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マンション、投資ネタブログ

管理費高騰とマンションの共用施設

新築マンションの管理費高騰

 

最近の新築マンションは管理費が高くて驚かされれる。

 

主な要因として、人手不足による採用コストの高騰、駐車場設置率低下による収入減少の補填、サービスに対して過小だった管理費の適正化などが言われている。

一方で、マンションファンの皆さんがよくご存知のように修繕積立金は相変わらず売りやすさを重視して過小に設定されている。

 

管理費は管理組合の収入ではあるものの管理会社の収入にも関係するので、ケチった設定をすると(自社系の)管理会社にとってもマイナスになる。

したがって、新築マンションの管理費等は、管理費が高め、修繕積立金が低めに設定されがちである。

 

ただし、新築マンションの管理費はボッたくられているわけではなく、このくらいかかるよということだろう。

管理費に余裕がないと現状を維持していくだけでカツカツとなり、機能やサービスを改善したりする余裕はなくなるので安いほど良いというものでもない。

 

某タワーのように複合用途で、本来複合部分のオーナーが負担すべき維持費を分譲部分に負担させるスキームによって高騰している場合もあるので、なぜこの価格になっているのかはよく確認した方がいいとは思う。少なくとも購入後に改善の余地があるのか、改善の余地はない上にこれからも上昇していくのかなどは買う前に把握しておくべき。

 

さて、人手不足、駐車場減少、適正化などは今後も状況として変わらないので、管理費の高騰は定着していくものと思われる。

中古マンションについても安い管理費が維持できず値上げとなることは考えられる。

 

共用施設・サービスの見直し

 

管理費が上がることは仕方ないが、かといってあまりに重たすぎると売却時に敬遠されがちである。(もちろん、住民も困るが)

 

中古ウォッチしている限り、管理費等が月に5、6万円以上となってくると敬遠されがちで、月10万円弱にもなるとかなり都心の物件でなければ売却時に苦労するようだ。

 

つまり、管理費を一定の水準以下に抑えるように、共用施設やサービスを見直すことも必要なのではないかと思う。

修繕積立金も均等化などの適正化が必要という話の次に、そもそも、低コストで修繕できるハードにすることも必要だろう。)

 

マンションのメリットはスケールメリットであり、各種共用施設に魅力を感じる人もいるのだが程度の問題がある。

 

また、そもそもマンション共用施設は立地が不便でそのままでは売れないから、売るための材料として仕方なく入れるという側面もある。

スーパーが近くにないマンションがミニショップを入れがちなように。そしてそれらは赤字で組合が補填するので、結局ありがたいようで割高である。

 

必要・不要な共用施設のアイデア

 

管理費を一定の範囲に抑えたい一方で、マンションのスケールメリットは享受したいという考え方で、個人的に共用施設の要否は以下のように考えている。

 

・水モノ系施設(プール、スパ、噴水、川、池等)

ほとんどの場合、不要。管理費にも修繕積立金にも負担になり、使わない人からすれば不公平感もあり、水を止めて管理をケチるとあっという間にみすぼらしくなる罠あり。

これがある場合、住民全体が強い意志を持って維持して使わないと負債になりトラブルの元になる。

 

・パーティルームやオーナー宿泊施設

基本的に不要。特に湾岸マンションのように徒歩圏にホテルがあるような場合、そちらの方がいい。

パーティルームや宿泊施設はドヤって写真をアップする下品なオッサンと、マルチ系のイベントやりたい人、Air BnBで収益化したい人にしか需要がない。

近くのホテルで借りればよい。管理組合はプロじゃないので新築時はともかく、経年に伴い設備をかっこよく維持していくことは難しい。プロに任せた方がいい。

子供がいると他の家庭と一緒に使うこともあるっちゃあるが、子供が使うと痛みも早いので、外で借りる方がいい。

 

・敷地内コンビニ、カフェ

基本的に不要。赤字になり補填が必要になってくるので割高である。下駄ばきに入っていれば素晴らしいが物件内に置くのはNG。

というか、こういうのがある物件は付近にコンビニやカフェがないダメ立地であることが多い。採算とれず赤字でいずれ廃止される運命。

 

