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レバナスブームとその崩壊、今後について 

ここ数年の相場

 

2022年に入ってから、2021年に絶好調だった米国株が大崩れしており、特にナスダックの崩れ方が激しい。

 

年初来騰落率

・ダウ:▲10.07%

・SP500:▲14.04%

・ナス:▲23.29%

日経平均:▲7.84%

 

なんと、我らがニッケイヘイキンズが米国株のリターンを上まっている。米国はコロナからいち早く正常化しており、日本ではマンボーだ岸田ショックと続いていたのに。

さらに、円安の急激な進行が特徴的であり、ここ数年の動きは以下のようになっている。

 

2019年:年初108円→年末108円(緩やかな円高になったが終わってみたらいってこい相場)

2020年:年初108円→年末103円(緩やかな円高傾向)

2021年:年初103円→年末115円(円安傾向)

2022年:年初113円→直近131円(急激な円安傾向)

 

為替はさまざまな要因で動くなのでこれだけではなんとも言いづらいが、コロナ前の2019年は安定した相場。コロナが発生した2020年は有事の円買い。

その後は円安傾向が続いており、特にウクライナ侵攻が発生した2022年2月以降は有事の円買いが機能しない急激な円安傾向となっている。

アメリカは量的緩和ゼロ金利政策の縮小を2021年に進めており、2022年からは利上げフェーズに入っている。

 

2021年にある程度の金利上昇は織り込み済みかと思いきや、2021年の株価はUSA!USA!しており、全然織り込まれている感じではなかった。

コロナバブルでGAFA業績がえげつないことになっていたので、「インフレ利上げなんぼのもんじゃい!米国株は永遠に上がり続ける!USA!USA!」という感じであった。

ぼくもテキトーに米株を買っていたが、何日か下げても1ヶ月以内には切り返して利益が出ていくような相場であって、テキトーに買いさえすれば誰でも儲かる異常な相場だった。

ビットコインも2021年11月に777万円と最高値をつけており、金余りや個人による投機的な買い、相場の先高感、多幸感、強欲がMAXだったといえる。

 

ところが、2022年に入り利上げが決定されていき、ウクライナ侵攻が始まり、とんでもないインフレがアメリカを襲い始めると、さらに利上げ観測が強まり株価がどんどん崩れ出した。

2021年は買いやすいものを買えば誰でも儲かる楽勝相場だったのが、2022年は買えばほとんどの人は損する相場になっている。

強いて言えば、ドルを買って何もしないでいれば20%くらい儲かっているのだが。(というか円資産の価値が20%弱落ちたんだよ、どうなってんの)

 

振り返って見えれば、2021年はバブルの全盛期であったと思われる。この相場は体験しないとわからないが、とにかくリスクを取れば取るほどリターンが高くなっていく相場だった。

バランスファンドから株式インデックスファンドへ、株式インデックスファンドから個別株へ、個別株の中でも大型ではなくグロースへ・・・

この流れの中で一気にブーム化したのが「レバナス」である。

 

レバナスの成功と失敗、いつかきた道

 

iFreeレバレッジ NASDAQ100は2018年10月に設定され、2019年頃からイノベーターが、2020年頃からアーリーアダプターが、2021年頃からアーリーマジョリティが買い出した。

リターンが面白いように上がり、コロナ危機の中でも上がり続けたので、投資家はどんどん強気になっていき、最初はポートフォリオの一部のスパイスだったのが、主力に据えるようになり、2021年の最後の方になると一括で全力買いする人も出始めた。

 

ぼくはこの現象は高配当株のブームの時と同じものを感じていた。高配当株もレバナスも一見それっぽいバックテストの結果やストーリーがある。

 

レバナスの場合、長期的には米国のテックは上がり続け、過去のテストでは2倍のレバレッジをかけるのが最もリスクリターンの効率がよくなるため良いというもの。

過去のナスダックのリターンが今後も続くのかはわからないが、パソコンやインターネットの次の破壊的なテクノロジーの商売機会も米国が独占し、GAFAのようなえげつない企業が誕生する可能性は高い。

