停電の危機が発生するたびに、電気自動車って停電したらどうすんの?という話が出てくるが、実態はこんな感じで、実は電気自動車は停電に強い。
考えてみれば大きなバッテリーを積んでいるので当たり前なのだが。
(電気自動車は停電に強い)
・電気自動車は家庭で使う数日から1週間分の電気をバッテリーに溜めている。
・車から家に電力を戻す機能がついた車であれば、停電しても車のバッテリーを使って電力復旧できる。
→電気自動車オーナーは停電しても車のバッテリーを保険にできるという安心感がある。
→さらに、電気自動車ユーザーは太陽光発電や家庭用蓄電池を設置する人が多く、より安心感が増す。
(電気自動車は停電しても困らない)
・電気自動車の充電頻度は週に1回程度であり、ガソリン車のように空っぽにしてから満タンにすることはなく、ちょくちょく継ぎ足して8割充電を維持する。
・1日2日停電しても問題がないし、一週間停電する(ことはほとんどないが)場合、通電している場所まで走行して充電して帰って来れば良い。
(ガソリンスタンドは停電するとガソリンが供給できなくなるが、停電していない場所まで走っていって補給できるのと同じである。)
→このため、自宅が停電しても、電気自動車が充電できなくて困るということはほとんどない。
→ガソリン車的な感覚では空っぽになった時に停電したらどーすんの?となるが、電気自動車が空っぽになることは普通はない。余裕を持って運用する人がほとんど。
(電力需要の平準化に寄与)
・電気自動車は8割が自宅充電で運用されている。これがガソリン車の感覚からすると理解しづらいが、運用が全く異なるのである。
・ガソリンスタンドのような外部施設、テスラスーパーチャージャーなどで充電するのは長距離移動時や自宅充電がない人の用途で例外である。
・自宅充電では充電時間をコントロールできるので、電力需要がピーク化する前に充電完了しておくなどができる。
→ピーク時間帯の電気料金を高く、余力ある時間帯の料金を安くすることで、充電需要をコントロールできるので、電気自動車はピークシフトに寄与する。
→電気自動車が増えると電力不足ガーという話があるが、そんなに単純な話ではない。電気自動車が増えたら電力需要は増えるがピーク時の需要が増えるわけでもない。
(現状、捨てている再エネを蓄電池と電気自動車にためて使う、という方向で需要を誘導していけば良いのではないかと思う。)
(マンションは停電に弱い)
・EVのオーナーの8割は戸建居住者とのことだが、2割程度はマンション居住である。
・マンションはビークルトゥホームも使えないし、自宅充電もできないことが多い。
・また、そもそも、機械式駐車場が多く、停電したら車が出せない。エレベータも止まるし水も止まる。こうなると電気自動車とかガソリン車とか関係ない。