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タワマンはコスパが高いよ論

最近の価格高騰でタワマンは高級なもの、趣味性が高いもの、特別なものであるかのような勘違いをしている人もいるのだが、ぼくはタワマンはコスパが高く実用的なものであると考えている。というか、コスパを追求して行ったらタワマンになったという方が正しいだろう。

 

1、デベにとってコスパが高い

都市部での土地活用として、タワマンを建てるのが最も儲かるから日本に限らず世界中で都市部にタワマンばかりが建つ。デベロッパは慈善事業ではないので、常に最も儲かる土地活用を考える。最も儲かるのがホテルならホテルばかり建ち、低層マンションが儲かるなら低層マンションばかり建つのである。タワマンは土地を仕入れてから販売終了するまで数年かかる、下手すれば10年くらいかかるが、それでもデベロッパにとって最もコスパが高いのである。

 

2、自治体にとってコスパが高い

自治体はインフラを維持する責任があるが、タワマンは数百世帯のインフラの接続口が一つに集約されているため維持保守がしやすい。これが田舎のように戸建てが広域に分散していたらインフラの維持コストが余計にかかる。また、タワマンは通勤利便を重視する共働き世代が住むことが多いので、それなりに良い納税者を集めることができる。良い納税者を他の地域からガッツリ奪ってこられてインフラの維持費用も安い。これを田舎の自治体のように1軒ずつ都市部からの移住を誘致していたら、膨大な金と手間がかかってしまう。自治体にとって最もコスパ高いのがタワマンである。

 

3、維持費の観点からコスパが高い

7000万円のタマワンと数十戸の小規模マンを比較すると、ほとんど維持費は変わらないか、小規模マンの方が高い。これはスケールメリットがないためである。同じ維持費(家賃でもいい)を払うのであれば豪華なエントランスやサービスが付いているタワマンはコスパが高い。ただし、この維持費のうち、修繕積立金は売りやすさを重視して新築では過小に設定されているため、本来の維持費はそれなりに高い。修繕積立金をケチると将来、より大きな修繕費用がかかってきたり、資産価値や住み心地の低下を招く。ただし、それらを考慮しても個別にサービスを買っていくよりはスケールメリットコスパが高い。

 

4、トータルコストの観点からコスパが高い

タワマンは小規模マンションや狭小戸建てに比べると購入時のコストは高いが、売却時に価格を維持向上しやすいため、売却前提でのトータルコストは安い。さらに適正価格で売りやすい。規格化されていて売買しやすいということがある。個別性の高い戸建ての場合、尖った趣味が反映されていたりして、場所が適していても買いづらい。規格化されていて退屈だが尖っていないことに価値がある。趣味性を求めるならタワマンは適さない。注文住宅なりにすれば良い。売りづらいかもしれないが、QOLを追求するんだからそれはそれで妥当。

 

5、転売の観点からコスパが高い

自分が居住しない前提でも比較的安価で、賃料が取れて、価格が上昇することがあるタワマンはコスパが高い。さらに周辺で再開発が行われることも多いので、何年か賃貸に出して売れば利益が得られるため、タワマンのモデルルームには転売屋が集ってくる。彼らは自分が住まないので投資効率(コスパ)しか見てない。ラッキーな物件では数年で数千万円得られる、失敗しても大暴落はないので損失は限定的な投資である。

 

以上のように、タワマンは色々とコスパが高い。もちろん、超都心部コスパを無視した趣味性の高いタワマンもあるがほとんど例外であり、プールなどの一見趣味のような豪華な施設は買わせるために趣味ではなく合理的に考えられた施設(誰かにとってのコスパを上げるための施設)である。

 

都市部における土地活用や住居のコスパを極限まで追求して行ったらタワマンになる。これは効率的な車を追求していったら200万円で5人乗りのハイブリッドカーになったのと同じである。

 

プリウスの後発でインサイトが5人乗りになった際、ホンダの開発担当者は「多くの方の利用実態を調査しながら、ニーズを満たす、最大公約数を追求したら、たまたまプリウスと同じ安価な5人乗りのハイブリッドカーになりました」と言っていた。尖った車、クーペや3列シートは刺さる人には刺さるが多くの人には刺さらない。世帯人数や走行距離、走行目的(趣味か実用化)から最大公約数をとると同じような結論になるということだ。

 

タワマンは多くの人のニーズを満たす、凡個性で退屈だがコスパが高いものである。趣味性が高いものが欲しければ自分で土地を買って注文住宅を建てればいい。価格は上がってコスパが悪くなったが、トータルコストではまだまだ優位性はあるので、コスパと実用性を重視する人で大規模な住宅が嫌いではない人はタワマンを買うと良いと思う。より尖った趣味を実現したくなっても、売って出ていくことも容易である。

 

そもそも、コスパとはなんぞや?という話について何度も書いてきているが、住めれば良いから一円でもケチろうということではなく、一定のコストがかかるなら、より良い効用を得ようということだ。旅行でホテルに泊まる時に、一円でも安いホテルにするのではなく、ある程度払う中ではどれが一番良いかな?と考えるのと同じ。通勤利便の良い場所に住むなら住宅費がかかるのはしかたない。その中で最もコスパが高いのはタワマンであることが多いのだ。

 

また、タワマンは7000万円もするんだから将来の維持費のことなんて考えるな、というのはおかしい。実用品なんだから維持費は大事なスペックの一つである。だからこそデベも修繕積立金を過小にして低いように見せかけている。タワマンって長期居住すると維持費の上昇は大丈夫か?と気にするのは当然である。プリウスって長い期間乗るとバッテリー劣化で燃費悪化しないか?と心配するのと同じである。これも、短期転売屋なら気にする必要ないが、子供が生まれて10年以上住もうとするなら、生活コストの上昇も見込まれる中で、マンションの維持コストの上昇が妥当な範囲になるのかどうかは当然気になるところである。