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マンション、投資ネタブログ

中古マンションを購入して10年後に売却した際の住宅費は?

中古マンションを購入して、何年かして売却する場合は、売却価格が確定して、住宅費が後から決まることになる。


そこで、売却するときにどの程度価格が動くと住宅費はどの程度変化するのか試算してみる。

 

なお、計算を簡単にするために、頭金なしフルローン、住宅ローン減税なし(そのかわり、売却時課税もなし、3000万円控除使用)とする。


ざっくり計算なので、設定が甘かったり計算がおかしいところは適宜調整してもらえれば幸い。

 

1.購入時の支出
 価格:6,000万円(フルローン前提)
 諸費用:480万円(物件価格の8%、中古前提)

 

2.居住中の支出
 住宅ローン返済:2,160万円(月18万円、10年分)
 管理費:180万円(月1.5万円、10年分)
 修繕積立金:300万円(月2.5万円、10年分)
 固定資産税等:200万円(年20万円、10年分)
 居住中の支出計:2,840万円

 

3.売却時の支出
 諸費用:200万円(売却価格によってかわるが、大差ないので固定とする)

 

4.5,000万円(△1,000万円、△16.66%)で売却時の住宅費
 売却時の収入:5,000万円
 売却時の残債:4,500万円(購入時価格×75%)
 売却時の諸費用:200万円
 差引(返金):300万円
 支出計:480万円+2,840万円=3,320万円(購入時費用と居住中支払額の計)
 住宅費300-3,320=△3,020万円(月額:25.16万円)

 

5.6,000万円(+0万円、+0%)で売却時の住宅費
 3,020-1,000=2,020(月額:16.83万円)

 

6.7,000万円(+1,000万円、+16.66%)で売却時 の住宅費
 2,020-1,000=1,020(月額:8.5万円)

 

7.同等の物件を賃貸した場合の住宅費
 利回り5%:家賃25万円、2年に1度更新料1か月として、月額 26万円程度(敷金礼金考慮なし、家賃値下がり考慮なし)

 ※利回り4%なら月額21万円程度

 

8.結論
・10年後に1,000万円値下がりすると、賃貸とほぼ同じ住宅費になる(購入:月25.16万円 賃貸:月26万円)

→ 賃貸と比べて有利でも不利でもない

→ 1,000万円以上値下がりすると、賃貸に比べて不利になる

→   利回りが低い物件なら1,000万円値下がりなら借りた方が有利

 

・10年後に購入時と同額で売却できると、賃貸よりも住宅費が低くなる(購入:月16.83万円 賃貸:月26万円)

→ 賃貸に比べて10年で1,100万円有利

→   利回りが低い物件でも同額で売却できれば買った方が有利

 

・10年後に1,000万円値上がりすると、賃貸よりも住宅費がかなり低くなる(購入:月8.5万円 賃貸:月26万円)

→ 賃貸に比べて10年で2,100万円有利


・10年後に2000万円(33%)値上がりすると、住宅費がほぼゼロになるが、金利低下かインフレでなければ厳しい。

→ 賃貸に比べて10年で3,100万円有利

 

上記は結果論で、10年後の売却価格は周辺物件の価格から予想することはできるが、実際には売却しなければわからない。


インフレがくれば購入が有利だしデフレになれば賃貸が有利。10 年後にならないと答えはわからない。
利回りで判断して、利回りが低ければ借りればよし、高ければ買えばよしというのが賃貸vs購入論の普遍的な答え。

 

昨今のマンション高騰や金利低下で、今から中古マンションを買うと10年後は経年減価している可能性が高い。


減価ペースは1~2%/年というところなので、10年で10~20%である。

 

6,000万円のマンションを買ったら、10年後に600~1,200万円の減価なので、下限に近ければ住宅費が賃貸と購入で概ね同等になる。


10年後の減価率が小さければ、賃貸よりも住宅費が安かったなということになる。とはいえ、金利低下などのラッキーパンチがない通常の増減率の範囲なら、住居費がタダになることはないだろう(半額になることはある)。

 

購入するとリノベなど色々楽しめるし、キッチンの高さを自分に合わせてカスタマイズできるので、1円でも住宅費を下げたいというケチケチマンでなければ、同程度の住宅費なら買ったほうがQOL上がるというのが私の意見 。

 

9.月次キャッシュフロー(参考)
・購入の場合の月次キャッシュフロー
 住宅ローン返済:月18万円
 管理費:月1.5万円
 修繕積立金:月2.5万円
 固定資産税等:月割り1.5万円
 居住中の支出計:23.5万円

 

・賃貸の場合の月次キャッシュフロー
 賃料:月26万円

 

利回り5%の場合、フルローン購入と賃貸で月次キャッシュフローには大差なしなので、あまり気にする必要はない。

 

よく、営業マンが言う、

「買っても借りても支払いは同じです!」は正しい。購入が有利になるのは利回りが極めて高い場合のみ。中古の場合はほぼない。

 

一方で、同じく営業マンがよく言う、

「借りると家賃を捨てるだけですが、買えば自分のものになるので、資産形成できて有利です!」はあやしい。

 

正確には、

・購入と賃貸の金銭的な有利不利は売却時にならないと分からない。

・高く売れれば有利だし、安くなれば不利だとなる。

 

完済まで持ち続ける前提でも、その場合は、経年で賃貸の家賃が減価しているだろうし、修繕コストが上がってるので、有利不利はトントンってところだろう。

 

金銭的な有利不利が全てではないが、QOLを上げつつ住宅費を抑えるために、減価しづらいマンションを購入するのは正しい戦略だと思う。住宅費を下げられるだけでなく、移動の自由を確保できるし、転勤を利用して資産形成するオプションもできるので。

50年住宅ローンってどうなの?

