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ブランズタワー芝浦ってどうなの?

マンションオタクの中で、ちょっとした話題になっているブランズタワー芝浦だが、マンション企画の難しさを表す良い事例ではないかと思っている。

 

地味な物件

 

ブランズタワー芝浦は駅徒歩8分という微妙な場所にある。また、周辺はマンションや倉庫に囲まれた場所にある。少し歩けば港区のスポーツセンターがあり、田町駅周辺には飲食店、スーパーなどファッション以外はなんでもあるのだが、マンションの周辺を歩くと何もなくて少し寂しい。

 

近くにはスケール感のあるパークタワー芝浦、芝浦アイランド、グローバルフロントタワーなどがひしめき合っている。ブランズタワー芝浦は482戸なので、決して少なくはないのだが巨大マンションに比べると小さく見える。

 

共用部のデザインはそれなりに気合いが入っており、高級感はあるのだが、それでもグローバルフロントタワーや芝浦アイランドに比べるとこじんまりした感じにはなってしまう。共用施設もこれといったものはない。

 

間取りも普通のフロアは東急得意の柱と梁が開口部を圧縮する牢獄のような部屋が多く、行燈部屋がある間取りもある。この間取りはいいな!という間取りはプレミアムプランのみで、他は「狭いのにガッツリ柱入ってんなー」「開口部が圧迫されてんなー」という間取りばかり。スパンの関係でやむを得ないんだろうが、少なくとも間取りに魅力を感じるものではない。

 

全体的に、「悪くないけど、立地、規模、共用施設、間取りには目立つものがない」地味な物件である。外観デザインもかっこいい感じではなくて、せっかく新しいのに新しい感じがあまりしない。

 

周辺住民としては、田町自体がそんなに派手な場所ではなく、実は便利で暮らしやすい場所であるので、この物件自体はそんなに悪くないと思っている。地味さを反映した地味価格で出てきてくれれば地味に人気化したのではないか。

 

謎価格とその理由

 

ぼくは自分の居住エリアに近いので、1番最初にモデルルームに行ったのだが、あまりの価格の高さに驚いた。あまりにも高すぎて周辺住民も、え?坪500万円?400万円じゃなくて?という反応だったようだ。

 

ここまでくると、「もう少し下げてくれれば買える」というレベルじゃなくて、「住み替えたら高層3LDKから低層2LDKになる。馬鹿馬鹿しいから絶対に買わんわ」というレベル。実際に、多くの周辺住民は興味をなくしていたようだ。

 

ぼくは「この価格では芝浦アイランドやグローバルフロントタワー、キャピタルマークタワーなどから買い替える人はいませんよね?誰が買う想定なんですか?」と聞いてみた。

 

すると、「オリンピックや新駅、リニアの開通などイベントがたくさんあることから、地方のお金持ちがセカンドハウスに買うことを期待している。また、港区物件としてみれば割安なのでその需要も期待している。」とのことだった。

 

ぼくは投資方向でも一応見てみたが、良いと思ったのは北向きのパークタワーとお見合いになる1LDK(お見合いだが植栽が見えるからそんなに悪くない)くらいだった。しかも、利回りは4%台でシロカネザスカイに見劣りする。こちらは駅遠でリスクが高いから、普通は選ばない。

 

地方の金持ちは東京に出る際に品川駅を利用する(羽田または新幹線で利用する)ので、できれば再開発が予定されている高輪口や高輪ゲートウェイ駅付近に買いたいのだが、物件供給がないから当物件が選ばれるという話であった。

 

確かに、田町駅は品川駅から近い。タクシーでもそんなに高くない。また、都内へのアクセスについても車だと田町は便利である。一方で、品川駅の開発、高輪ゲートウェイの開発は山手線の内側なので、芝浦側にどこまで影響あるのかな(ないだろ・・・芝浦よりも更に新駅や品川駅に近い港南の中古はほとんど無風だし)というのがぼくの感想。

 

この価格、あまりにも高すぎて、どうみても売れるわけがない。何か理由があるのかなとマンションクラスタの中で話題になっていた。

 

・ブランズタワー豊洲が坪400万円だから、港区だし+100万円くらいいけるやろ、シロカネザスカイより少し安くしとけば売れるやろと、類似事例比較法で雑な値付けをしたという説

 

・グローバルフロントタワーが坪400万円強で取引されているから、新築だしもっと高くてもいけるだろと、雑な値付けをした説(確かに、駅徒歩はこちらの方が近いが、スケールの違いを考えろや・・・)

