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住宅ローンの50年ローンはありオブあり

SBI銀行が住宅ローンの50年返済商品を提供すると日経が報道していた。プレスリリースはまだみたいなので詳細は不明。

 

住信SBI、住宅ローン最長50年に 住宅価格高騰に対応:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB28DKR0Y3A720C2000000/

 

(50年ローンとはどういう商品か)

50年ローンという商品はすでにあり、35年ローンに比べると、

・一定年収の場合の最大借入可能額が増える 又は 一定額を借り入れた際の毎月の返済額が下がる

・残債の減少スピードが減少する(35年ローンは10年で25%程度減少のところ、50年ローンは10年で16%程度

金利が上がる(SBI銀行の場合、0.15%上乗せとのこと)

・完済時の年齢は上がる(ただし、完済時の上限年齢はどちらも80歳)

・総支払額は高くなる

 

50年ローンという商品は過去にもあった(フラット50が有名)が、あまり流行ってない。

金利の上昇がえげつないことや、対象となる物件が提携融資に限られる、長期優良住宅だけ、など、いろいろな条件があったためである。

ただし、今回のSBIの50年ローンは変動金利であれば超低利なので、今までの50年ローンとは事情が異なりそう。

そして、住宅ローンはツールなので、使い方によっては非常にメリットがあるものだ。

 

(どういう場合にメリットがあるか)

では、どういう場合にメリットがあるのだろうか

・価格が維持向上する可能性が高い希少物件を買う場合 → 物件価格が維持向上するなら残債減少が遅くても問題ない

・手元に十分な現金がある場合 → 0.45%で50年の資金調達ができると考えたら、現金を手元で長期運用してサヤを抜けるので借りられるだけ借りたい

・買えない物件を買う → 最大借入可能額が上がるので、本来手が届かなかった資産性の高い物件に手が届く(資産性を妥協しないのはあり、居住性優先だとやや心配)

・毎月の支出を下げる → 将来の昇給に期待して今のキャッシュフローを楽にする(日本の場合は若者の給与が安い特徴があるので、年功賃金で将来上がることが見えているならあり)

・健康なうちにがっつり借りる → 年齢が上がると健康問題で与信が減ることがある。借りられるうちに最大に借りる手段として考えたら悪くない。オートローンより安いし人生が捗る。

 

やはり、資産性が重要なポイントになってくる。残債の減少が遅いので残債割れにならないよう、慎重に物件を選ぶ必要があるだろう。

 

一方で、永住目的で買うならば総支払額を許容できるのであれば、資産価値を無視しても問題ないのではないか。

収入が上がるのを待たずに快適な住宅に住めるQOL向上効果と総支払額の増加を比較評価すれば良い。

 

(住み替え前提の場合はどうか)

マンションの場合、ライフステージの変化に応じて、10年から15年程度で住み替えることが一般的である。その前提でこの50年ローンはどうか。

・買えなかった資産性が高い物件に手が届くのであり(又は現金を手元に残せるのであり)

・昇給を待たずに買えるのであり

 

つまり、この商品は10年くらいで住み替える前提でも魅力あり。

特に、若い人が将来の昇給を待たずに時間を買うツールとして使うのはあり。

昨今は昇給ペースよりも物件価格上昇のペースが早いこともあり、昇給を待っていたら買えなくなったとなりがち。

 

注意点として、残債は減るのが遅いので、物件選びは慎重にする必要あり。

 

ぼくが以前相談を受けたのは、新築タワマンの提携融資で50年ローンを勧められたというもの。

都心ではないが、都心アクセスが良い巨大駅に近い、近隣の再開発が予定される、新築、大規模、タワーマンションであり、資産性はつよつよだった。

結果論だが、10年で50%以上は値上がりした(部屋によるが2倍以上になっているものある)ようなので、残債減少が35年ローンに比べて少なめでも全然問題なかった。

値上がりは再現性がないとしても、残債の減少スピード以上に減価するとは思えない物件だった。

 

35年ローンでも手が届かないということはなかったと思うが、毎月の支払いが楽になったのは精神的に良かったと思う。

 

(まとめ)

・50年ローンと言われるとウッとなるが、低利で長期間借り入れられるので、悪くない。

・特にメリットがあるのは年功賃金の会社で昇給を待たずに、資産性の高い物件を買うケースや、支払額を抑えて現金を手元に残したいケース。

・資産性が高い物件を買えば、まぁそんなに大失敗しないと思われる。(最大の失敗は35年ローンとの残債の減少スピードの差)

→したがって、良いツールなので、うまく使えるなら使いましょう。