Twitterで、常陽銀行の50年住宅ローンについて取り上げたところ、少しバズった(当社比)。

現在、35年ローンが主流であるが、50年ローンを使えるなら使った方が良いシーンというものがあるだろうか?考えていきたい。

 

 

フラット50

 

50年ローンはフラット50が有名だし、50年ローンでググるとほぼそれしか出てこない。

 

フラット50は、返済期間が最大50年だが頭金が必要だったり、金利が高かったりする。(ただし、全期間固定で1.6%程度)

中古マンションでも利用できる。借入限度は8000万円。

長期優良住宅でないと使えないため、フラット50はあまり使い勝手が良いとは言えず、有効なシーンはあまりない。

 

与信がない人が2世代で返済をすることを担保に借り入れるなど、ファイナンス目的で利用するケースを聞いたことがあるが、レアケースだろう。

 

 

民間銀行の50年ローン

 

一方で、民間銀行が提供する変動金利の50年ローンは少し事情が異なる。

 

変動金利なので金利が安め(35年返済の変動金利+上乗せ金利)、頭金の要件が緩く(フルローン可)、限度額が大きい(1億円)。

特に大きいのは頭金の要件が緩いということだろう。

 

50年ローンなので、35年ローンと同じ年収負担率でもより大きな額の借り入れが可能である。(悪魔の囁き)

 

例えば、年収800万円の人は35年ローンでは1億円は借りられないが、50年ローンだと借りられる。

また、返済期間が長ければ月々の返済額は抑えられるので、キャッシュフローは楽になる。

 

一方で、当然ながらトータルの支払い金額は35年ローンを上回る。残債の減少ペースも遅い。

金融商品にフリーランチはないので、返済期間が長く月々の返済が少ないという大きなメリットの反対にデメリットもある。

総返済額を重視する節約FPとか、35年ローンなんてとんでもないマンが聞いたら気絶しそうだが、冷静にメリデメを判断して、有効だったら活用していくのが良いと思う。

 

 

50年ローンが有効なケース

 

さて、この50年ローンという道具はどのように使うと有効だろうか。

 

(1)完済する気がない場合

団体信用保険に加入するため、50年の間に死亡すれば借金がチャラになる。

まぁこの理由で借りる人はいないだろう。健康に不安があれば保険加入できないし。

 

(2)マンション転売の資金繰り目的

35年ローンでは手が届かない物件かつ値上がりが期待される新築マンションを購入し、税制優遇が切れたら転売するようなケース。

このケースがもっとも有効だと思う。

 

(3)相続などが予定されている場合

今は現金がないが、将来相続で大きな現金が手に入るので、物件購入でQOLをあげながら、目先の支払いを抑えておきたいケース。

当方にはそんな予定はないので関係ない。

 

(4)インフレを予想する場合

インフレを予想する場合、極力借金を膨らませた方がいいので、35年ローンよりも大きな額が借りられる50年ローンは有効である。

ただこれ、インフレにならなかったらどうするのか。また、インフレになったら一般的に金利は上昇する。

 

 

50年ローンは普及するか?

 

(1)〜(4)はいずれもマイナーな借り入れ理由であり、一般に広く普及するものではないだろう。

 

また、50年ローンは新築物件でしか使えないとか、年齢が若くないと使えないとか、いろいろな制約があるため、不動産業者がプッシュするということもなさそうだ。

 

ただし、聞いた話だが、特定の新築物件では、提携ローンとして50年ローンが用意されていて、少し高めの部屋を押し込むために使われているそうだ。

 

これは業者に騙されているわけではないが、このローンの特性や購入した物件の将来価値はよく理解してから借りるといいと思う。

 

新築の時に50年ローンで高騰した価格を正当化できても、中古では同じような買い方はできないため慎重に考えるべきだ。

 

 

50年ローンは今のところ、地銀や信金が裏メニューとして用意しているくらいだが、ネット銀行や大手行が取り扱い始めたら、普及する可能性はあると思う。

ただし、このローンが有効なケースはあまり多くないと思われるので、自分のケースと合っているのかよく考えるべきである。

 

個人的には、高騰した湾岸タワマンを10年くらいで転売したい人(かつ、若い人)に適した商品なのではないかと思っている。

 

湾岸タワマンって災害に弱いの?

