の住宅費
 売却時の収入:5,000万円
 売却時の残債:4,500万円(購入時価格×75%)
 売却時の諸費用:200万円
 差引(返金):300万円
 支出計:480万円+2,840万円=3,320万円(購入時費用と居住中支払額の計)
 住宅費300-3,320=△3,020万円(月額:25.16万円)

 

5.6,000万円(+0万円、+0%)で売却時の住宅費
 3,020-1,000=2,020(月額:16.83万円)

 

6.7,000万円(+1,000万円、+16.66%)で売却時 の住宅費
 2,020-1,000=1,020(月額:8.5万円)

 

7.同等の物件を賃貸した場合の住宅費
 利回り5%:家賃25万円、2年に1度更新料1か月として、月額 26万円程度(敷金礼金考慮なし、家賃値下がり考慮なし)

 ※利回り4%なら月額21万円程度

 

8.結論
・10年後に1,000万円値下がりすると、賃貸とほぼ同じ住宅費になる(購入:月25.16万円 賃貸:月26万円)

→ 賃貸と比べて有利でも不利でもない

→ 1,000万円以上値下がりすると、賃貸に比べて不利になる

→   利回りが低い物件なら1,000万円値下がりなら借りた方が有利

 

・10年後に購入時と同額で売却できると、賃貸よりも住宅費が低くなる(購入:月16.83万円 賃貸:月26万円)

→ 賃貸に比べて10年で1,100万円有利

→   利回りが低い物件でも同額で売却できれば買った方が有利

 

・10年後に1,000万円値上がりすると、賃貸よりも住宅費がかなり低くなる(購入:月8.5万円 賃貸:月26万円)

→ 賃貸に比べて10年で2,100万円有利


・10年後に2000万円(33%)値上がりすると、住宅費がほぼゼロになるが、金利低下かインフレでなければ厳しい。

→ 賃貸に比べて10年で3,100万円有利

 

上記は結果論で、10年後の売却価格は周辺物件の価格から予想することはできるが、実際には売却しなければわからない。


インフレがくれば購入が有利だしデフレになれば賃貸が有利。10 年後にならないと答えはわからない。
利回りで判断して、利回りが低ければ借りればよし、高ければ買えばよしというのが賃貸vs購入論の普遍的な答え。

 

昨今のマンション高騰や金利低下で、今から中古マンションを買うと10年後は経年減価している可能性が高い。


減価ペースは1~2%/年というところなので、10年で10~20%である。

 

6,000万円のマンションを買ったら、10年後に600~1,200万円の減価なので、下限に近ければ住宅費が賃貸と購入で概ね同等になる。


10年後の減価率が小さければ、賃貸よりも住宅費が安かったなということになる。とはいえ、金利低下などのラッキーパンチがない通常の増減率の範囲なら、住居費がタダになることはないだろう(半額になることはある)。

 

購入するとリノベなど色々楽しめるし、キッチンの高さを自分に合わせてカスタマイズできるので、1円でも住宅費を下げたいというケチケチマンでなければ、同程度の住宅費なら買ったほうがQOL上がるというのが私の意見 。

 

9.月次キャッシュフロー(参考)
・購入の場合の月次キャッシュフロー
 住宅ローン返済:月18万円
 管理費:月1.5万円
 修繕積立金:月2.5万円
 固定資産税等:月割り1.5万円
 居住中の支出計:23.5万円

 

・賃貸の場合の月次キャッシュフロー
 賃料:月26万円

 

利回り5%の場合、フルローン購入と賃貸で月次キャッシュフローには大差なしなので、あまり気にする必要はない。

 

よく、営業マンが言う、

「買っても借りても支払いは同じです!」は正しい。購入が有利になるのは利回りが極めて高い場合のみ。中古の場合はほぼない。

 

一方で、同じく営業マンがよく言う、

「借りると家賃を捨てるだけですが、買えば自分のものになるので、資産形成できて有利です!」はあやしい。

 

正確には、

・購入と賃貸の金銭的な有利不利は売却時にならないと分からない。

・高く売れれば有利だし、安くなれば不利だとなる。

 

完済まで持ち続ける前提でも、その場合は、経年で賃貸の家賃が減価しているだろうし、修繕コストが上がってるので、有利不利はトントンってところだろう。

 

金銭的な有利不利が全てではないが、QOLを上げつつ住宅費を抑えるために、減価しづらいマンションを購入するのは正しい戦略だと思う。住宅費を下げられるだけでなく、移動の自由を確保できるし、転勤を利用して資産形成するオプションもできるので。