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マンション、投資ネタブログ

高値の中古マンションを買うのって怖くない?

質問箱に頂いた質問にこちらで回答しようと思う。

質問センキュー!

 

いただいた質問はこちら。

https://peing.net/ja/q/488312a2-e79c-42b0-8089-3b7e90a388d7

 

・港南の中古マンションを検討中(←イイね!)だが、中古マンション価格が高騰しているので、10年くらい住んで売却した時に大きく値下がりしていないか心配

・港南でリセール面で優れると思われるマンションはどれ?

 

というご質問と理解した。

 

 

港南の中古マンション相場

昨今、どこのエリアでも中古マンションは高騰している。

 

港南も同じで、中古マンション相場は、

・中古マンションの相場は平米100万円程度。80平米のマンションは8000万円程度。

・表面利回りは5%程度。80平米のマンションの賃料は35万円程度。

 

物件によって多少の違いはあるものの、大体こんな感じである。なお、ベイクレストタワー、ラクシア品川、シティタワー品川は価格も賃料も1割から2割程度安い。

 

ご認識のとおり、港南の中古マンション価格は高騰していて、高値圏にある。

 

港南エリアのマンション群が開発された2005〜2008年はマンション価格が安い時期だった(ただし、金利は高かった)ので、新築時価格が坪200〜250万円弱程度だった。(なお、シティタワー品川は政策的に安く売られたので話が混乱するため除く)

 

その後、2008年のリーマンショックや2011年の震災後は低迷したが、2013年以降、アベノミクス(黒田緩和)、オリンピック、新駅効果などで、40〜60%程度値上がりして、その後は高止まりしている。

 

コロナや羽田新ルートによる悪影響は不透明だが、今のところ大きな価格変動はないように見える。

 

新築時の価格を調べると、大きく価格が上がっているし、アベノミクス前の成約データを見ても、高騰している。短期間に大きく上がったものは短期間に大きく下がるかもと考えると、高値で買うのは怖い。

 

これはよく理解できる。私もそうだったし。

 

なお、新築比で大きく値上がりしたものを買うのは心情的に嫌だという方もいるだろう。

 

理論的には、そんなこと言ったって今更その時の価格には戻らないから、考えてもしゃーないということになる。

 

ただし、心情的に嫌なものを買うのは精神衛生上よろしくないので、新築時価格を気にする人は港南のマンションを買うのはやめたほうがよい。感情的な問題なので、それはそれで正しい。

 

以降は、

・新築時から値上がりしていようが、その後値下がりしなければ実質的な住居費を安くできるので問題ない

・価格が賃料で正当化されていれば問題ない

と考える合理的な方向けの内容である。

 

 

中古マンション価格の決まり方

 

マンションは経年減価するものであり、新築マンションで取得してから、1年あたりの減価率は1〜2%程度である。

 

マンションの寿命が50年なら1年あたり2%であるが、最初のうちは設備が壊れないので、減価ペースがなだらかである。

 

しかし、港南の中古マンションは経年減価どころか、経年で価格上昇している。この現象をどう説明するのか?

 

経年減価の計算は、新築時の価格(原価積算)を正として、そこをベースに計算していくものだが、実際には中古マンション価格は新築時の価格とはあまり関係がない。

 

中古マンション価格は、賃料とキャップレート(期待収益率)によって決まると考えるのが理論的であると、ツイッターで詳しい方から教えてもらった。

 

キャップレートはマクロ的な要因(金利やインフレ率など)により変動するが、エリアによっても変わってくる。

 

誰もが欲しがる(=リスクが低い)都心やブランドエリアはキャップレートが低く、人気がない(=リスクが高い)郊外はキャップレートが高い。

 

港南エリアは伝統的な都心やブランドエリアではないものの、港区なので各種公的サービスが手厚いことや、品川駅徒歩圏で通勤利便が高いのでキャップレートはまぁまぁ低い(と考える)。

 

賃料は経年で安くなるのが普通だが、港南では新築供給がないことや、10年後には高輪GW駅や品川駅の再開発、環状道路の開通による高輪へのアクセス改善、リニアの始業などのポジティブな変化があるので、まぁ、そんなに大きく変わらないのではないか。なお、足元では、賃料の値上がりが続いている。

 

キャップレートの将来的な変化(金利などのマクロ的な変化)を予想するのは難しいが、品川駅の魅力が向上すれば、エリアとしては現在よりも人気(=リスクが低い)となるので、相対的にはキャップレートが低くなるのではないか。

 

以上のとおり、港南の10年後の中古マンション価格について、私は賃料とキャップレートの観点からは、底堅いのではないかというビューを持っている。

 

爆発的に上がるとは思わないが、現在の価格から大きく(20%とか)下がることもないだろう。

 

ただし、長期の予想は当たらないので参考程度のもの。大きな災害が来れば下がるし、インフレになれば上がる。エリアどうこうより、マクロ要因が大きく影響する。

 

 

エリア内の物件による騰落率の差

 

さて、港南エリアの相場は底堅いと予想したが、個別の物件によって騰落率は変わってくるだろうか?

