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資産バブルにどう立ち回ればいいのか

株価と不動産価格にバブルの様相が強まっている。

 

株価バブル

 

上場企業の中間決算は、純利益が前期比で▲37.1%となった。この数字は4−6月期決算の▲56.5%よりは改善しており、業績予想を上方修正する企業も増えているものの、前期比で減益であり、残り2クオーターで増益に転じることはないだろう。

 

市場一部の加重平均PERは2018年末:13.1倍、2019年末:15.9倍に対して、2020年10月末:20.5倍とどんどん上昇している。純利益は2018年末:43兆円、2019年末:41兆円、2020年9月末:30兆円と減益傾向が継続している。

 

11月16日の日経平均は29年ぶりの高値をつけている。減益なのになぜ高値をつけているのか?来期以降の業績見通しも不透明である。再度ロックダウンの可能性もあるし、ワクチンが行き渡り、経済が回復するまでの期間は不明だ。

 

結局、企業業績と関係ない世界で、「日銀が買ってるから買い」「米株が上がってるから買い」「曲げ投資家がインバースETF買ってるから買い」ということである。給与が増えない中で株価だけが上がっているので盛り上がりに欠けるが、ファンダメンタルズと株価が乖離してしまっているということであろう。

 

要因は色々あるが、必ずファンダメンタルズに収束するのが歴史であるため、今の乖離は永遠に続くわけではないと思っていた方が良い。そして、ゆっくり上がって急速に調整するのが過去の歴史である。普通の判断力ではそこで逃げるなんてできない。

 

マンションバブル

 

楽待の投資用不動産のデータでは、投資用一棟マンションの価格は2016年から2019年にかけて低下してわずかだが利回りが上昇している。(表面利回り 2016年ボトム7.25%、2019年6月:8.15%)

 

ところが、投資用区分マンション価格は2016年末から緩やかな上昇基調となり、それにより利回りは低下傾向となっている。(表面利回り 2016年ピーク:8.39%、2019年6月:7.17%)

 

分譲マンションで見ても、価格上昇と利回りの低下は継続している。賃料も上昇しているものの、賃料以上の価格の上昇により利回りが低下している。CBREのアンケート調査でも期待利回りは低下傾向が継続している。ファミリー賃貸マンション(東京城南、城西)で4−4.5%程度とのことだ。

 

中古マンションを見ていても、成約ベースでは利回り4%台がほとんどだと感じる。4%だと収支トントンか赤字になることもある水準であろう。こうなってくると投資家の戦略は二つしかない。一つは値上がり(キャップレート低下や賃料の上昇)期待(自分よりも馬鹿な奴が後から買いにくることを期待)で、利回りを無視して物件を買う。もう一つは、利回りが高い相場と乖離した物件を見つけ出して買うことである。

 

日本は不動産バブルを経験しているのでその反省から派手なバブルには陥らないと期待されるが、どんどん下がっていく利回り、いつまで経っても上がらない賃金、低金利誘導する日銀、簡単に金を貸す金融機関、購買力による価格設定で上がり続けるマンション価格を見ていると、どう見てもファンダメンタルズと乖離している。

 

株価と同様、短期的にはファンダメンタルズを無視したモメンタムが継続することはあり得るが、歴史を見れば、必ずファンダメンタルズに収束するものである。

 

金融緩和バブル

 

株価とマンションのバブルは日本に限らず世界中で発生している。主因はどう考えても金融緩和であろう。ポピュリズム的な政策の中で、コロナ以前から世界中の中央銀行はバランスシートを拡大して、間接的に株価を支え為替を操作してきた。

 

金融緩和をしなければ、自国通貨がどんどん高くなってしまうので付き合いで緩和せざるを得ない。先進国は資産購入を加速、新興国政策金利の引き下げを加速させている。

 

日銀も白川総裁が聞いたら気絶するような非伝統的な金融緩和を行なってきている。特にやばいのはETFREITの買い入れであろう。債券と違ってETFREITは満期まで持ち切っても消えることがないので、ポジションとして残ってしまう。また、ETF(株)もREITも発行済み総数が決まっていて、有限のものである。有限のものが定期的に買い入れられて、在庫(流通株式数)がどんどん減っていく。

 

企業業績が悪化しても金融緩和があるから大丈夫、PERが上昇しても大丈夫。表面利回りがどんどん低下しても金融緩和があるから大丈夫。というチキンレースになっている。

 

バブルの継続

 

バブルはいずれファンダメンタルズに収束するが、一旦定着した上昇のモメンタムがすぐになくなることはないし、むしろバブルが先鋭化してくるとバブル崩壊前に大きく加速する。ビットコインバブルを覚えている人もいるだろうが、レイトマジョリティが参入して過去最高値をつけてから価格が下落した。