 

ナスダックは短期的には下がるかもしれないが、ガチホすれば永遠に上がり続けるから、今が1番安いので一括買いしようというものだった。

 

ぼくはレバナスの積立てはともかく、一括買いはやばいんじゃないの?(タイミングリスクが大きすぎるが、下落に耐えられるの?)と感じていたが、レバナス全力で買いました系のアカウントの人はナスが上がるたびに口座のスクショをTwitterに貼り付けてオラついていた。「レバナスは貯金!」「寝てるだけでお金が増える!」「1億円レバナス買いました!実況中継します!」と。

 

この現象、高配当株投資家が「配当と優待で生活費を賄ってる」「配当額を実況中継」「まずは通信費、次は水道光熱費、次は食費が目標!」「配当が出てさらに株価も上昇してる!」とオラついていたのと被るなと感じた。

 

つまり、一種のモメンタムであり、一定期間は有効なのだが、どこかでクラッシュして通用しなくなる投資法なのではないかと思う。高配当株というのは実は景気敏感株投資と似たリターンになり、景気が良い時にはどんどん儲かり、悪くなるとインデックスより大きく下がることが前回のブームの時の研究で認識された。つまり、バブルに順張りして勢いをつけていただけである。

 

レバナスについても同様で、株価右肩上がりの局面でそこにレバレッジをかければリターンが高くなるが、株価が下がり始めるとインデックスに負け始めるということである。

 

リーマンショック老人会の人たちは覚えているかもしれないが、リーマン前は解散価値に着目したバリュー株投資が流行していた。過小評価されている地味銘柄に投資して本来の評価になった際にリターンを得るというものだ。こういう、一見それっぽいストーリーや理論、バックテストを持って正当化されるが、実態としては景気敏感株投資でしかないもの、テーマ株投資であるものが定期的に人気化する。それが株式市場なのだろう。

 

こうしたモメンタム投資はモメンタムが継続する限りはインデックスを上回るリターンで勝ち続け、投資家は有頂天になるのだが、モメンタムクラッシュ後は全く通用しない投資手法になってしまう。そして、モメンタムクラッシュがいつ発生するのかは誰にもわからないということと、クラッシュするタイミングを的中させなければ損失を被るし、タイミングを外せば儲かる機会を失う。非常に難しいものである。今回もモメンタムの発生→モメンタム投資が人気化→モメンタムクラッシュ、これが繰り返されたなという感じである。

 

レバナスは今後どうなるのか?

 

さて、モメンタムクラッシュが発生した投資法を継続すると、その後はどうなっていくのか。まず、数年だか10年だかは知らないが、インデックスのリターンに負ける成績になる。モメンタムの発生時に生じた超過リターンの大半またはそれ以上を吐き出すことになる。

 

それでも辛抱強く同じ手法を継続したらどうなるか?それはわからないが、理論的に正しいものであれば、長期的にインデックスのリターン程度にはなるかもしない。また、高配当株投資やレバナス投資は株価上昇局面に賭ける取引手法であるため、米経済が金利上昇による経済の減速を乗り越え、株価の調整を終えて、(バブルを処理して焼け野原になった後)、投資家が全ての自信を喪失した後、また力強く上昇していく局面が訪れればインデックス以上にリターンを稼ぐ可能性がある。

 

バックテストでも、米株は株価低迷期より株価上昇期が長かったり、常に最高値を更新したりする特性があるので、今回も運よくそのアノマリーが有効になると信じられれば、モメンタムクラッシュ後のリターンの悪化に耐え切れば、インデックスに勝てるかもしれない。

 

結局バリューでもグロースでも高配当でもレバナスでもなんでも、長期的に右肩上がりの相場であればいつかは救われるわけで、理論とかではなく精神論、根性論、グリップ力の問題になってくる。