 

これについて、私は騰落率の差は大きくはないと思っている。

 

新築時にはそれなりに価格差があったが、10年以上経った現在、各物件で大きな坪単価の差がついてないので、今後いきなり格差が生じるとは考えづらい。

 

むしろ経年により格差が縮小する方向ではないかと考えている。エリア全体が上げるときはどの物件も同程度上げるし、下げるときは下げる。

 

エリア内で物件による騰落率の差は大きくないとすれば、気に入った物件(使用価値が高い物件)を選んで買えばよいと考える。

 

個人的には、ワールドシティタワーズは唯一の魅力がたくさんあるので、中古価格は維持しやすいのではないかと思っているが、現時点で他の物件に比べて坪単価が大きく異なっているわけではない。

 

 

賃貸との比較

 

なお、必ず買う必要があるわけでなく、賃貸するという選択肢もある。

 

10年間賃貸するケースと購入して売却するケースでは、売却価格によって有利不利が変わってくる。

 

経年減価、災害、金融マーケットのクラッシュなどで中古マンション価格が大きく下落すると予想すれば、賃貸するのも合理的である。

 

これについては、前述のとおり港南の中古マンション価格は底堅いと予想しているので、私は購入した方が有利であると予想している。どうなるのかは、実際に売却してみなければ分からない。

 

価格高騰の中、中古マンションを買うのは恐ろしいかと思うが、少なくとも私は価格は底堅く、買ったほうが有利だと思っているし、購入すればリフォームなども楽しめるから購入をオススメしている。

 

特に子育て世帯や出張が多い方にとって、港南は住みやすいと思うので、ライフスタイルが合えばぜひ港南へ。歓迎です。

 

将来の資産価値は正確には分からないけど、賃貸需要もあるし、まぁ多分大丈夫でしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

築50年のマンションって出口あるの?

Twitterで、築50年のマンションの出口あるの?というテーマがちょっとした話題になっていた。

 

近年、新築や築浅マンションが高騰しすぎたため、築古リノベーション物件を選択する人も増えていると思う。

 

私の友人も何人かそうした物件を買っていた。服飾系のちょっと意識高い系の人とかそいういう感じ。

こうした物件は転売することはなく住み続けることが前提になるが、そこで気になるのが、「マンションの終期ってどうなるの?」ということである。

 

 

 

築古マンションの3つの選択肢

 

築古マンションの出口について、選択肢は3つである。

 

・建物を壊して、土地として売却する。(再開発など)

・建物を壊して、建て替える。

・建物は壊さずに、工事を施す、設備を更新するなどして建物を延命させる。

 

マンションの建替えについて、賢者たちの意見をまとめると、以下のような感じであった。

 

・マンションは築40年くらいになると建替えの話が検討される。

容積率にゆとりがあれば、建替えは可能(建て替えの事例も増えてきているが、ほぼ東京)

・建替えは不可能ではないが難しい。住民も高齢化しており、持ち出しが生じると合意形成が難しい。

・合意形成できた場合でも建て替え完了までは5年〜10年といったレベルで時間がかかる。

 

つまり、建替えの可能性はあるものの、マンション全体で見れば建替え以外の選択肢が取られる場合の方が多いと考えるべきだろう。

 

 

タワーマンションの建替え

 

 

容積率を使い切っているタワーマンションの場合、建て替えると住民の持ち出しが大きくなるので、住民の合意形成は実質不可能である。

 

つまり、出口の選択肢が「取り壊す」か「延命させる」しかなくなる。取り壊すにしても、住む場所を失う人が出るので住民の合意形成は極めて難しい。

となると、消極的な選択として「延命させる」ということが多いだろう。

 

実際、管理組合が「極力安価に設備を維持する」ことだけに注力しているマンションも多い。

ただし、どんなに延命してもいずれ寿命はくる。設備の更新費用が巨額になれば、負担できずに管理不全に陥る恐れもある。

 

「建替えもされず、取壊しもされない多くのマンションを管理不全にしないこと」は日本全体の課題であるが、まだ明確な打ち手はできていないように見える。これは、基本的には所有者の責任において対応すべきものだが、住民の高齢化で適切な管理ができなくなれば、廃墟化して行政負担が増えてしまう。

 

政策(税金や助成金を使ったアメムチや合意形成のハードルを下げるなど)やイノベーション(建て替えずに設備を更新して寿命をのばす)で、対応がなされる可能性はあるが、今のところタワーマンションの出口は不明確である。まぁなんとかなるような気もするし、どうにもならない気もする。

 

 

定期借地権マンション

 

現時点で、タワーマンションの出口について明確にイメージを持てるのが、「定期借地権マンション」である。

定期借地権マンションは、建物を取り壊して土地を返却することを約束した上で購入するマンションである。

 

最近では、パークコート渋谷など、一等地に定期借地権マンションが作られ、70年の借地期間が設定されることが多い。

価格は、所有権マンションに比べて1割〜2割程度安いが、購入者は地代や解体工事の積立金を負担する必要がある。

 

借地期間の延長はできないので、住民が希望しようとしまいと、期限が到来したら建物を取り壊して土地を返却しなければならない。

 

個人的には、これは建物の管理問題や都市計画を考えると、良いパッケージであると思う。

というより、建て替えや取り壊しができない、全ての大規模マンションやタワーマンションは原則として、定期借地権にすべきだと思う。

 

所有権のタワーマンションの建替え、取壊し、延命について、住民間で合意形成するのは大変(というか実質不可能)である。

住民が高齢化して持ち出しが不可能な人もいるだろうし、築古リノベーション物件として取得したばかりの若者もいる。

将来、住民間で不毛な議論が生じないように、最初から終期について定めて、合意の上で取得してもらうということだ。

 

ただ、定期借地権マンションも管理問題がないわけではない。

・70年もきちんと維持管理されるのか?例えば50年で管理不全に陥ったら、その後20年どうするのか?

