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私のマンション購入体験談(中古マンション編(2)予算の考え方)

さて、中古マンションを買うことを決めてから、いくつか本を買って「中古マンションの買い方」を勉強した。新築マンションと違って、中古マンションを買うのは難しい。

 

新築ではデベロッパーの案内に従って、受動的に意思決定していくだけでいいが、中古の場合は能動的に動かなければ買えない。良い物件はすぐに消えてしまう。港南エリアの場合、常に見ている人がいるのかわからないが、好条件の物件は数日から長くても数週間で消えるようだった。

 

『予算を決めて事前審査を受けておき、気に入った物件が出てきたら買い付け(指値)を入れる』というのが中古マンション購入の基本のようだった。『売れ残りにガッツリ指値を入れる』というのもあるが、素人にはやりづらい。

 

悩んでいるうちに物件がなくなってしまうので、『この物件のこの方角がいくらで出たら買う』というように、購入条件を決めておく。それを決められるだけの情報を集めておく必要がある。

 

それでは予算はどのように決定すれば良いのだろうか?

 

 

予算の考え方

 

個人的に、『マンションは買っても借りても、長期的には住宅費は同程度になるはずだ』という考え方を持っている。

 

明らかにどちらかが有利(買った方が住宅費は半額になるとか)であれば、みんながそちらを選択し、需要が大きくなるので価格(賃料)が上昇するという金融市場的な考え方を持っているからである。

 

ただし、実際には各種のバイアス(購入バイアス、新築信仰)やライフスタイル、転勤の有無、社宅制度の有無などから、人によって購入と賃貸でどちらが有利なのかは異なってくる。

 

私の場合は長く住むことが見えていたので、計算してみると、よほど大きな価格下落が生じない限りは買った方が有利(住宅費が安くなる)であった。

 

ざっくりだが、以下の方法で計算した。

 

<購入して10年後に売却した場合の正味住宅費(1ヶ月あたり)>

(取得価格(諸費用含む)+10×(管理費+修繕積立金+税金+設備維持費等ーローン減税総額)ー売却価格(諸費用含む))÷10

※売却価格は下落前提でいくつかのシナリオで計算(ただし、保守的に下落前提で)

 

<賃貸>

賃料

※実際には更新料や引越し代金がかかるがあえて無視(賃貸が有利になるように)

 

実際に計算してみると損得は売却時価格次第であるとわかる。売却時価格は購入時点ではわからないが、相場をウォッチしていて、例えば「5000万円では売れるだろう」とか「最悪のシナリオでも4000万円未満になることはないだろう」とかそういった感覚が持てれば、ある程度現実味のある仮定が置けるのではないか。

 

ここでは売却損が生じる前提で計算しているが、実際にはアベノミクスでマンション価格が大きく上がり、金利が下がったので、アベノミクス前にマンションを買っていた人は大きな含み益がある状態にある。

 

結果的に、この時期は買った方が有利(住宅費が少なくなった)であったが、これは運の要素が大きいので再現性がない。

 

金利がこれ以上下げられない現在の状況でも購入が賃貸よりも有利なのかは不明だ。

 

マンション価格は株価のように、上がったり下がったりするものだとすれば、購入時点では「購入した方が有利」と思っていても、売却時点ではトントンになっている可能性がある。つまり、マンション購入が賃貸に比べて有利か不利かは、売却してみないとわからない。

 

評価益をドヤっても仕方ない。今後下がるかもしれないから。また、評価益のある状態で住み替えれば住み替え先のマンションも高いので、2軒持ちの人や一旦賃貸に出る人以外にはあまり意味はない。同様に、評価損があっても、次に買うマンションが安ければ、そんなに気にする必要もないだろう。

 

さて、賃貸でも購入でも住宅費が同じだとすれば、賃貸では住めないようなマンションを購入するのは危険だ。そう考えると予算が見えてくる。賃貸で20万円支払うのはあなたの家計にとって持続可能だろうか?25万円や30万円ならどうだろうか?

 

25万円なんて無理だよと思う方が多いと思う。それは当然である。実際には頭金を入れることで月次の支払いは低減される。6000万円の物件をフルローンで購入すると、月次の支払いは18万円程度だが、頭金を2000万円入れれば12万円程度になるといった具合に。

 

このとおり、住宅費とキャッシュフローは異なる概念である。住宅費は実際には売却してみないと確定しないが、キャッシュフロー(キャッシュアウト)は毎月必ず発生するものなので、無理しない方が良いと思う。

 

さて、実は私はあまり真剣に予算を考えていたわけではないのだが、上記のように「この物件は賃貸でも(支払い能力的に)借りられるだろうか?」「購入した場合は、賃貸よりも住宅費が有利になる可能性が高いだろうか?」と考えていた。

 

また、共働きだが子供が生まれる可能性や働けなくなる可能性もあるので1人の収入(残業なし、賞与なしベース)で無理なく返済できるようにしたい、ローン減税の効果を最大化させたい、住宅取得に係る贈与を受けたい、使っていない預金を頭金として活用したいなどと考えていた。

 

予算を決める方法はいくつかあるだろうが、この方法で予算を決めると、かなり保守的な予算となる。

 

実際、支払いは余裕がある。毎月お金が余るので趣味や運用に回したりすることができている。子供ができると出費が大きく増えるので、短期的に売却する運用目的でもなければ、保守的に予算を見て長期持続可能にしたほうがいいと思っている。

 

予算については、家計の中で住宅にどれだけ費用をかけられるか(車を持つか、海外旅行などのお金のかかる趣味はあるか、子供がいるか等)という考え方、ライフスタイル次第のところもあるので、正解というものはないが、自分で納得のいく方法で計算して設定すると良いのではないだろうか。