ブレードバッテリーで有名なBYDが日本市場に参入すると発表した。
ドルフィン(コンパクト)、アット3(ミッドサイズSUV)、シール(セダン)の3車種を投入する。
2025年までに販売拠点兼充電場所を100ヶ所整備するとぶち上げている。
価格は未発表だが、高額にはならないので期待して待てとのこと。
BYDは日本では電気で動くバスを売っていたが、個人向けには参入しないものだと思っていたので衝撃だった。
(1)EVの民主化への期待
ウクライナ問題やコロナの影響で価格高騰しており、日本ではSUVのEVは600万円台が多く、激安の素うどんアリアでさえ539万円から。
補助金を考慮してもガソリン車より100−200万円程度高く、一般層への普及は遠ざかってしまっている。
一方、中国では200−400万円の価格帯でバチバチの競争が起こっており、価格の低下、品質の向上とともにEVの民主化が進展している。
BYDが日本に参入することで、日本でもガソリン車よりも安価なEVが買えるようになることが期待される。
EVの民主化のためにはガソリン車よりもEVが安価にならなければならないが、伝統的な自動車メーカーはEVの価格を下げることには失敗。
テスラでさえも失敗している。成功したのは中国メーカーだけ。
(2)欧州の陰謀ガーとか言ってる場合か?
日本の一部評論家などが欧州ガー、欧州ガーと言っていたら、中国から日本市場へ参入してきたのは象徴的な出来事である。
中国市場は世界最大のEV市場である。欧州はほとんど関係なく、中国国内メーカー同士でバッチバチの競争が繰り広げられている。
スマホと同じで、中国国内では数百のメーカーが生まれて、競争している中で5強くらいに絞り込まれていく。
欧州の伝統的自動車メーカー、VWやメルセデスなどは規制対応のためEVに熱心なポーズをとっているが、
既存資産を流用しようとするため、既存の車のデザインと似たものになり、既存の顧客層を意識しすぎてて、
違和感なく乗り換えられるよう、機能が大人しい車ばかりで面白い車種がない。
そんな中、中国メーカーはデザインも機能も尖っていて独特な魅力に溢れている。
EVにおいては伝統的な自動車メーカーよりも中国メーカーが脅威になってくる。
欧州の陰謀ガーとか言ってる場合か?
(3)ガジェット色が強いEV
今の若者は車には興味が薄いが、ガジェットには興味がある人が多い。(というか、若者でなくてもそうだが)
優れた性能の車が出るぞ!と言っても車が好きな人以外はスルーだが、ぶっ飛んだガジェットが出るぞ!と言ったら関心を持つ。
中華EVを見ると、でかいモニター、近未来的デザイン、自動運転、AI、優れたスマホ連携などはあって当たり前になっており、標準レベルがどんどん引き上がっている。
中華EVは伝統的な車はいらないが、面白いガジェットは欲しいよという層には刺さるだろう。
(4)日本で売れるか
日本ではそもそも外車のシェアが1割しかないし、中韓に対して良いイメージを持っていない人が多いので、
普通に考えたら売れないだろと思うが、日本メーカーがイマイチなEVを出し続ける限り、スペック対比で激安になるため、
華為が受けいれられたようにゆっくりとは浸透してくのではないか。
Atto3はモデルY、アリア、IONI Q5より安価になるだろうし、Sealはモデル3より安価になるだろう。いくらになるのか楽しみだ。
最初はバーゲンプライスで出してくるだろうし、中韓に偏見がない人にとっては、優れたスペックのものが激安で買えるチャンスである。