 

トレンドの転換を予想して取引するとトレンドが転換せずに死ぬことはインバースファンドで相場に挑んだ人が説明してくれた。短期的にはバブルは継続して、むしろ先鋭化して、それから崩壊すると考えていた方が良い。

 

つまり、株価や不動産価格が前年比で数十%あげたくらいでは崩壊せず、明らかに尋常ではない水準、たとえば2倍3倍になってから崩壊するというものである。

資産価格は上昇か横ばいか下落しかないが、短期的にはモメンタムが継続し上昇であろう。

 

 

バブルにどう立ち回るか(最後まで付き合わない)

 

日本が本格的なバブル崩壊に陥ったのは、不動産バブルの崩壊とリーマンショックによる株価の崩壊の2度であろう。いずれも、利回りやPERを無視した資産価格の上昇によって引き起こされており、現在の相場も似たような危険性を感じる。

 

過去2回のバブル崩壊ではどのように立ち回るのが正解だったか?相場を読める神なら、バブルが崩壊するまでは全力ロング、崩壊したら全力ショートすれば良いがピンポイントでバブル崩壊を読める人は神しかいない。となると、転換点は完全にはわからないという前提での立ち回りになる。

 

ただし、バブル崩壊のメカニズムを見ればバブル崩壊の兆候はなんとなくは分かるという考え方もある。

 

資産価格が上昇していく中では、どんどん買い手が減っていき、最後の買い手が買ったところでバブルが崩壊する。その直前に、「バスに乗り遅れるな」というパンピーが参入して大きく価格が加速する。

 

このパンピーの参入を契機に資産を段階的に現金化していき、リスクを減らしていくという戦略があり得る。ビットコインであれば例の「寝てるだけでお金が増えていく」という姉ちゃんが出てきたところである。

 

マンションの場合、「マンションは買ったら上がるもの」とみんなが考えだしているのは危険な兆候ではあるが、一方でペアローンの利用率はまだ高くないのではないかと考える。

 

ぼくの場合もペアローンには抵抗感がある。転売目的でない場合、ペアローンにより長期に渡ってキャッシュフローが拘束されることは重い。これを、現在の変動金利に対する考え方「金利は上がらないから、変動金利で借りるのが常識」のように、「マンションは価格が上がるから、ペアローンで買うのが常識」となってきたらやばい。逆に言えば、こうなるまでは価格上昇余地があると考える。

 

パンピーが参入すると大きく価格が上がるのだが、欲をかくとそのごのバブル崩壊に巻き込まれるので、ここの利益は捨てる覚悟でバブルに最後まで付き合わずに、リスク管理をするのが一つの立ち回りであろう。

 

バブルにどう立ち回るか(致命傷を負わない)

 

不動産バブルで死んだ人を見ていると、地方やリゾートの物件を買って、その後売れなくなったケースが多いようだ。都心の物件も半額以下になったが、一応処分はできるし、何十年も粘れば回復する。地方の物件は待っても回復しない。

 

大きな借金で買う以上、価格が暴落したら大きなダメージを受ける可能性がある。これを避けて、致命傷を負わないためには、利回りや流動性が確保された物件を買うことであろう。マンションバブルの昨今、利回りは低下しているが、妥協せずに探せば5%、6%のものも見つかる。利回りが低くても流動性が確保されれば一撃で致命傷になることはない。

 

バブルにどう立ち回るか(気にしない)

 

タイミングでリスクを減らすとか、致命傷を負わないとか難しいからできそうにない、という人はリスクを負いすぎずに、バブルなんて気にしないという立ちまわりもあり得る。郊外の2000万円の戸建ては価値がゼロになっても気にならない。JKKや URで相場より安く賃貸で借りている人もバブルなんて関係ない。

 

信用取引や住宅ローンなどの借金がなく現物で株を積み立てている人も、別にバブル崩壊しても持ち続ければいいし、なんなら平均取得単価がどんどん切り下がっていくのでバブル崩壊したほうがありがたいくらいである。

 

まとめ

 

金融資産の場合、リスクを減らすとか現金化するとかは容易であるので、自分の好みによってバブル崩壊まで付き合うもよし、逃げるのもよし、気にせずに積み立てていくのも良い。自分のメンタルと資金需要、投資期間を考えながら最適なものを選択すれば良い。

 

不動産、特に居住用のマンションの場合、このような柔軟な対応ができないし、仮にバブル崩壊を予見できたとしても生活があるので売り抜けることはできない。したがって、バブル崩壊まで付き合わないということは難しい。バブル崩壊したとしても致命傷にならないよう厳選した物件を余裕を持って買おうということになる。