・借地の期限に近づくほど、管理がテキトーになって居住性能が劣化しないか?

・借地期間満了時には、本当に計画どおり全ての住民が出ていくのか?

・定期借地権マンションにきちんと融資がつくのか?

などなど

 

定期借地権マンションは、理論上は良さそうだが、実際に終了させた事例がないので、事例はこれから。

所有権マンションは、管理不全になったものもあるし、延命しているものもあるし、取り壊したものもあるし、建て替えたものもある。

 

つまり、現状は、出口が不透明なタワーマンションと、出口は明確だが本当に実現できるか不透明な定期借地権タワーマンションということだ。

 

 

 

 

 

 

 

資産価値は大切だけど、そこまで気にしなくてもいい

湾岸タワマンは不動産サイトなどで時価見える化されているから、自宅がいくらで売れるのか気になる人もいると思う。

沖氏の本を読むと、資産価値ばかりに目が行きがちである。たしかに、資産価値の高い自宅を買えば住宅費を下げることができたり、場合によっては利益を得ることができる。

 

 

資産価値の重要性

のらえもん氏が主張しているとおり、

・転勤などがあり、すぐに売ったり貸したりする場合に、時価が高いことは大切である。

・転勤でなくても、移動の自由を確保するためにも、残債割れしないことは大切である。

これらはそのとおりだが、転売屋ではなく実需で1戸だけ保有する前提では、実は資産価値はそこまで気にしなくてもいいと思っている。

 

 

そこまで気にしなくてもいい理由(1)保有期間が長いから

まず、実需で買う場合、居住期間は長くなりがちである。

マンションを購入すると数年後に子供が生まれることが多い。保育園に入れたら卒園まで子供を転園させたくないと考えるのが普通だろう。

第二子が生まれたり、上の子は小学校に入れたら転校させたくない。とすると10年くらいは住み続ける。

以前、有明の物件で聞いたところ、湾岸タワマンは転売屋も含めた平均保有期間は10年くらいだそうだが、実需層はもっと長いのではないか。

 

10年くらいは住み続ける前提では、10年後の売価が多少下がったとしても、ローンの残債減少ペースとの見合いで考えればそこまで気にならない。

のらえ本によると、住宅ローンの残債の減少は10年で25%くらい。(前提など詳細は本を買って読んで欲しい)

10年後に25%以上値下がりしなければいいし、25%以上値下がりしても、預金が潤沢で負担できる範囲(数%とか)であれば気にしなくていい。

 

つまり、短期(5年とか)で住まいのサーフィンをするような人でなければ、資産価値についてはそこまでシビアに考えなくてもいい。

また、そもそも10年後の売却価値なんて、先のことすぎて予想もできない。

 

10年前にオリンピックやコロナを予想できる人なんていないし、予想しても当たらないから考えても仕方ない。

これから10年でインフレになるかもしれないし、逆に大きな災害がくるかもしれない。

 

株式投資でも長期投資かは目先の株価の水準とか直近のニュースにそこまでセンシティブにならない。

どうせ長期に積み立てるからあまり関係ない。ボロ株じゃなければ大丈夫程度の考え方である。

 

 

そこまで気にしなくてもいい理由(2)次に買う物件も高い(安い)から

また、自宅に評価益があっても、そういう場合は大抵、相場全体が上がっているから、次に買う物件も高い。

買い替え先が同エリア内なら似た動きをしているだろうし、買い替え先が新築なら買い替え組の含み益を吐き出させる価格設定がされるため、更に高い。

 

したがって、評価益があっても、同時期に売却→購入をする場合、さほど得でもない。

 

一度賃貸を挟んだり、2戸保有する、再開発エリアをホッピングするなら事情は変わってくるが、普通は面倒だからそんなことしないだろう。

また、自宅に評価損があっても、次に買う物件が安ければさほど問題にならない。

 

つまり、自物件だけが大きく減価するようなことがなければ、そんなに気にしなくていい。

 

 

結論

資産価値は大切だけど、実需層にとって、そこまで気にしなくてもいい。

 

郊外の戸建てのように減価率が激しいものや、築年数の極端に古い物件を買おうというならともかく、共働き子育てを行うために、通勤利便性の高いエリアで、新築や築浅のタワマンや大規模マンションを買う場合はそんなに経年減価しない。

 

