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マンション、投資ネタブログ

半住半投の転売屋目線でのマンション購入のポイント

マンション高騰の中で、完済前提では買えなくなった人が転売前提で購入することが増えているように感じる。

 

頭金を極力入れないことが善のような議論も聞くし、住宅ローン減税ではなく3000万円控除を取るべきのような議論も聞く。

 

以前、アップルタワーの登記簿を全部取って分析する雑誌の企画があり、「新築時に購入して10年以上ずっと住んでいる人がほとんどであり、意外と転売屋や投資家は少ない」ということであったが、その後の激しい価格上昇の中で、「転売前提じゃなければ買えない」人が増えて、結果的に転売屋が増えているのではないかと考えている。ぼくも坪400万円の物件を掴んだらいずれかのタイミングで売却することが前提になってしまう。

 

この現象が、湾岸タワマンの住人が近年、異常に資産価値、資産価値とうるさくなった原因ではないかと考えている。以前は、眺望が良いとか、街が広々しているとか、地域イベントが行われたとか、そういった生活面の話が中心だったが、近年は何があってもすぐ「BRTができた!資産価値上がる!、高級車が止まってた!金持ちが住むようになった!アップサイドある!花火が上がった!花火が見える部屋の賃料が上がる!」であり、気持ち悪いし、うんざりである。

 

同じマンションに10年、15年住む前提であれば、目先の資産価値など些事だが、数年先に売る予定であれば気になる。また、居住期間が短期化すれば、地域のイベントや長期間かけて取り組むプロジェクト(保育政策、大規模修繕など)に関心がなくなる。

 

以前の記事で、実需と転売と投資の立場からマンション購入のポイントについて書いたが、より転売屋目線でのマンション購入について掘り下げてみたい。

 

 

転売屋と投資家の違い

 

この記事の中で、転売屋という言葉は、半住半投の前提の人、住宅ローンを完済する前提ではない人を指している。投資家は自らが居住せず、即転又は数年賃貸に出してから売却する人のことを指している。当然ながら、転売屋と投資家は似ているようで大きな違いがある。自分でその物件に住むかどうかということである。

 

自分で住まないのであれば、住宅の場所、広さ、品質は関係なく、最も儲かる物件を購入することになる。必ずしも優れた物件である必要はない。儲かる物件であれば良い。転売屋の場合、短期間とはいえ実際に居住するため、住宅のサイズや品質に制約がある。60平米2LDKが儲かると思っても、4人家族で60平米は厳しいであろうし、物件の場所についても通勤や通学に制約を受ける。

 

 

転売屋の保有期間

 

5年以上同じ物件に住んだことがないと豪語する人もいて、実需層からすればドン引きであるが、これは転売屋界隈では一般的であろう。転売屋から見た保有期間は、3年、5年、10年が一つの区切りになる。3年の場合、3000万円控除を使って転売、5年の場合、固定資産税の当初優遇が終わり、譲渡益課税の税率が下がったところで転売、10年の場合、住宅ローン減税を受け切ってから転売である。

 

保有期間が3年となってくると、住み始めたと思ったら(あるいは住み始める前から)次の物件を探していないといけないので、常に自分の物件がいくらで売れるのか気になって仕方ない。その結果、「常に資産価値、アップサイドばかり言ってるキモいおじさん」になってしまうのであろう。

 

 

転売屋目線での購入のポイント

 

新築マンションの場合、転売益の源泉は、相場の値上がりと価格設定の歪みである。相場の値上がりは環境次第だが、一般的に再開発だと上がりやすい。歪みはデベロッパーの社内の論理でつけた価格と中古になった際の価格の差である。

 

相場の値上がりについては、デベロッパーが設定する価格に織り込まれていることが多いが、「出来上がってみたら思ったより良かった」ということで値上がりすることが多いので、再開発の一発目案件や住商一帯開発などは転売屋から見れば収益のチャンスが残されている。こうした物件には転売屋が集ってきてしまうので実需層が買いづらくなる。本当にそこに住みたい人からすれば迷惑な話である。

 

価格設定の歪みについては、不人気な方角(前建てあり、日当たり悪いなど)は大幅にディスカウントされた価格になっているが、中古になると方角による価格差は小さくなるので、坪単価でもグロスでも最安のものを買っておくと値上がりする可能性が高い。それ以外にも、ランドマークが見えるかどうか(見えるのに価格差が小さければ買う)、前たてを抜けてくるか(抜けるのに価格差が小さければ買う)、階数差による価格差の大小(小さければ上を買う、大きければ下を買う)、中古との価格差(価格差が小さければ買う)など様々なポイントがある。

 

 

使用価値と資産価値

 

転売屋とはいえ、実際に居住するため使用価値はある程度重要になる。

 

使用価値を高めるためにオプションに数百万円かけても中古になると評価されない。評価ゼロではないが、例えば500万円オプションを追加しても、売値が200万円高くなるかどうかといったレベルである。方角や広さや眺望の影響の方が大きい。となると、転売屋としてはどの程度のオプションを追加するのかは迷うところであろう。実際、転売される住戸を見ていると、ほとんどオプションをつけてない住戸が多いように感じる。コンロとか異常にしょぼい。

 

眺望についても中古になったときには問題ないものでも、自分が気になるものをどう考えるかなど、使用価値と資産価値の間で揺れることになる。まぁでも、居住期間が3年なら、仕様や眺望もそんなに気にならないのではないか。それよりも、いくらで売れるのかが気になってくる。居住期間が10年なら、仕様や眺望に拘ろうと考えるのが普通だろう。

 

 

実需層にとっての資産価値

 

転売屋でなくとも、資産価値は重要なものだが、転売屋とは着眼点が異なる。10年以上住む場合、目先の価格設定の歪みはあまり重要ではなく、高くともQOLを高められるか?が最も重要になる。実需にとっての資産価値とは「差益が取れるか」ではなく、「良いものが正当に評価されるか」である。

 

株式投資で、「中長期のインベストメントか短期のトレーディングか」という言葉がある。中長期の場合、会社が生み出す利益や配当が利益の源泉になる。短期の場合、市場の需給、感情、割安さなどが利益の源泉になる。似たような概念で、実需層にとっての資産価値は、その物件のファンダメンタルズが中長期的に高いかどうかであり、転売屋にとっての資産価値はその物件に価格設定の歪みがあるか(=割安か)ということである。

 

近年、価格高騰の中で完済前提では買うのが難しくなり、半住半投前提で考えなければならなくなった人も多いのではないかと思うが、3年、5年で売却するわけでないのなら、割安さではなく、ファンダメンタルズに着目して真に価値があるかという点に注目すべきであろう。築15年から20年くらいの物件の相場を調べて、どういったものが真に価値があるとして評価されているか見てみると、築3年、5年に評価される物件とは要件が変わってくるはずである。

 

割安かどうかと言ったノイズに惑わされずに、自分のライフスタイルと想定居住期間に合わせて、中長期的なQOLとファンダメンタルズを両立する物件を選んでいくべきである。また、転勤や駐在や留学で短期間での売却が予想される場合は、まぁあまりQOLなんて言ってないで割安さに注目する方が長期間でのQOLを高めることになるんじゃないかな。