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湾岸の次のフロンティアはどこ?

共働き家庭のフロンティアだった湾岸エリア

 

リーマンショック後の10年間、湾岸エリアは都心に近い(特に大丸有に近い)割にマンション価格が安い(坪200万円〜300万円くらい、3LDKが5000〜7000万円くらい)ので、共働き家庭(世帯年収1000〜1500万円くらい)の一次取得層や子育て世帯に人気だった。

 

 

価格上昇でフロンティアでなくなった湾岸エリア

 

しかし、湾岸の新築マンションは価格が上がりすぎ、今やほとんどのリーマンにとって必要な広さの物件が買えなくなってしまった。

 

価格上昇は再開発によるファンダメンタルズ的なものか、金利低下など金融要因なのか、過大評価なのか分からないが、シティタワーズ東京ベイ、ブランズタワー豊洲、パークタワー勝どき、ブランズタワー芝浦などは坪400万円〜500万円がボリュームゾーンである。

 

住み替えで頭金が数千万円あるか、年収が数千万円あるかでなければ、1億円以上のマンションをエリア最高値で掴むのはダウンサイドリスクが大きくリスク取りすぎである。(つまり、若者ではなく、ある程度金を持ったおっさん向けのエリアになってしまった)

 

背伸びした借金でギリギリ買えたとしても、結局分不相応な住宅費を負担することになる可能性が高い。70平米1億円のマンションを買って、利回り4%なら家賃は33万円。売却価格はどうなるかは分からないが、結果としてこのぐらいの住宅費は負担することになると考えておいたほうが良い。(もっと多額になるかも

 

アベノミクス下でマンションを買った人は経年で物件価格が上昇するという「奇跡的な状況」が発生して、賃貸に比べて有利であったが、これは大きく金利低下したためであり、賃金は大して増えていない。これ以上金利が下がらないのだから、今後は賃貸でも分譲でも住宅費は大きく変わらないと考えるのが自然である。

 

必要な広さが買えないなら、実需の検討者にとってその物件、エリアはスコープに入らず、そもそも存在しないのと同じである。買えなければ1億円でも100億円でも同じ。

 

湾岸エリアの新築マンションは価格が上がりすぎて、ほとんどの一次取得層リーマンにとって検討外になりオワコン化した。買い替え前提の成熟したエリアになった。このまま住民が高齢化してニュータウン化するのか、より収入の高い住民が入ってくるのかは分からないが、少なくとも、もはや若者のフロンティアではなくなった。

 

 

次のフロンティアはどこ?

 

それでは、共働き世帯にとって、職場アクセスと現実的な価格を両立した次のフロンティアはどこなのだろうか?

 

2008年からの10年間、フロンティアだった湾岸エリアは「都心に近いわりに、埋立地、倉庫街、工場など不人気な要素を持つから安いエリア」であった。

ネガティブな点に目をつぶれば通勤アクセスと安い価格を両立するコスパが高いエリアであった。

 

ここに目をつけた地方出身者の共働き家庭が住みだした。彼らは実家が遠いので実家の近くではなく、職場の近くに住む傾向があり、東京のジモティーでないため地歴など気にせずコスパを重視する。豊洲などは、元々はイメージが悪くマンション名から名前を隠していたが、共働き家庭に合わせて街が開発され、イメージが改善し、発展してきた。

 

この歴史を見ると次のフロンティアとしては、「都心に近い」「ネガティブな要素があり価格が安い」というのが必要条件であろう。ぼくはあまり広域について詳しいわけではないので、Twitterで「ここどうよ?」とコメントいただいたところを中心に書いていきたい。なお、予想ではなく、ここどうよ?的なネタなのでみなさんも考えて教えてもらえると嬉しい。

 

 

足立区全般

 

この話をして、1番に思いついたのが足立区。また、足立区を挙げる方が多かった。従来は低所得者が多いとか、治安が悪いとかそう言ったイメージが持たれがちであったが、最近は若者をターゲットに街づくりを進めており、「子育てしやすい区」として有名になってきている。

 

私も足立区の昆虫館に子供を連れて行ったことがあるが、公園は広々と整備され、遊具はピカピカに更新され、人口密度は低く、住民のマナーもよく、素晴らしい環境だった。特に、子供が触れる場所について力を入れている感がある。ギャラクシティなども有名。

 

最近のデータでは、待機児童がほぼゼロになったそうであり、しっかりと、子供重視の政策を進めている。タワマン建設を子育て環境整備より重視しているためいつまでたっても待機児童が解消しない中央区と全然違う。政策の優先順位が違うのであろう。

 

この変化が若い世代に有名で、若い世代にとっては足立区のイメージは悪くない。2020年からの10年間、足立区が次の湾岸化(共働き家庭が流入し、イメージが改善し、街としても発展)する可能性があると思う。

 

江戸川区荒川区を挙げる人もいたが、足立区に比べるとイメージ改善の余地が低いのではないかと思っている。

 

西日暮里界隈(尾久、鶯谷、入谷、三ノ輪)

 

