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マンション、投資ネタブログ

スニーカー沼へようこそ

今、スニーカーを巡って面白いことが起こっていることがわかったので、まとめておこうと思う。

注:ぼくはニワカファンなので、奥深いスニーカーカルチャーの歴史、メーカーの努力、広報戦略の変遷などは知らない上での記事であることをご理解ください。

 

スニーカーブーム再来

 

現在、何回目かのスニーカーブームが来ている。第一次スニーカーブームは、1990年代にナイキのエアマックスなどのハイテクスニーカーの奪い合いを指す。エアーマックス95のイエローのモデルなんかが象徴的である。

 

国内のスニーカー市場規模は1990年代に急成長し、1997年頃には約2700億円となったが、その後は服装の保守化、ブーツやミュールの人気化によってスニーカー人気が落ち込み、2000年頃には市場規模は2000億円まで落ち込み、その後も低迷していた。ところが、2010年頃から女性を中心に徐々に人気が出てきており、2013年には2800億円と第一次スニーカーブームを超える規模となり、その後も成長が続いている。(2020年はコロナで減速)

 

現在のブームは、1990年代のブーム時に買いたくても買えなかった人たち(30−40代くらいで購買力がある人たち)が、復刻モデルをリベンジ買いしていることもあるし、震災後、電車が止まっても大丈夫なように歩きやすい靴で通勤しようというムーブメントがあったこともあるし、中古流通のプラットフォーム(オンライン市場、鑑定)が整備されたこともあるし、様々な複合的な要因で発生している。

 

また、国内のみならずグローバルでスニーカーブームが発生している。これにより、ものすごいスピードで魅力的なモデルが開発されており、発売予定情報が飛び交っている。週に数個のモデルが発売されたり、1日に複数のモデルが発売されたり・・・。

 

NIKE1強

 

スニーカー界ではNIKE1強の体制が強まっている。特に二次流通においては8ー9割程度のシェアを持っている。二次流通しているモデルはお店で売っている定番モデルではなく、コラボモデルや限定モデルなど、いずれも数量が制限されているモデルである。NIKEは一部モデルを意図的に多品種少量生産しており、人気、品薄を演出している。

 

現在、スニーカーを買うにはアプリで抽選に参加するか、入荷情報を掴んで店頭に並ぶかしかないが、いずれも供給が絞られているからか全然買えない。特にオンライン抽選の方は誰でも参加できるので、5回、10回参加してようやく買えるという話である。このため、友人や家族のアカウントで抽選に参加したりすることもよくあり、さらに奪い合いを加熱させてしまっている。とりあえず、「今買っておかなければ定価で買えないから、少しでも欲しければ買おう(どうせ当たらないし)」ということ。

 

結果、NIKEは新商品が即時完売ばかりになる。数量を限定しているので売上への寄与度はよくわからないが、とにかく、売り惜しみ戦略が狙い通り奏功しているように見える。

 

プレ値

 

レアなスニーカーの価格が高騰し、定価の何倍、何十倍という価格で取引されている。レアでなくてもほとんどのモデルでは定価+αの価格で取引されることが多い。これをプレ値(プレミアム値段)と呼ぶのだが、これに目をつけた転売屋が市場に参加して、さらに品薄になってしまっている。

 

スニーカー投資は(買えるなら)ほぼ確実に儲かるものである。それだけ、流通価格に対してレアモデルの定価が安すぎるし、XXコラボの商品は毎回人気化するので価格が読みやすい。少なくとも読みが外れて全く処分できなくなったり、定価に比べて大きくマイナスになることは少ない。問題は、買えないこと。何らかのツテを持っていないと買うことはできない。

 

スニーカーなんて大量生産だし、後から出てくるやつの方が高性能だから価格が上がるということはないんじゃないか?と思われるが、実際にはかなり戦略的に数量が限定されているし、デザインとしては1990年代に完成されているため古いモデルにも実用価値があるのである。また、丁寧に保存していなければ短期間で加水分解するし、毎日履くとすぐに汚れてしまうので、残存している数量がどんどん減っていく。このようにして供給が絞られて価格が高止まりするのである。ワインやウイスキーのようだ。