よって、資産価値を追求して、駅近の狭めの北向き2LDK(転売屋価値が高い物件の例)を買うよりも、家族の使用価値を追求して駅から多少離れても広々した南向きの3LDK(同様に、例)を買った方が、統計的に値上がり率が低くても、居住する長い期間の満足が得られるから良いと思う。

 

程度の問題ではあるけど、そこまで資産価値追求マンになる必要はない。最低限のポイント(エリア、規模など)を押さえておけばいいだろう。

それよりも、自分の実現したい暮らしを想像して、必要な間取りや設備(LDKの広さ、ディスポーザーの要否などなど)を見極める方が良いと考える。

 

 

 

追記

よく、売り時買い時みたいな議論があり、マンション価格が高い今はどう考えても買い時ではないということになる。

ただし、この記事のとおり、1戸しか持たない人であれば、価格上昇すると住み替え先も高くなり、価格下落すると住み替え先も安くなるため、あまり気にしなくていいと思う。よく言われる「買いたい時が買い時」というのはあながち間違ってはいない。もちろん、無理なく買える支払能力があることが前提だが。

 

 

 

 

 

 

 

港南のマンションで共働き子育てに適してるのはどれ?

質問箱に、「港南のマンションベスト3は?」という質問をいただいたので、こちらで回答したいと思う。質問ありがとうございます!

 

港南のマンションは物件によって特徴が結構違うので、ライフステージによってどれが適しているのか違ってくる。そこで、共働き子育てをしている立場から見た評価を書いていこうと思う(子供は保育園前提)。

 

 

各マンションの位置関係

 

・品川Vタワーは品川駅のペデストリアンデッキが直結している唯一のマンション。

・品川タワーフェイスとパークホームズ品川は旧海岸通り沿い。

・ワールドシティタワーズ、ブランファーレ、ベイクレストタワーは海岸通り沿い。

・フェイバリッチタワーとラクシア品川は隣接。

・シティタワー品川とコスモポリス品川は道路を挟んで隣接。

・パークタワー品川は港南のマンション群から少し離れた場所にある。

 

 

各マンションのキャラクター

 

・品川Vタワーは富裕層向け

・品川タワーフェイスはDINKS向け

パークホームズ品川は船のようなデザイン

・ベイクレストタワーは北東向きの眺望がすごいが、立地がややハード

・フェイバリッチタワーは南向き住戸が多く、ファミリー向け

・シティタワー品川は下駄履き施設が多く、ファミリー向け

コスモポリス品川は高級感あり、ゆとりある作りで広いのに2LDKとかが多い

・東京シーサウスブランファーレは白い塔のような外観で、自走式駐車場あり

ラクシア品川は共用施設はないが占有部はゆとりある作り(囲まれ感はあり)

・パークタワー品川はやや離れたところにあるのんびりとしたマンション

・ワールドシティタワーズはデザイン、間取り、共用施設に気合いが入った巨大マンション

 

 

共働き子育て観点からの評価

 

・ワールドシティタワーズ、シティタワー品川(評価:☆☆☆)

80平米以上の間取りが多く、公園に隣接、敷地内に保育園・クリニック・マルエツなど、子育てに必要なものが揃っている。たかはま保育園やこうなん保育園に行かせたい場合は直結ではないが、近いし、24時間営業のマルエツが一階にあるのは便利すぎ。

マンションを共働き子育てをするための道具と捉えれば、この2つにすれば、間違いない。

ワールドシティタワーズは兄貴分(全てにおいて豪華でマルエツもフルサイズ、隣接する公園も大きい)だが、DWでベランダが狭いことだけは難。

シティタワー品川は定期借地権マンションなので、地代を払う必要はあるが、固定資産税が安いので、維持費は所有権物件と同程度。

 

コスモポリス品川、パークタワー品川、ベイクレストタワー、ブランファーレ、フェイバリッチタワー、ラクシア品川(評価:☆☆)

敷地内ではないものの、ワールドシティタワーズやシティタワー品川に近いのでこれらの施設をストレスなく利用できる。

徒歩5〜10分圏内に必要なものは全てあるので、子育て世帯が多い。

建物や共用施設の魅力が高いマンションも多い(コスモポリス品川、パークタワー品川など)。

どれも魅力のあるマンションであるため、眺望、間取り、共用施設などの好みで選べば良いと思う。

 

パークホームズ品川、品川タワーフェイス(評価:☆)

立地的に保育園まで少し遠い。

広い間取りがなく(70平米くらいの間取りが多い)家族の人数が多いと手狭なので、DINKSか子供が1人の世帯向けだと思う。

 

 

ということで、下駄履きマルエツのあるワールドシティタワーズとシティタワー品川が☆3つ。他の広めのマンションが次点ということになった。

 

港南マンションの場合、駅までの距離は同程度だし、保育園登園にかかる時間を考えれば誤差の範囲。循環バスや赤チャリを使う人も多いので、駅距離は気にならない。

 

専有部や建物自体の魅力のほか、公園やマルエツや保育園アクセスを考えれば、どのマンションが自分に適しているのか決めることができるだろう。

 

個別のマンションの特徴については、長くなるのでまた次の機会に書きたいと思うが、中古はだいたい坪330万円くらいが相場。

 

シティタワー品川、ラクシア品川、ベイクレストタワーは他に比べて10%〜20%くらい安い。シティタワー品川は借地権だから。ラクシアは囲まれ感から。ベイクレストタワーは高架が集まる場所なので安い。価格が安ければリフォームや家具、車にかけるお金の余裕が生まれるので、安いことには価値がある。

 

私のマンション購入体験談(中古マンション編(3)内見!、内見!、内見 !)

