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ロシアの通信社が勝利宣言の予定稿を流出した件

連日、ロシアのウクライナ侵攻に関する報道がなされており、SNSでも連日膨大な情報が流れていてSNSがある中での戦争というのはこういうものかと驚いている。

政府のプロパガンダのみならず個人レベルでのデマやフェイクニュースも含まれるので何が真実かは全然わからないが、その中でも興味深いニュースがあった。

 

ロシア国営通信が「勝利記事」の予定稿を誤送信! その署名記事でバレた「プーチンの真の狙い」

https://news.yahoo.co.jp/articles/039b40b07b5cb047e8ab1f3ad7433ed7c743b197

 

全文を和訳した人もいて、興味深い内容だった。

真実なのかデマなのか意図的に流したのかうっかりなのかはわからないが、文章には迫力を感じるそれっぽい内容である。

 

ポイントとなっている部分は、

・短時間でキエフを陥落させて勝利宣言をする予定だった。(つまり、ウクライナ側にもロシア側にも大きな被害を想定していなかった。)

ウクライナ東部の親ロシア派の安全確保は主目的ではなく、ウクライナ全体をロシア側に復帰させ、民族的に近いウクライナベラルーシ、ロシアで一体となることが目的。

NATOの東方拡大などでウクライナのロシア復帰は年々難しくなり、軍事侵攻に伴う国際的な批判や制裁を受けても今やらなければならないと決意している。

・より大きな目的として、グローバル化という名の実質的な米英が支配する世界を終わらせ、経済的にも政治的にもブロック化させ、多極化(中国やインド、南米やアフリカ、イスラム諸国や東南アジア)した世界を目指す。

 

日本を含めた欧米側は「ロシアは国際法違反だし経済的にも政治的にも合理的でない暴挙」「プーチンは何を考えているのかわからない狂人」という報道が多いが、手段はともかく上記の主張は一定の説得力や一貫性を持つように感じる。特に、プーチン支持をしている人たちにとっては、ウクライナが反ロシアなのは許せないというのは共感されるのではないか。

多くの欧米側のロシア専門家も、「ウクライナNATOに加盟することはロシアにとっては政治的、精神的に絶対に許容できない一線である」と言っており、整合的である。

 

また、冗談のような話だが、プーチンが政権幹部にウクライナ東部の国家独立承認を支持するのか確認した際に、

「東部地域のロシアへの編入を支持します」と誤って発言した幹部を「編入ではなく国家承認について支持するかを聞いている」と訂正させたことがあったが、

ウクライナ東部での国家承認、その安全確保のための攻撃というのは方便であることは暗黙の了解であったのだろう。

 

ただし、この勝利宣言からは状況がズレてきている。

ウクライナの抵抗が想定より激しかったのか、ロシア軍の士気低下のためか、ロシア軍はキエフを陥落させていない。

都市部での抵抗に対応するため、ロシアは無差別攻撃しているのでウクライナ国民の被害者が増えて、大多数のウクライナ国民の反感を買っている。

つまり、ウクライナをロシアに一体化させることは非常に難しくなっている。

 

また、侵攻に時間がかかっていることで欧米が制裁を実施する時間的猶予ができた。

欧米による反発が激しく対応もある程度一体的であり、多極化戦略に他の国々が追従するのかは不明。

中国、インド、UAEは国連安保理でロシアへの非難決議に棄権はしたが反対はしていない。ロシアの一味と見なされて制裁をくらったらたまらない。

 

戦闘が長期化し、ロシア兵士に被害が広がったり、経済への悪影響が大きくなればプーチンの国内での支持も離れていくかもしれない。

ロシア国営メディアはロシア軍はウクライナの軍事施設だけを攻撃していて、民間施設の破壊画像はフェイクと言っているようだが、今の時代、そんな情報統制が通じるのだろうか。

フェイクも混ざっているだろうが、どう見ても住民が撮影した感じの動画も多い。

 

この勝利宣言が真実だという前提では、ロシアはウクライナの一部地域のためではなく、より大きな戦略として戦後秩序に挑戦するために犠牲覚悟で行動している。

欧米は戦後秩序は変わらないことありきで、ロシアを国際法違反だ、犯罪者だ、大きな代償を払わせると非難して制裁をしているが、そもそも目線が違う。

 

ロシアによる民族主義の企てが成功するのか欧米の反発の前に頓挫するのか、互いに引けずに、明確な決着がつかないまま泥沼化してしまうのか。

 

ここ数日は欧米がウクライナに武器を供与したりお金を支援したり、ロシアに経済制裁するニュースがバンバン報じられ、国際社会が連帯してロシアをやっつけろ!西側の国際協調の動きに乗り遅れるな!的なうわついた空気を感じる。

 

武器を供与している国々はウクライナへの共感だけでなく、ヨーロッパ全域に戦闘が及ぶ前になんとかウクライナ国内で押しとどめないという本音もあるのかもしれない。

 

しかし、欧米の支援する武器で死ぬのは理由もわからず命令に従っている若いロシア兵だし、経済制裁で苦しむのはロシアの一般国民であろう。

 

もっと効果的なやり方はないのだろうか。ウクライナ人には死んで欲しくないのは当然だが、ロシア兵にも死んでほしくないし、ロシア国民も困窮して欲しくない。

そして、プーチン政権は倒れて欲しい。

 

2022年の3月、ぼくたちは歴史的な大きな分かれ道にいる可能性が高い。後から振り返ることもあるかと思い、メモしておいた。