 

・マンンション価格を無視したスッ高値で土地を仕入れてしまったので、順当な価格設定をしたら高くなっちゃった説

 

色々あるが、マンションのキャッチコピー「流れに乗るか、流れになるか」にも現れているとおり、ムスブ田町、高輪ゲートウェイ、竹芝の再開発による相場上昇に期待して、高値で土地を仕入れちゃった説が1番説得力あるんじゃないかと思っている。

 

他力本願で、自物件の魅力で価格を正当化できないから、コロナによる状況変化で高い価格だけ残って、市場から「なんでこの物件でこの価格?」と見られている感じ。バブルが終わった後のマンション市場はみんなこうなるんじゃないだろうか。利回りで正当化されない価格はバブルである。

 

コロナがなくて今頃日経平均が3万円を超えてぶち上げていて、インバウンド全盛でホテルはパンパン。ダイナミックプライシングのビジネスホテルが1泊4万円になり、静岡県の頭おかしい知事もいなくてリニアも予定通り、高輪ゲートウェイも大混雑と日本経済がバブっていればまぁこの価格でも行けたんじゃないだろうか。知らんけど。

 

今後どうする

 

現在のところ、販売進捗率は1割程度のようだが、2022年1月引き渡しであり、まだ焦る時期ではない。ただ、あまりにも環境が大きく変わったため、他力本願で相場上昇の流れに乗って儲けるイッチョカミ戦略が通用しなくなり、流石に対応策を考えだしたようだ。

 

今更できることはオプションをつけるとか、価格を下げるとかその程度の小手先対応であって、立地、仕様、間取りなどは変えられない。第一期一次からオプションをサービスする企画をしてみたり、今更アンケートで「いくらなら買いますか」と聞いてみたり、色々と混乱が見受けられる。

 

パークタワー勝どきが駅直結で良い間取りで高層階3LDKが坪400万円からなので、比較したら普通の人はパークタワー勝どきを選ぶのではないか。また、芝浦ではプラウドタワー芝浦(仮)も供給が予定されており、新築であることにこだわるお客が奪われる恐れがある。

 

2022年1月時点で完売を目指すなら、パークタワー勝どきとガチンコで戦うことになるので高層階で坪400万円台の3LDKがなければと勝負にならない。こうなると2割の値引きである。それでもグロス高いし地味物件なので同価格なら駅直結のパークタワー勝どきを選ぶ人は多いだろう。

 

「田町が良い人」しか来ないから販売はボチボチであると思う。流石にそこまで下げられないなら竣工時完売は諦めて、不動産バブルが来て芝浦アイランドの中古が坪500万円になるまで粘るしかない。ここまで来たら他力本願作戦を完遂してもいいんじゃないのか。

 

相場上昇の中で、新築マンション建てれば(おバカな)新築信仰パワーカップルが借金全開で買っていくから楽な商売だなーと思っていたが、マンションが密集している勝どきや晴海では、後から建つマンションはかなり気合を入れて差別化しており、長期戦になったとしても自力で売り切れる企画になっている。

 

3LDKのグロスが億を超える中でマンションの「相場上昇の流れに乗って、新築であることだけを持って高値売りする戦略」は厳しいと学んだ。今の条件で企画からやり直したら、もっと面白いものができると思うが、時間は戻らないので、今からできることは値下げかスミフゴクレのような長期戦覚悟がどちらか。

 

個人的にはパークタワー勝どきよりブランズタワー芝浦の方が生活の変化が少なくて家族の負担が小さいので、価格が同じならブランズタワー芝浦を検討してもいいと思っている。ただし、駅遠だし、地味物件だし、悪条件部屋も多いから、パークタワー勝どきの価格から更にもう一段下げてくれやって人が多いかもしれない。

 

パークタワー勝どきは小学校が遠すぎ、保育園が足りなすぎという、物件以外の理由で検討をやめたので、その辺が恵まれた(小学校は遠い?)ブランズタワー芝浦には期待している。

 

芝浦は地味なイメージがあるが、田町駅は便利だし、品川駅と違って簡単に山手線内側に出られるので車の便も良い。レストランやカフェもある。これで価格が安ければコスパ高いエリアであると思う。価格が安ければ。

 

マンション好きの諸兄、ブランズタワー芝浦の特別商談会で会おう。(でも、2割引でようやく、検討するか・・・というレベルだよね。完全にしこってるけど、どうすんのこれ。)