予算もなんとなく決まり、後は物件を決めるだけになった。

 

自分の支払い能力だけでなく、高値づかみを避けられるよう、仲介業者から過去数年分のデータをもらって相場を確認した。

売出しと成約データを見ると、基本的には数百万円〜端数の値引きをして成約しているようだった。

事例が多いから、相場から割安で買うのも高値掴みする事もないだろう。

 

予算と見比べると、買える物件がなんとなくイメージできた。(多少予算を増やした)

 

価格上昇局面だったので、「数年前なら多少安く買えたのになぁ」と思ったが、まぁそれを言っても仕方ない。

また、新築時と比べると価格上昇率はとんでもないことになっている。ただまぁ、それを言ってもしかたない。

割高割安は、現在の賃料との比較で考えるべきだと思う。賃料ベースではまだ割安感があった。(利回りが高かった)

 

ただし、新築時に比べて非常に高い価格で買うことについて、精神衛生上許せない人の気持ちは理解できる。

新築時は原価ベースで決まっており、原価が安かったものを転売屋から高く買うわけだから。

そういう行為が信条的に許せない人は、心の安寧のために新築を買ったらいいんじゃないだろうか。Follow your heart.

 

 

資産価値と使用価値

 

私は、中古マンション購入にあたっては、「今の賃貸よりも保育園と職場に近づく」ということを考えた。

我が家にとって、保育園と職場アクセスは毎日のもので確実にQOLが向上する要素であり、使用価値を最大化できるためである。

これに加えて、住宅本来の性能、広さや日当たり、設備によるQOL上昇がある。

 

資産価値は他人が決めるものだし、金利や税制によって上がったり下がったりするものだが、

使用価値は自分が決めるものである。自分の要件を確認すれば確実にQOLを高めることができる。

 

使用価値を高めるためには、自らが何を必要としているのか見極めることが大切である。

実際、私の場合、毎日保育園への登園や通勤で、「この家で良かった」「現状、これ以上のものはない」と感じられる。

もっとも、これは私の保育園、職場だからであって、人によってはもっとよい物件はある。

 

ネット上の議論で、どの物件の設備が良いとか悪いとかっていうのは所詮、資産価値的な側面でしかないので、そこまで気にする必要はない。

それよりも、自分にとって使用価値が高い物件を選ぶことが大切であろう。

 

私は資産価値と使用価値を両立できる住宅を買おうと意識していたが、港南エリアは企業による賃貸も多いようだし、品川駅の開発、新駅の開発、リニアなどが控えていたので、資産価値の方は底堅く、待っても下がることはないだろうと考えた。

 

港南の中古マンションは震災直後のどん底から見ると、信じられないくらい(40%以上)の価格上昇をしていたし、賃料もどんどん上がっていた。

 

オーナーチェンジなどで昔契約された家賃を見るとすごく安く見える。新築が供給されない中で不思議なものだ。

 

 

内見!、内見!、内見!

 

さて、中古物件はモノによって状態に大きな差がある。ここでは実際の事例を書いていきたい。

高層階、低層階、方角、部屋の状態などによって印象は大きく異なるので、とにかくたくさん内見をして、自分の中での判断基準を磨くと良いと思う。

 

(1)異常に綺麗な部屋

最初に見に行ったのは、若い夫婦2人が住んでいた物件で居住中にも関わらず、室内はピカピカだった。

住んでいるとは思えないほど物が少ないのにアロマ的なものがたかれている。

 

ただ、設備は新築時のデフォルトから一ミリも変えてない。つまり、売るために住んでいる転売屋っぽい人だった。

室内が綺麗なのはよかったが、経年の割に綺麗すぎて不自然だった。リフォーム代をケチるために気をつけて住んでいたんだろうか。

 

また、低層階であったので周辺の建物とのお見合いが気になった。日当たりはあるが、遮るものがある。

新築へ引っ越すので売り急いでおり、価格は多少下げられるとのことだったが、安くてもお見合いの家はどうなんだろうと思うと、決断できなかった。

実際、安かったのですぐに売れてしまったそうだった。

 

 

(2)ボロボロの部屋

次に見に行ったのは、ボロボロの部屋だった。低層だが方角的に抜けており、それ自体はよかった。

ただ、室内の汚れ方が尋常ではなかった。壁や天井にワインがぶちまけてあって、色がついている。全ての部屋が汚れている。

 

お金持ちのボンボン息子が住んでいて、雑に扱っていたらしい。

補修してから売ればいいのに、「面倒だから価格下げるから後は勝手にやってくれ」という態度だそうだ。

 

