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トヨタのEVに期待しよう

激アツの発表

トヨタがEVへの取り組みについて発表した。

 

・2030年までに世界で新型EVを30車種発売する。

・2030年にはEV販売台数350万台/年を目指す。(従前は200万台/年)

・2030年までに製造に必要な資源はトヨタ通商を通じて確保済み。

2035年にはレクサスは新車販売の100%をEVにする。

・2030年までに電動化に8兆円、うち4兆円をEVへ(うち2兆円を電池へ)投資する。

 

EVに消極的と見られていたトヨタのイメージを払拭するのに十分なものだったと個人的には思う。

一方で、全方位戦略は捨てずハイブリッドやFCVの開発も続けるという姿勢も明確にした。

 

これに対して、EV100%にしろやというのは無理がある。

トヨタの車は電気が通ってないような地域でさえ使われているので、EVだけでは需要を満たせないのは明らかである。

 

さて、メーカー目線はの話はぶっちゃけどうでもいいのだが消費者目線で見ると気になる発表は、

・今日発表した17車種は数年以内に市場投入(特に、bzシリーズ5車種は2023年までに投入!)

・bzブランドでは安いEVをフルラインナップで提供(安い!)

・レクサスブランドはグローバルでEV100%のブランドになる(これが1番驚いた)

トヨタブランドでもEVを投入

・2025年までにトヨタの販売店に急速充電器を設置し、他社にも開放(2025年は遅いけどしゃーない。150kWだといいな)

 

bzブランドの5車種を2023年までに投入するだけでもすごいのに、まさかの17車種が発表され、「うぉぉぉぉぉ!!!」となる内容。

凄すぎて自動車系メディアも混乱している模様。

 

今回の発表はEVに消極的という見方を覆さないと欧米中で叩かれまくって売れなくなるだろうという危機感からなのだろう。

 

17車種の中身を見ると、bzブランド5車種、レクラスブランド4車種、トヨタブランド8車種のようだ。

EVの車種が多いことがすごい。戦略は違うとはいえ、テスラはモデルS、Xの新規受注を止めてしまったので、販売がモデル3とYだけに絞り込んでいる中で、

選択肢がないなぁと感じていたところに、ほーん、うちはEVだけで17車種(30車種)出すけど?ということである。

 

bzシリーズに期待

さて、レクサスのEVは見た目はかっこいいが、とんでもない価格になるであろうことが予想され、また、そうあって欲しいとも思う。

テスラモデルSPlaidやポルシェタイカンと競り合うLFAみたいなやつは、2000万円くらいだろうか。それくらいでいいので性能を追求してほしい。

RXっぽいやつは1000万円くらいかな。まずは価格よりスペックを追求したらいいと思う。

 

個人的には安いbzシリーズが気になる。個人的に特に気になるのはコンパクトクロスオーバーとラージSUVである。

コンパクトなEVは作るのが難しい。電池の積載量が小さくなり航続距離が短くなってしまうし、航続距離を稼ごうとすると非力になるからである。

テスラもコンパクトな車を出す出す言っているがまだ出せていないし、VWは出してるが航続距離が短い上に価格が高くてバランスが悪い。

この難しい領域でどのように安くて必要十分なものを出すのかが気になる。

 

また、ラージSUVは単純に欲しい。3列シートも導入すると言っておりデカいことがわかる。

デカい車は通常、燃費が悪いのだが、EVにすることで維持費を下げられるし、デカいと電池をたくさんつめるので航続距離でも有利である。

モデルXもデカいけど、1000万円以上だし、お金があったとしても納車数年待ちで新車は買えない。

 

レクサスブランドでもEVを出す以上、レクサスはハイパフォーマンスで雲上価格、bzはそこそこ性能で安いという路線になると思われる。

bz4Xもスペックはそこそこである。価格と性能のバランスをどの程度取ってくるのか気になる。

 

デザインで見るとテスラやレクサスに比べてbzシリーズは垢抜けない感じだが、トヨタらしいとも言える。

デザインよりも価格と性能のバランスを追求。キレッキレのデザインはレクサスでやればいい。

また、セクシーな車が欲しければテスラがあるわけで、トヨタはもっと違う路線を攻めて欲しい。

 