 

モメンタムクラッシュした手法を継続するということは、下落している株を買うようなもので、いわば逆張りである。逆張りは相場が反転するまでの間、どんどん損失が膨らんでいき不快な思いをするため、耐え切れずに途中で損切りする人が多いが、10年耐え抜けば爆益することもある。個別株では上場廃止とかあるが、インデックスはないわけだから。

 

さて、握力は何から生まれるかというと、信仰心と精神の安定であると思う。信仰心は自分の投資手法をどれだけ信じ切れるのかという話であり、精神の安定はそれを支えるためにどのようにノーストレスの状態を維持するかということである。

 

脳死投資であるインデックス投資はこの信仰心と精神の安定に大きな効力を発揮すると感じる。まず、金融資本主義が拡大する以上、世界はどんどん便利に豊かになっていき、世界の時価総額は永遠に拡大していき、インデックス買っとけば勝てる。一時的に下落しても、安く買えるだけでラッキーとなる。また、精神の安定という点でも、いつ、いくら買ったのか不明確になるのでハラハラしたりイライラしない。インデックス投資はつまらないのだが、つまらないから継続できるのだろう。

 

今回の相場下落でインデックス積み立てやめましたとかいうネタなのかガチなのかわからないツイートを見たが、信仰心が足りないか、精神の安定が足りない。恐らく、リスク許容度以上に株を買ってしまい、精神の安定を損なってしまったのだと思われる。個人投資家のリスク許容度は本人が考えるよりもずっと小さい。実際にはやばくないのにやばいと感じてしまう。貴重な勉強代だと思えばいいのではないだろうか。投資リターン以上に、精神の安定というのは大事である。

 

また、精神の安定を維持する上で重要なのが、「イキらない」「オラつかない」ということであると思う。モメンタム投資で勝って、口座残高をツイートしてる人の気持ちはわかる。

 

いくらバブルにのってるだけと言っても、実際にリスクをとって勝ってるわけだから、万能感があり最高に気持ちがいいと思う。

ただ、これは諸刃の剣であり、負けた時に自責、惨めさが倍増する。

ツイートをやめても、惨めさは消えない。他人が儲かってるツイートなんて見たら最悪。見なくていいのに口座残高をチェックしてストレスを溜め込んで精神の安定を損なう。

 

インデックス投資家は勝っても「高値掴みで嫌だなぁ」負けても「安く買えるぜラッキー」と思えるのだが、こうした心構えでいる必要がある。

勝ったときにオラついたら、負けた時に自分を責めてしまう。

 

勝った時にオラつかず、負けた時にも落ち込まず、むしろ損失をネタにして楽しむくらいで、精神の安定を維持し、投資法を維持すれば、相場循環でいずれは浮かぶはずだ。

 

ぼくは評価益が出てもツイートせず、評価損が出た時だけツイートするようにしている。こうすると、儲かると嬉しいし、儲からなくても嬉しい(嬉しくはないが楽しい)ということになる。

 

レバナス民でも、「HAHAHA、見ろよ1ヶ月で4000万円損失出てるぜ!」「楽天からまたメール来たぜ!」「評価損実況中継しますw」とか言ってる強者は、精神の安定を得ながら投資手法を継続して、結局は成功するとぼくは思っている。モメンタムクラッシュした投資手法を継続することを馬鹿にする人がいたらブロックすればいいだけ。これも精神の安定を得るために必要。

 

そもそも、株式投資については儲かった話は面白くなくて、損した話が面白いんだから、オラつきツイートなんてしてもしゃーない。相場循環で、投資手法が通用しなくなることは必ず発生するのだから、同じ手法を継続するならもっと楽しんでネタにしていこう。

 

こういうのに耐えられないなら、さっさと損切りしてインデックス投資に切り替えたが方がいい。