見えない場所に不具合があったら嫌だし、汚れているものを買って補修するのは嫌だったので見送りになった。

転売屋であれば、こういうボロボロの部屋を買って数百万円かけてリフォームすればサヤが抜けるのかもしれない。

ただ、私は実需なので、ちょっと異常な売り主からボロ部屋を買う気にはならなかった。

 

この部屋、しばらく売れなかったそうだが、仲介マンが大きく下げることを提案して、相場より500万円以上安くして売り切ったそうだ。

低層でもともと安かったのでかなり安い事例になった。

こういうデータがレインズの成約データに含まれているので、単純に坪単価を比較しても意味がない場合がある。

 

 

(3)暑い部屋

次に見に行ったのは、南西向きの高層階だった。高層階なので眺めはすごかった。価格もまぁまぁ。

室内も綺麗。ただ、夕方に見に行った時はかなり暑かった。家具は日焼けしていなかったが、和室の畳は色が変わっているように見えた。

 

日当たりが良い部屋がいいが、暑いのは嫌だなと感じた。この時の経験からタワマンの場合、方角に拘るべきだなと感じた。

遮るものがないタワマンの場合、夏の西日の暑さが何よりも過酷なので、南西向き、西向きはキツい。ダイレクトウィンドウなら特にキツい。

 

タワマンの北向きは順光で眺望が綺麗に見えるが、子育てをするうえで、日が全く当たらないというのはよくないと感じた。

したがって、東向き、南東向き、南向きが良いと思う。(ただし、ダイレクトウィンドウではなく、ひさしがある前提)

 

タワマンの場合、西日のキツさは必ず確認しておいた方が良いポイントである。内見する場合、夕方に行くべきである。

 

 

(4)レインボービューの部屋

港南エリアからはレインボーブリッジやお台場が見える。レインボービューの部屋は少なく、なかなか出てこない。

たまたま出てきたので、価格は高かったがレインボービューの部屋を見に行った。

 

レインボーブリッジが見えて、ビューバスもついている眺望にこだわった部屋であった。

リビングからレインボードーンな眺望には圧倒的な説得力があった。昼と夜に見に行ってしまった。

 

昼は清潔感あり、夜は余計なものが見えないのでさらに迫力が凄い。この部屋は賃貸や売却に出した際には絶対に需要があるだろうと感じた。

 

ただ、妻を連れて行くと「すごすぎて子供が勘違いするかも」「間取り的に奥まったところが暗いかも」ということだったので見送りになった。

大人だけが住む前提ならこの部屋はかなり良かった。つまり、当然だが、自分のライフスタイルによって適した部屋は違う。

 

 

(5)妥当な使用感のある部屋

次に南向きで住みながら売却している物件を見に行った。子育て中ということで、全体的に使用感がある。

壁にシールが貼ってあったり。物が多かったり。

 

部屋の状態は悪くなかったし、全体的にいい感じだったが、価格が少し高かった。

 

中古をいくつか内見した結果、「住みながら売却」というのは、価格が一定以上の場合は避けるべきじゃないかと感じる。

他に見に行った部屋でも、住みながら売却の場合、気をつかってしまうし、内見のタイミングも調整が必要だし、買う気が起こらなかった。

 

実需層としては、空室でゆっくり隅々まで内見して、(少し高い価格で)買う方が良いのではないか。

売る側としては、空室にして最低限の補修はしてから(多少高い価格で)売るのが良いのではないか。

 

中古マンション購入者はリフォーム前提であろうが、これは機能向上のリフォームを意味していて、マイナスの部分を直すということではない。

 

大きな汚れやダメージがなく、更にプラスのリフォームをしたくなるような状態で売るのが良いと思う。

 

 

(6)買った部屋

自分の中で基準がはっきりとしてきたため、複数の業者さんに条件を伝えて、売り出しが出たらすぐに教えて欲しいと伝えておいた。

そこで、条件どおりの部屋が出たので、その日に見に行って、その場で買い付けをいれた。

 

内見をして、イメージどおりの部屋で間違いないと思った。部屋は綺麗で補修がしてあった。賃貸に出されていた部屋のようだった。

 

物件選びの時点で、保育園や職場へのアクセスが改善することは決定しているので、部屋選びは更にQOLの積み増しということになる。

参考までに、私が重視したポイントは以下。

 

・間取り

リビングと寝室が広めであること(他の部屋は狭くてよい)

 

・方角

 東か南か南東向きであること(日当たり良し)

 

・階数

虫が出ない階層であること(20階以上とか?)