足立区に近いが西日暮里周辺も改善の余地があると思う。元々交通アクセスは良いが賃料が安くマンションも安い。基本的に、価格の安さを追求すると、東京の東側になる。水害リスクはあるものの、タワマンなら死ぬことはないので、まぁあまり気にしない人も多いのでは。湾岸も液状化には弱いけど、みんな気にしてない。

 

西日暮里界隈の問題は、広い物件がほとんどないということで、ここが改善されるような大規模な開発が行われれば、湾岸では実現できない広々とした住居を求めてパワーカップルが押し寄せる可能性があるのではないか。なお、都市開発に詳しいわけではないので、どこで土地がまとまっているとか、そういうのは知らないので、Twitterで教えていただけると幸い。

 

鶯谷はイメージが悪すぎるからかマンション名につけないことが多いが、豊洲だって昔はイメージが悪すぎるからマンション名につけなかったので、開発余地さえあれば伸びしろとも言えるのではないか。余地があるのかは知らんけど。

 

 

北千住

 

北千住を次のフロンティアとして挙げる人もいたが、個人的には北千住はすでに価格が上がりすぎてフロンティア感が足りない。豊洲や勝どきが幸運だったのは価格上昇がマイルドで10年くらい時間をかけて発展したことである。

 

豊洲の開発初期は坪200万円くらいからスタートして、購買力の限界が坪400万円まで上がるのに15年くらいだろうか。ここが急に上がりすぎると人口流入がストップして発展がストップする。そういう意味で、北千住はポテンシャルは高かったが一気に価格が上がったので、次が続かないのではないか。続いたとしても、「評価益を吐き出すことが前提」になってしまい、オッサン向けになってしまうのではないか。

 

そういう意味では、今のイメージが悪く、ゆっくりと状況が改善していくエリアがフロンティアに適している。

 

 

秘境駅の可能性

 

湾岸に近い秘境駅(利用人数が少ない駅)として、越中島や潮見があるが、こうした街が発展していくイメージはぼくはあまり持てない。ぼくは秘境駅は好きなのだが。

 

人気があまりない駅はフロンティア化していくところと、ずっと秘境のところに分かれるのではないか。そういう意味では開発余地がない場所とか、発展してないのんびりした環境が魅力の場所(尾久とか)は、のんびりとした環境が継続するのではないか。

 

次のフロンティアとして「平井駅」を挙げる人もいて、ぼくも平井駅は可能性があるような気がしているのだが、一方で秘境駅に留まるような気もしていて、ここはより詳しく都市計画などをみて行く必要があると思う。(当然だけど)

 

 

埼玉や千葉

 

埼玉や千葉の中で広い土地があり、都心や湾岸では実現不可能な住環境が提供できれば、十分に可能性はあると思う。イメージしやすい場所では新浦安、戸田公園、与野、さいたま新都心海浜幕張あたりだろうが、すでに注目されているので穴場感が足りない。

 

従来、埼玉や千葉は通勤時の時間や負荷がネックであったが、大企業では週に何回かのテレワークが定着していくとすれば、大企業に勤めるパワーカップルであれば通勤時間に対する許容度は上がっていく。狭くて高いマンションは毎日通勤するなら価値を感じられるが、週に2通勤なら通勤時間が伸びても広さと安さを求めたい。

 

特に、子育て中であれば通勤頻度を可能な限り落としたい人も増えるだろうし、それを可能にするテレワークの環境整備が行われている。どこまでテレワークが浸透していくのか不透明なところではあるものの、大企業であれば「希望すれば週に何回かはテレワークにできる」という状態になれば、埼玉や千葉の安くてまぁまぁ都心に近く(通勤時間40分くらいかな)、マンション価格が安い場所が人気化するのではないか。

 

 

まとめ

 

昨今のマンション価格上昇によって、従来フロンティアであったエリアがオッサン向けのエリアになってしまっている。ぼくはこの現象を「実需層にとっての新築マンション市場の死」と表現しているのだが、つまり、若い共働き世帯の一次取得層が入ってこれないエリアになってしまっている。

 

次のフロンティアとして、「通勤アクセスが良いのにイメージが悪くて安いエリア」にコスパを重視し、地歴を軽視する共働き層が流入していく可能性がある。通勤アクセスは簡単には改善できないが、イメージはまぁ改善できるので、今イメージが悪くて安い場所に可能性があるエリアがあればそれが次のフロンティアになり得るのではないか。

 

今はブランド化した湾岸も、埋立地、ゴミ焼却場、元工場など散々な言われっぷりだったが、現在の通りイメージが改善している。次のフロンティアとして有望な場所があったら教えて欲しい。

 

 

中古はどう?

 

新築マンションは冗談みたいな価格だが、中古マンションならそれなりだから湾岸はまだフロンティア性を失っていないのではないかという考え方がある。

 

ぼくもギリギリこの考え方を持っている。個人的には、坪330万円くらいで取得して、500万円くらいかけてリフォームすれば占有部は新築以上の満足度になるので良いかと思う。個性を求めて、新築へのこだわりがない若い人も多い。

 

ただ、坪330万円とはいえ子育てに必要な広さを確保すると結構な額になるし、築浅は更に高かったりするので若い人にとって魅力的だろうか?と考えると、微妙(価格が高すぎる)な気はしている。80平米で8000万円の中古とか一次取得する気になるだろうか?