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マンション、投資ネタブログ

駅徒歩よりも保育園や小学校への所要時間が大切

パークタワー勝どきについて仕様やらエレベーターやらが議論されているが、サラッと「小学校の学区は晴海フラッグに新設される学校になる」という情報が入ってきた。直接デベなり中央区に確認したわけではないのだが、モデルルームで聞いたということである。

 

パークタワー勝どきから晴海フラッグの小学校へは大人の足で15分から20分くらいかかるようだ(Google マップ調べ)。おいおい、駅徒歩1分なのに小学校徒歩15分かよ、バランス悪くないか?と感じたが、よく考えると駅近くに小学校があることは少なく、駅徒歩と小学校へのアクセスは二律背反的なところがある。港南エリアは駅から10分程度離れているので、マンションと学校保育園が隣接している。小学校に近く、駅まではちょっとある。

 

せっかく駅近のタワマンなのに小学校がかなり遠いという現象。これは、この物件だけの話じゃなくて、再開発によるマンション建設に小学校建設が追いつかない問題、本来住宅用地でないところに大量の住宅を供給してしまう都市計画の杜撰さ、共働き化の社会変化など複合的な問題だと思うのでちょっとまとめてみたい。

 

 

駅徒歩よりも保育園への所要時間が大切

 

これは今更書くまでもないくらい認識されてきているが、保育園へのアクセスは非常に重要である。駅徒歩5分のマンションに住んでいても、保育園が駅と逆方向に10分(大人の足で)とかはザラであるし、待機児童問題が激しい場所だと自転車やバスで登園させる場合もあり、毎日登園数十分コースである。駅近メリットぶち壊しである。

 

一方で、タワマンに併設している保育園に入れることができれば徒歩数分だし、雨の日でも台風でも傘はいらない。猛暑でも汗をかく前に辿り着くことができる。この使用価値は圧倒的なものであるとぼくは考える。併設していなくても、大きな保育園が近くにあるでも良い。

 

テレワークで通勤頻度が減る中で、わざわざ遠くの保育園に毎日登園されるのは馬鹿馬鹿しい。職場近くの保育園に預けざるを得ない人もいるが、出社しないのに会社の近くに行く必要があるという地獄である。

 

以前、ぼくが中央区のマンションを検討した際に、「フルタイム共働きの人は半分が待機児童ですよ」と役所に言われて絶望した話を書いたが、待機児童というのは保育政策が超絶赤点でお話にならないレベル。保育園へのアクセスというのは赤点を脱した人のより高次元の話。そもそも入れなければ徒歩20分だって30分だって入れざるを得ない。

 

保育園が近くにあることは生活に大きなゆとりをもたらす。しかも毎日効果を実感できるから、とても大切な要素だと考えている。通勤頻度が落ちている中で毎日登園する保育園との距離は駅距離よりも大事である。せっかく再開発するのであればぜひ保育園併設にして欲しいと考えている。

 

晴海フラッグでは保育園は賃貸棟の近くに設置されるそうだが、これもちょっと意味がわからない。晴海フラッグは区画が大きいのでサンビレッジやパークビレッジの先端から歩くと結構な時間がかかってしまう。真夏とか台風の日はきつい。せっかく一帯開発なのだから各ビレッジごとに一つ保育園を設けるべきだったと思う。

 

 

駅徒歩よりも小学校への所要時間が大切

 

QOLの観点からは駅距離よりも保育園アクセスが大事なんだ、何よりも大事なんだと言ってきているが、小学生になれば自分で登校するようになるから事情は変わってくるのだろうか。

 

これは実体験をもとに語ることができないのだが、「共働きで実家のヘルプがない状態ではかなり大事」ということではないかと考えている。

 

小一の壁と言われるように保育園の手厚いサポートがなくなり、毎日ギリギリで生活を回しているのに、のんびり往復30分以上かけて学童へお迎えしている場合じゃない。また、小学生になると習い事も本格化するので送り迎えなどもあり、とにかく移動時間のように無駄なものは削減しないと睡眠時間が削られる。

 