 

・眺望

抜け感があること(前建てがないこと)

 

・状態

ある程度綺麗なこと(補修してあるでも可)

 

・価格

相場どおりかつ予算内であること(予算を増やす場合は、妥当な理由があること)

 

 

結果として、今の住宅にはとても満足している。

なんでうまく行ったのかという理由について家族で話していると、買うことはないだろうという方角や階数も含めて、

よく内見して判断基準をしっかりと持ったことが良かったのではないかと思っている。

 

特に、判断基準がハッキリしない一次取得の方は特に色々見てから決めると良いと思う。

マンションで車を持つ経済合理性について考えてみた

私は自家用車を持っていないが、そのかわりにカーシェア、タクシー、バス、シェアサイクルを使いたい時に使うライフスタイルであった。(コロナ前の話)

旅行の場合も、家から車で行くことは少なく、電車で移動した先でレンタカーを借りることが多かった。

 

車自体は好きなので自家用車を持つことを検討したこともあったが、週末しか乗らない場合はあまりにも不経済なのでやめた。

 

基本的に、稼働率の低いものは保有するより借りる方が費用を節約できるし、変動費化できるのでコントロールが効いて良い。

カーシェアは管理手間(登録、納税、車検、清掃、修理等)をアウトソースできることも大きい。

 

共働き子育て中なので、平日は忙しすぎて車に乗ってる時間はなかった。

退社→帰宅→食事→お風呂→着替え→洗濯→明日の用意→寝かしつけのルーティンだけで精一杯である。

 

最近の湾岸タマワンでも駐車場の付帯率はどんどん下がっている。30%くらいだろうか。

会社でも共働きが増えている中で、車を買う人は「車を持つのが趣味な人」「特殊な趣味(ゴルフとかキャンプとか)がある人」という扱いになってきているのを感じる。

 

もちろん、郊外や地方では車は日常の足で必要不可欠なものだが、都心や都内では実用品というより、趣味的なものになってきている。

 

一昔前の人なら信じられないだろうが、カーシェアというものが常識を変えるほど素晴らしいサービスであったのだと思う。

大半の人にとって、車が必要だったのではなく、モビリティが必要なのであった。

 

 

テレワーク

 

コロナによる外出自粛で夫婦共にテレワークになると、平日の早い時刻に仕事が終わり、家にいることができるようになった。

 

外出自粛が解除された後は、平日終業後に時間ができ、車があれば行動範囲が広がる。

また、テレワークの趣旨を考えれば、終業後にわざわざ電車に乗って外出することはしないだろう。

 

今後も週2、3回のテレワークが継続する前提で考えると、平日に車に乗ることができるので自家用車を持つ経済性が向上する。

そこで、「どの程度の利用が見込めるなら、マンションで車を持つのが経済合理的になるか」を計算してみることにした。

 

 

購入とカーシェアの比較

 

(1)車を購入した場合の維持費

 

車の維持費は大別すると以下のようになる。

故障した場合の修理費用など、他にもあるがここでは無視する。つまり、購入した場合の維持費をオマケしてる。

 

車 両・・・カーシェアで借りれられる車と水準をあわせると、300万円で買って10年後に100万円で売るとする。

      計算が甘いかもしれないが、その場合は200万円で買って乗り潰すと想定すればよし。

      1年あたり20万円償却。月1.5万円。

駐車場・・・月2万円とする。

保険料・・・条件次第だが、6等級(スタート時)から多少上がって、車両保険もつけて年間6万円とする。月5000円。

税 金・・・年4万円とする(プリウスだと39500円とのこと)。月3500円。

車 検・・・上記以外の費用を含めて、2年に1回10万円とする。相場は10〜20万円らしいのでオマケ気味。1年5万円、月あたり4500円。

燃料代・・・月1万円とする。

※高速代はカーシェアでもかかるので無視、故障修理は無視(タイヤや消耗品費用くらいは見ておいたほうがいいが)

 

合 計・・・58,000/月(これは最低ライン)

 

 

(2)カーシェアの場合の利用料

 

カーシェアの場合、利用時間に応じて料金がかかるようになっている。実体験から概ね6時間借りると5000円程度である。(燃料代コミ)

実際には、1日6時間も借りないことも多いが、土日はそれ以上に借りる場合もあるので、1回あたり6時間借りるとする。

利用頻度と料金は以下のとおり。

 

・月に30日借りる(毎日乗る)・・・5000円×30=月150,000円

・月に16日借りる(週末+平日に2日乗る)・・・5000円×16=月90,000円

・月に8日借りる(週末だけ乗る)・・・5000円×8=月40,000円

 

ざっくり計算すると、週末利用だけならカーシェアの方が安いが、平日も乗るなら購入した方がコストが低く経済的なことがわかった(よっしゃ)

 

カーシェアは駐車場が遠かったり、室内が汚れてたりするし、乗りたい時間に乗れないこともあるから、同じコストなら購入したほうがいいだろう。

ということで、コスパを気にする諸兄は、平日に乗るのかどうか(子供の送り迎えなど)を考えると良いのではないだろうか。

 

計算してみると、購入した場合のコストの中で駐車場の比重が大きいから、やはりマンションの場合はどうしても不経済になりがちだと分かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私のマンション購入体験談(中古マンション編(2)予算の考え方)

さて、中古マンションを買うことを決めてから、いくつか本を買って「中古マンションの買い方」を勉強した。新築マンションと違って、中古マンションを買うのは難しい。

 

新築ではデベロッパーの案内に従って、受動的に意思決定していくだけでいいが、中古の場合は能動的に動かなければ買えない。良い物件はすぐに消えてしまう。港南エリアの場合、常に見ている人がいるのかわからないが、好条件の物件は数日から長くても数週間で消えるようだった。

 

『予算を決めて事前審査を受けておき、気に入った物件が出てきたら買い付け(指値)を入れる』というのが中古マンション購入の基本のようだった。『売れ残りにガッツリ指値を入れる』というのもあるが、素人にはやりづらい。

 

悩んでいるうちに物件がなくなってしまうので、『この物件のこの方角がいくらで出たら買う』というように、購入条件を決めておく。それを決められるだけの情報を集めておく必要がある。

 

それでは予算はどのように決定すれば良いのだろうか?

