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保育園の登園自粛はガチでヤバい

緊急事態宣言が行われ外出自粛が要請される中で、23区の保育園は登園自粛を呼びかけている。

 

緊急事態宣言前は、休校は行われていても保育園や学童は運営されていたため、親は子供を預けて働き続けることができた。在宅勤務をしている親は、子供を保育園に預けて在宅で集中して仕事ができたため、むしろ普段よりも仕事が捗るくらいだった。

 

防疫の観点からは、本来は保育園も閉めるのが望ましいが、そんなこと言ったら電車も止めるべきだし、スペインのように全ての会社を閉めるべきである。日本では国として経済活動を急停止しないことを優先するのだから、保育園や学童は当然継続するものと考えられていた。

 

私も、保育園は3密そのものなので気持ち悪さはあるが、子供の有病率は低いことや、それでも学校に比べると人数が少なく、クラスター化しても隔離しやすいので仕方ないのではないかと考えていた。理想は分かるが現実は完全な対応なんてできない。

 

 

渋谷区の対応

 

ところが、緊急事態宣言の翌日、渋谷区が「原則休園」を通知して大騒ぎとなった。

 

渋谷区は緊急事態宣言前から登園自粛を要請してきたが、在宅勤務のできる家庭を除き、親たちは基本的には保育園に預けて働き続けていた。緊急事態宣言を受けて強硬手段として保育園を休園することにした。なお、世帯全員が警察官、消防官及び医療従事者の家庭に限って例外対応をするという。

 

緊急事態宣言、東京23区の保育園はほぼ全て「休園」か「自粛要請」に【新型コロナ】 | ハフポスト

 

この対応は、親たちからすれば衝撃である。保育園は共働きのインフラであり、趣味で預けているわけではない。家で子供を見られるのに預けれている人もいるが少数であろう。保育園がなければ仕事の継続ができないのである。会社全体を休みにしてくれるならまだいいが、自分だけが休みになってしまうのはよろしくない。しかも区によって対応が違う。

 

 

他の区の追従

 

渋谷区の保育園休園は踏み込んだ対応であり、他の区は「登園自粛」を呼びかけるにとどまっていた。それが、数日して対応を変更してきた。原則休園に追従する区や、登園自粛でも強硬な自粛(実質的に休園と同じ)を呼びかける区が増えた。これは、東京都の要請なのか国の要請なのか、隣の区がやってる手前、人命保護の観点から追従しなければならなかったのか。

 

 

 

港区は登園自粛(テレワークできる人は自粛)だったが、1日後には、登園自粛(警察、消防、医療関係者以外は原則自粛)に変更された。一応、休園にはなっていないので、登園させ続けている親もいるようだが、近くの保育園では定員100人の園でも今は子供が10〜15人程度しかいないとのことだ。

 

私はテレワークができるので、当初から登園を自粛させていたが、テレワークのできない親も多い。この場合、仕事を休んで面倒を見るか、シッターをお願いするか、親に手伝ってもらうくらいしか短期的には打ち手がない。親が近くに住んでいて、日頃から接触していればば良いが、わざわざ呼び寄せるのは防疫の観点からいかにもまずい。

 

 

会社の対応

 

仕事の種類によっては、テレワークができない仕事もあるだろう。たまたま両親ともそのような仕事であったら、保育園が休園したらどうしようもない。

 

会社の中には特別休暇(有給休暇)を無制限に付与しているところもあるそうだが、この措置が数ヶ月継続する可能性を考えると、ずっと休ませておくわけにもいかない。

 

また、テレワークを活用する会社も多い。本来、テレワークは仕事に集中するために、子供の面倒を見ながらテレワークすることは禁止されているが、緊急事態の現在、ケチなことを言っている場合ではない。それを禁止したら業務継続ができなくなる。

 

大企業は監督官庁から出社の7割減を要請されている。7割はハードな目標であるため、会社側としてはテレワークできる人は全員テレワークして欲しい。できない人は休みをとって欲しい。会社によっては、オフィスを完全に封鎖しているところもあるし、出社する場合には事前承認が求められることもある。

 

特に世間から注目される大企業では、多くの社員を出社させることに恐怖感がある。業務継続の観点からもよろしくないし、「あの会社はコロナのクラスター化したらしい」「あの会社は緊急事態宣言下でも社員全員を出社させているらしい」という噂がたつと、レピュテーションも最悪である。

 

 