「オレが子供の頃は田舎で小学校まで片道60分だけど全然大丈夫だった」という反応があるが、まず、ぼくは小学校が遠いと子供がかわいそうとは思わない。僕も遠かったけど通学路で遊んだり虫つかまえたり遊んでいた。真夏でも台風でもそんなに苦ではなかった。

 

ぼくが気にしているのは共働きの親の負担である。「オレが子供の頃は田舎で小学校まで片道60分だけど全然大丈夫だった」というけど、それって親が専業主婦じゃなかったですか?または、都内のようにほとんどの家庭が中学受験する前提じゃなくないですか?近くに祖父母が住んでいませんでしたか?前提条件違いすぎてアップルトゥアップルの比較になってなくないですか?ということ。

 

よく、女性活躍セミナーで徒歩圏の実家に家事育児を丸投げしている女性が、「仕事と家庭の両立なんてラクショーよ!私は出産後2週間で復帰したぞ。」とオラついているのを見て、「楽ショーじゃねぇよ、再現性ねぇだろ」と思いませんか?と。

 

まぁつまり、実家が近くて専業主婦家庭であることを前提とすれば、通学時間が長くても全然平気ということなんじゃないか。専業主婦家庭であれば幼稚園まで車や自転車で送り迎えしてもまぁ余裕だが、共働きだと保育園は近ければ近いほどいい。そういうことじゃないかと。

 

 

タワマン建設と小学校遠い問題

 

田舎の場合、人口密度が薄いので広域から通学することになり、通学時間が長くなる。都市部の場合は、タワマンを駅近に建てるが、駅近には小学校はあまりないので、通学時間が長くなる。

 

また、勝どきのように、もともと住宅を建てる予定ではなかった場所に大量の住宅を供給すれば、近くの小学校が満員になってしまって、遠くの新設小学校に突っ込まなければ入り切らなくなる。

 

さいたま新都市や幕張規模のように、超大規模な土地にゼロから作る街づくりであれば、学校や保育園の配置と住宅、駅の配置をよく考えて移動時間が少ないように、大きな道を渡らずに安全に通学できるように配慮されるが、既存の街にたまたま土地ができたからと無計画にマンションを建てまくると、小学校の場所とマンションの場所で不整合が生じてしまう。

 

これは勝どきに限らずどこでも生じていて、すでに出来上がっている街や古い街で工場跡地がタワマンになる場合、当然ながら工場の近くに学校はないから小学校遠い問題が生じる。新興の住宅地がきれいに整備されていて無駄がなく気持ちが良いのはこういうことだろう。

 

デベロッパもゼロからの広大な開発なら配慮はできるが、タワマンを複数建てるくらいの規模だと保育園を併設させるのが精一杯。小学校遠いから小学校建てましょうとはならない。

 

資産価値か使用価値か

 

小学校に近いところにするか駅に近いところにするかという問題は、結局のところ、資産価値と使用価値のどっちを取るのという話になってくると思うのだが、まぁ共働き家庭の場合、ほとんどのケースで小学校(に限らず、自分が必要とする施設)に近い方が使用価値が高くていいんじゃないか。

 

10年後に何千万円か残っても、毎日睡眠時間を減らして健康を害したり、余裕がなくなって家族にあたってしまっては本末転倒。多くの人にとってマンションとは実用品であり、生活を助ける、便利にするものであると考えれば、多少コスパが悪くても使用価値を重視した方が満足度が高いんじゃないか。

 

そもそも、アベノミクス前はマンションは経年減価するものだったから、「お金がかかってもいいから使用価値を重視しよう」と考える人が多かったが、アベノミクス以降は金融緩和ラッキーで値上がりしたもんだから、欲に目が眩んだ素人が投資家気取りでマンションサーフィンしている。資産価値のために小学校途中で買い換えて転校するとか、正気の沙汰とは思えない。

 

自分や家族がどういう生活をしたいのか考えて、その実現のためにはどのような住まいが適しているのかを選択するのが良いのではないか?それにたまたま資産価値がついてくればハッピーだったということだ。

 

 

注意:このブログは客観的な事実や専門家によるアドバイスではなく、ぼくの考え方を書いているものである。わかりやすくするために端折ったり強調している部分がある。あくまでも、こういう考え方があるんだなということで、読み物的にお読みいただければと思う。