社長が「bzシリーズでは安いEVをフルラインナップで提供」と言っていたので、期待が高まる。

個人的に、イノベーションは安くないと意味がないと思う。高いと一部の金持ちとオタクしか使わず存在しないのと同じ。

量産化、大衆化、民主化、社会実装にこそ価値がある。

 

トヨタの全方位戦略で「あらゆる市場や客の状況に合うように選択肢を増やしたい」という点について、

ぼくは「パワートレーンの選択肢は要らんから、EVの中で選択肢を増やして欲しい」と思ってきた。

まさに、EVというジャンルの中に選択肢を作ってくれたことが今回の発表で1番興奮する点である。

 

日本社会を動かすトヨタパワー

多くの人が指摘しているが、トヨタが本気でEVに取り組むとぶち上げたことで、政府にプレッシャーがかかったのが素晴らしい。

自動車がEVになっても発電が火力なら大してCO2の削減にはならない。で、自動車メーカーはやることやったけど、政府はどうすんの?と。

また、充電ステーションの整備やら再エネ関係の投資や規制緩和にもプレッシャーがかかる。

 

今のところトヨタはエネルギー政策には積極的には介入していないように見えるが、日本にものづくりを残したかったら、

電源の脱炭素化を進めなければならないことは見えてるので、いっそのことトヨタなり豊田通商が電力業界に参入してくれないかなぁと思う。

東電は原発事故を起こした手前、原発再稼働はさせづらいし、保守的で国内しか見てないから安定供給しか考えず、グローバルな電動化の波に乗り遅れるだろう。

また、乗り遅れたとて東電は困らない(むしろ需要が減って嬉しい)ため、自分の都合しか考えないで、できない理由ばっかり言っている。

 

自動車メーカーから見たら、電源の脱炭素化はメーカーの競争力に直結する話になってきているため、動かない政府と保守的な電力会社に対するイライラが溜まっているはず。

 

消費者目線で話をして欲しい

さて、アンチEV論者もメーカーも政府も、政府目線やメーカー目線で話をしすぎるのが気になっている。

ぼくはEVに乗っているが、消費者目線でEVが素晴らしいのはCO 2を出さないことではなく、加速が静かで速く、排気ガスを出さず、停車中に振動せず、維持費が安いことである。

 

だから「CO2を出しませんよ!」とか「カーボンニュートラルに貢献します!」とか言われても「知らんがな」ということになる。

もちろん、どちらかといえばCO2は出さないほうがいいし、カーボンニュートラルに貢献するほうが良いだろうが、枝葉末節、おまけの話である。

何度も書いているが本当にCO 2を出さない方がいいならカーシェアを利用したほうがいい。製造時にたくさんCO 2を出すんだから。

 

アンチEVおじさん(今回のトヨタに対しては批判しない不思議なおじさん)は、EVはCO2の削減にならないと言うのだが、知らんがなと言う話である。

これからエネルギー分野でどんどんイノベーション起こしていこうぜ、電源構成を変えていこうぜ、再エネ入れようぜ、蓄電池設置しまくろうぜという話なのに、今の状況で思考停止してできない理由ばかりを並べている。

 

EVシフトで日本の雇用が失われるぞという話も業界外から見たら、知らんがなという話である。

そりゃ一般論としては失われないほうがいいが、だから優れた商品を我慢して使わないのか?という話である。

日本の雇用が失われるからアイフヨーンを使わないでバルミューダフォンを使うのか?

 

EVシフトで仕事が減るならよりグローバルに仕事をとってくるとか、膨大な需要がある再エネ関係に進出するとか、打開策をメーカーが考えるべきであって、

消費者に対して訴える話じゃない。

 

なぜか自動車の話になると、消費者置き去りでCO2ガーとか雇用ガーとか内燃機関ガーとか、電池が中国メーカーに取られてるとか、メーカー目線の話ばかりになるのだが、ぶっちゃけどうだっていいので、まずは消費者目線で話をして欲しい。

 

消費者目線で大事なのは価格、デザイン、サイズ、加速力や航続距離などのスペック、充電インフラ(日常的な運用の容易さ)、自動運転機能、維持費などだよ。

 

ぼくたちが聞きたいのはこういう話よ。