スタディルーム、ラウンジ、ライブラリー等のフリースペース

必要。マンションは戸建てよりも狭いし、最近はさらに狭いので、こういった誰でも予約せずに使える作業スペース、居場所があることが満足感に直結する。

維持にお金がかかりすぎないシンプルなスペースが良い。ラウンジは過剰なサービスをせず、ベンディングマシーンと椅子と机くらいで十分。

 

・キッズルーム

微妙。あったらあったでありがたいが、子供が小さい数年しか使わず、使う期間は限定的。

広くなければ使い勝手がいまいちだが、広くとるとほとんどの人が使わない面積が広くなり、悩ましいところ。

まぁほとんどの人は使わないが子供にフレンドリーだということであってもいいのかなと感じる。ただ、痛みは早い。

個人的に、小学生くらいの子供に居場所のないマンションが多く、時間帯によって年齢を分けて使えたらいいのかもしれない。

 

・集会場

必要。管理組合の会合をする際に利用するので必要。それ以外にも色々なシーンで役に立つ。家具をどかしてヨガ教室とかできるのもヨシ。

 

・植栽

まぁ必要。スケールメリットが感じられる。ただし、やりすぎると高管理費として跳ね返ってくるので程度の問題がある。管理をケチるとみすぼらしくなるし、植栽を全く置かないとそれはそれで寂しくなるので、企画の腕が問われる。基本的には、やりすぎずほどほどが良い。

 

・豪華なエントランス

必要。毎日通る場所であり、スケールメリットが最も感じられる。最もお金をかけるべきところだが、かっこよく、維持管理は簡単なものを作れるのかが腕の見せ所。

 

・共用部のトイレ

必要。タワマンは自分の部屋に戻るまでに時間がかかるので、1Fとかにトイレがあると非常に助かる。特に子供トイレ、オムツ交換ができたり、授乳スペースがあればなお素晴らしい。

また、マンションはトイレが1つしかないことが多いので、4人居住では日常的にトイレが不足している。清潔なトイレが複数あることは非常に価値がある。

 

・駐車場

必要。特に最近は在宅勤務と共に数が足りなくなりがち。ただ、駐車場を多く作ると物件価格が上がるので増やせないということだと思われる。

実際、湾岸タワマンの駐車場設置率はどんどん低くなり、30%程度になってきてしまっている。

理想は維持コストの安い平置きや自走式だが、まぁ無理なのでタワーパーキングや機械式駐車場になる。となると、多ければ多いほど良いということもない。

維持費を賄える利用料でかせるなら多い方がいいんじゃない?という程度。来客用駐車場は付近にコインパーキングがあれば不要。なければ必要。

 

管理費高騰時代のマンション

マンションの共用施設は流行があり、リーマンショック前の好景気ではイケイケドンドンでド派手は共用施設を山盛りにしたタワマンが多かった。(パークシティ豊洲、ブリリアマーレ有明、ザトウキョウタワーズ、ワールドシティタワーズなどなど)

 

その後、リーマンショックや東日本震災、ド不景気となり、こうした重荷になる施設はよくないという振り戻しになった。

その後、アベノミクスバブルでまた派手派手化の流れができ、ドゥトゥール、晴海三兄弟、晴海フラッグ、パークタワー勝ちどき等では水モノ施設も復活している。

 

足元ではコロナもあり共用部に在宅勤務スペースを確保することが流行しているが、ワクチン接種で在宅勤務が減少すればまた流行も変わっていくかもしれない。

 

そして、管理費等の高騰が昨今のテーマになってきているので、これを受けて共用施設の見直し、適正化、維持費がかかりすぎる共用施設の削減が行われるのではないかと思っている。

というか、こうしたコストコトロールが行われないと、管理費がドンドン膨れ上がり、修繕積立金の段階値上げとあいまって管理費等の5、6万円ラインを突き破っていくことになる。

となると、ババ抜きのような状態になりマンションの持続可能性が損なわれてしまう。デベが「売った後の事は知らん!」住民が「どうせ短期転売するから知らん!」ということだと、危険だと感じる。