 

もちろん、ブーム渦中にない人から見ると、定価2万円(原価1万円)くらいのスニーカーが5万円、10万円で売買されるは異常に見えるだろうし、価格変動にはなんの根拠もないから持続可能性が怪しいぞという指摘もある。ファッションのカジュアル化とフォーマル化は振り子のように行き来するとすれば、いずれ今のスニーカーブームは振り戻しがくるだろう。となると、ニワカファンは今度は革靴を買い集める。まぁそんなことはみんな承知しているが、それでも、音楽が鳴っている間は踊り続けるというものだろう。

 

スニーカーファッション

 

巷のファッション自信あるマンに言わせると、NIKEのレアモデルやハイテクスニーカー(ゴテゴテしたやつとかシカゴとかの派手な色のやつ)は保守的なメンズファッションとの相性が悪く、NGアイテムということである。

 

オッサンとして目が楽なシンプル、綺麗めなファッションとNIKEは相性が悪い。これは確かにそうであろう。ファッション誌などに出てくるオシャレマンもホワイトスニーカーやレザースニーカーを外しとして入れることはあってもハイテクスニーカーを履いてるのは見たことがない。ドレスとカジュアルという系統で考えると、NIKEはカジュアル全振りなので、ドレスでバランスを取ろうとしても取りづらい、個性が強すぎるということであろう。

 

したがって、NIKEのスニーカーがどんどん売れてブームになっているときはファッションのカジュアル化が進んでいるということである。昨今、在宅勤務やコロナによる外出自粛によって服装のカジュアル化が後押しされ、「良いスニーカーでも買ってみるか」という人が増えており、単価の高いスニーカーの売上が増えている。

 

NIKEのハイテクスニーカーはカジュアルファッション以外には合わせづらいという点について、個人的にはこの定説をぶち壊すファッションインフルエンサーが生まれるのではないかと期待している。女性ファッションにおいてはその兆候がある。メンズファッションにおける鉄板の真似しやすい着こなしが生まれるとまたブームが過熱化するんじゃないかと思う。

 

あとはまぁ、派手だなぁと思っても、履いてるうちに、「意外といけるか」となるものなので、まぁオサレマンの言うことは無視して、気に入ったらポチってどんどん履いてしまおう。

 

スニーカー沼へようこそ

 

最近のスニーカーを買ってみて感じるのだが、1つ買うともっと買ってみたくなる誘惑があるのである。

 

定番モデルから入って、レアモデルにハマっていく人もいるだろうし、昔買いたくて買えなかったモデルを買い集めている人もいる。もともと、バスケやスケボーなどからスニーカー沼に入ってくる人もいるし、ファッションという文脈で沼に入ってくる人もいる。

 

異なるモデルで似たカラーを集めたり、ローカットからハイカットまで揃えてしまう人も多い。1個だけ買って満足という話ではない。どんどん欲しくなってしまう魅力がある。「レアモデルを1つだけ持っている人」は存在しないんじゃないかと思う。

 

ただまぁ、この沼は悪いタイプの沼ではない。価格としても、定価1−2万円程度のものであるし、家に箱が積み上がるくらいのものだ。高級な時計とか車に比べれば微笑ましい趣味であろう。

 

ということで、スニーカーに興味を持った人、コロナ禍でも楽しめるお手軽な趣味が欲しい人は、とりあえずNIKEのハイテクスニーカーを一個ポチって欲しい。

 

久々に履く人はハイテクスニーカーの進化に驚くことだろうし、そこからマイサイズを理解して、ローテクのレアモデルを一個ポチったら、もうあとは沼に片足を突っ込んでいる。

 

なお、家族がいる人は自分だけ沼に突入にすると怒られると思うので、家族も一緒に連れてくることをオススメする。特に、子供がいるとスニーカーを履く機会は増えるだろうし、こだわって見るのも良いのではないだろうか。