 

 

予算の考え方

 

個人的に、『マンションは買っても借りても、長期的には住宅費は同程度になるはずだ』という考え方を持っている。

 

明らかにどちらかが有利(買った方が住宅費は半額になるとか)であれば、みんながそちらを選択し、需要が大きくなるので価格(賃料)が上昇するという金融市場的な考え方を持っているからである。

 

ただし、実際には各種のバイアス(購入バイアス、新築信仰)やライフスタイル、転勤の有無、社宅制度の有無などから、人によって購入と賃貸でどちらが有利なのかは異なってくる。

 

私の場合は長く住むことが見えていたので、計算してみると、よほど大きな価格下落が生じない限りは買った方が有利(住宅費が安くなる)であった。

 

ざっくりだが、以下の方法で計算した。

 

<購入して10年後に売却した場合の正味住宅費(1ヶ月あたり)>

(取得価格(諸費用含む)+10×(管理費+修繕積立金+税金+設備維持費等ーローン減税総額)ー売却価格(諸費用含む))÷10

※売却価格は下落前提でいくつかのシナリオで計算(ただし、保守的に下落前提で)

 

<賃貸>

賃料

※実際には更新料や引越し代金がかかるがあえて無視(賃貸が有利になるように)

 

実際に計算してみると損得は売却時価格次第であるとわかる。売却時価格は購入時点ではわからないが、相場をウォッチしていて、例えば「5000万円では売れるだろう」とか「最悪のシナリオでも4000万円未満になることはないだろう」とかそういった感覚が持てれば、ある程度現実味のある仮定が置けるのではないか。

 

ここでは売却損が生じる前提で計算しているが、実際にはアベノミクスでマンション価格が大きく上がり、金利が下がったので、アベノミクス前にマンションを買っていた人は大きな含み益がある状態にある。

 

結果的に、この時期は買った方が有利(住宅費が少なくなった)であったが、これは運の要素が大きいので再現性がない。

 

金利がこれ以上下げられない現在の状況でも購入が賃貸よりも有利なのかは不明だ。

 

マンション価格は株価のように、上がったり下がったりするものだとすれば、購入時点では「購入した方が有利」と思っていても、売却時点ではトントンになっている可能性がある。つまり、マンション購入が賃貸に比べて有利か不利かは、売却してみないとわからない。

 

評価益をドヤっても仕方ない。今後下がるかもしれないから。また、評価益のある状態で住み替えれば住み替え先のマンションも高いので、2軒持ちの人や一旦賃貸に出る人以外にはあまり意味はない。同様に、評価損があっても、次に買うマンションが安ければ、そんなに気にする必要もないだろう。

 

さて、賃貸でも購入でも住宅費が同じだとすれば、賃貸では住めないようなマンションを購入するのは危険だ。そう考えると予算が見えてくる。賃貸で20万円支払うのはあなたの家計にとって持続可能だろうか?25万円や30万円ならどうだろうか?

 

25万円なんて無理だよと思う方が多いと思う。それは当然である。実際には頭金を入れることで月次の支払いは低減される。6000万円の物件をフルローンで購入すると、月次の支払いは18万円程度だが、頭金を2000万円入れれば12万円程度になるといった具合に。

 

このとおり、住宅費とキャッシュフローは異なる概念である。住宅費は実際には売却してみないと確定しないが、キャッシュフロー(キャッシュアウト)は毎月必ず発生するものなので、無理しない方が良いと思う。

 

さて、実は私はあまり真剣に予算を考えていたわけではないのだが、上記のように「この物件は賃貸でも(支払い能力的に)借りられるだろうか?」「購入した場合は、賃貸よりも住宅費が有利になる可能性が高いだろうか?」と考えていた。

 

また、共働きだが子供が生まれる可能性や働けなくなる可能性もあるので1人の収入(残業なし、賞与なしベース)で無理なく返済できるようにしたい、ローン減税の効果を最大化させたい、住宅取得に係る贈与を受けたい、使っていない預金を頭金として活用したいなどと考えていた。

 

予算を決める方法はいくつかあるだろうが、この方法で予算を決めると、かなり保守的な予算となる。

 

実際、支払いは余裕がある。毎月お金が余るので趣味や運用に回したりすることができている。子供ができると出費が大きく増えるので、短期的に売却する運用目的でもなければ、保守的に予算を見て長期持続可能にしたほうがいいと思っている。

 

予算については、家計の中で住宅にどれだけ費用をかけられるか(車を持つか、海外旅行などのお金のかかる趣味はあるか、子供がいるか等)という考え方、ライフスタイル次第のところもあるので、正解というものはないが、自分で納得のいく方法で計算して設定すると良いのではないだろうか。