テレワークしている家庭の状況

 

テレワークをしていると保育園の登園は自粛することになるが、子供の世話とテレワークの両立はかなりハードである。保育園が担っていてくれた、子供を遊ばせて、学ばせて、運動させて、昼寝させて、食事を作って、食事させて、片付けて、・・・という機能を全て親がやらなければならない。

 

しかも仕事をしながら。まぁ不可能である。小池知事は軽いノリで、「テレワークできる方は、登園を自粛してお家で子供をみてください。テレワーク推進☆」と言っているが、どれだけ大変なことを言っているか、意味は理解できてないと思う。とはいえ責められるものでもない。新生児の育児の大変さと同じで、実際にはやったことがなければわからないだろう。

 

国家の緊急事態なので毎日必死にこなすが、これをずっと継続するのは不可能である。特に、1人親家庭や、夫婦の片方が出社必須の仕事の場合で、親1人がこれを担うのは厳しい。夫婦仲が悪くなるとか以前に、物理的に厳しい。

 

安倍総理は、「テレワークを行い、保育園の登園自粛をしていただいている方に感謝する。」と謝意を示していたが、スピーチライターはよく分かっているなという感じである。

テレワークできる人はたしかに、通勤が必要な人に比べれば柔軟に対応できるが、テレワークは休みではない。育児も仕事もするのだから相当なブラックっぷりである。出社するほうが何倍も楽。マルチタスクは疲れる。

 

 

保育園休園の個人消費への影響

 

保育園が休園し、自宅で面倒をみないとならなくなると、生活パターンが変わる。子供の食事を作らなければならないし、子供は家に引きこもっているのは不可能なので、運動させなければならない。つまり、可処分時間がどんどんなくなる。

 

通勤時間や保育園の準備の時間はなくなるが、それでも時間がなくなる。とにかく、コスパ(時間的な意味で)を追求しまくらなければ、生活を回すことができない。

 

スーパーからレトルト食品が消えたが、これは当然である。買い物に行っている余裕もないし、1日3食食べるのでレトルト食品は必須である。

 

出社しなくなるので、高額消費はしなくなる。しようという意欲も出ないし、時間もない。

 

子供を毎日散歩させたり公園に連れて行くので、汚れても良い靴や服が必要になる。毎日の生活と仕事を回して行くだけで精一杯である。そもそも、共働き子育ては大変で疲れるが、保育園のおかげで家事やちょっとした趣味、勉強、休息の時間が捻出できていた。これがなくなったのだからガチでヤバい。

 

とにかく、手間や時間が取られることはやりたくないし、やってる余裕もない。以前、不況になるとマンション価格は下がるかもと書いたが、このような超多忙な状態で、マンションを買おうとかモデルルーム行こうとか、内見しようなんて考える人はほぼいないと思う。妻に全ての家事育児を丸投げしている昭和な家庭や大家族とか、お手伝いさんがいる家庭とかくらいじゃないか。

 

「モデルルームは3密だから行きたくない」とかのレベルじゃなくて、保育園が閉まったからとにかく時間がない。休日も翌週に備えて食料品を買い出しておく必要があるし、平日に体を動かしづらい分、子供も親もたくさん運動しておく必要がある。しかも、できれば人が少ないところに連れて行く必要もある。

 

共働きで子育て中の家庭はしばらく引越しも購入もしないだろう。共働き子育て世帯は、通勤利便の良い都心にそこそこ広めのマンションを買うので良い客だったと思うが、彼らの購入意欲が一気に萎縮する。

 

現在、狭い家に住んでいる人は外出自粛で引越ししたいという意欲が高まっているかもしれないが、それでも緊急事態中に引っ越すこともないし、リフォームも納期が見えないと言うから、よほどの理由がなければ引越ししないだろう。コロナ前から転居を検討してきた人は継続検討するかもしれないが、新規で検討開始する人はいないだろう。

 

以前、「コロナ不況で購入意欲が萎縮するから、消費者は借り入れを抑制しがちで購買力が下がってマンション価格下がるかも〜」という記事を書いたが、まさか保育園が閉まって購買意欲が強制的にゼロになるとは思わなかった。

 

将来予想というものは、その時点では予想できない要因によって大きく影響されるのだなと思う。まぁ保育園はいずれ復旧する(しないと親が死ぬ)と思うが、その頃にはまた予想もしない事が起こっていて、何かしら影響を受けているのだろう。