湾岸タワマンを買おうとしたら、保守的な実家の両親から「災害が心配だからやめろ」と反対されたという話をよく聞く。

 

昨今、湾岸タワマンの相場は新築で坪400万円、中古(築10−15年)で坪330万円程度であり、まぁ高い。

高いものを買うのに災害が心配だと考えるのは当然である。

 

私は10年くらい湾岸に住んでいるので、実体験も踏まえつつ湾岸タワマンって災害に対してどうなの?について書いていきたい。

 

 

(1)洪水(大雨、台風、高潮)

 

タワマンの電源設備は地下にあることが多く、地下に浸水すると設備が使えなくなることがある。

武蔵小杉の一部タワマンの地下が浸水して、エレベーターの停電が発生したことを覚えている人がいるだろう。

 

しかしながら、湾岸の場合、排水能力が高いので水害には極めて強い。台風や高潮で被害が出ることは基本的にない。

内陸部の場合、短時間に雨が降りすぎると排水能力の限界を超えて路上に水が溢れたりするが、湾岸の場合は海に排水できるため能力の限界が高い。

 

私は最強台風と高潮が重なった時、水門の外にある品川埠頭がどうなるのか、ライブカメラで見ていたが、道路に水溜りすらできなかった。

 

品川埠頭はコンテナ基地があるので、仮に浸水したら商品が被害を受ける。また、火力発電所もあるのでエネルギー供給に問題が生じる。

 

そうならないよう、高潮に対応した高さになっており、排水の仕組みもしっかりと作られている。湾岸は埋め立てによって作られており、高さや排水については問題にならないように作られている。

 

湾岸東側についても同様。ただし、仮に荒川が氾濫して、すべての水門が破壊されて、東京駅の辺りまで水に浸かるというような極端な想定では、河川に近い月島や勝どきのタワマン群の1、2階部分が水に浸かることはありえるかもしれない。これはハザードマップを見ればわかるので、最大浸水を確認すると良い。

 

ただ、基本的には海に近ければ近いほど水害に対しては強い。特に、台場、有明は避難先になっているくらい強いし、芝浦港南も強い。湾岸は道が平坦なこともあり、台風の時も道路がプールにならない。

 

 

(2)津波

 

震災の時は津波に街が飲み込まれる映像をマスコミが繰り返し流していたので、海の近くに対して恐ろしいイメージを持つ人もいるだろう。

ただ、「外洋」に面している街と湾岸エリアのように、「湾」とでは全く事情が異なる。

 

災害想定を見ればわかるが、東京湾では大きな津波が基本的に発生しない。内側が広がっているので、減衰していくようになっている。

また、東京湾は浅いため高い津波が起こりえない。お風呂で波を起こすとそれなりの高さになるが、お盆に水を張って波を起こしても高い波は起こせない。

 

震災の時も湾岸エリアが津波により浸水された、ダメージを受けたということはないので、まぁ津波被害はそんなに気にしなくていいと思う。

 

なお、海が近いことによる塩害を指摘する人もいるが、これも外洋と湾岸では全く異なる。

湾岸の古い建物でも塩害で痛んでいるものなんて見たことがない。

 

 

(3)火災

 

幸い、日本ではタワマンの火災で悲惨な事例はないが、海外では一棟全焼したという事例も出てきている。日本の対火災の規制が厳しいということだろう。

 

私は海外でタワマンが火災になったのを見たことがある。15階くらいの高さの部屋だったので、大きな消防車が水をかけていた。

上下左右の部屋が多少焦げてはいたが、生活には支障がないレベルのようだった。また、半年くらいして綺麗に直していた。

 

タワマン火災においてこのくらいの災害は起こり得るが、命が危険になるレベルではない。

低層マンションや戸建てはタワマンに比べて公開空地が少なく、ぎっしりと建てられているため、火災リスクは高い。

大規模な火災が発生する場合、一帯が全焼することもあり得るし、道が狭くて消防車が入れないなどもあり得る。

 

公開空地が大きく、燃えにくいタワマンは一般的には火災に強いといえると思う。少なくとも生活していて火災に遭遇したり恐怖を感じた瞬間はない。

 

 

(4)風害

 

台風などの強風時にタワマンが揺れるとか風の音がうるさいとか窓が開けれられないという話を聞くが、私の経験上は非居住者によるデマであると思う。

 

1階がビル風で強風でも高層階にいくと無風のこともあるし、窓が開けられないなんてことはない。

 

台風後の超強風の時、窓ガラスや換気扇が音を立てたことはあったが、1年に1回か2回くらいだ。あまり気にしなくていいと思う。

 

タワマンが風で揺れるというのは、タワマンで炊いた米はまずいレベルのフェイク、ヘイトである。冷静に考えて、体感できるほど揺れるわけないだろう。

丸の内の高層オフィスはいつも揺れてるのか?ってこと。

 

 

(5)停電

 

台風や大規模な地震が発生すると停電が生じることがあるが、タワマンの場合は長時間の停電が発生したとはほとんど聞いたことはない。

湾岸の場合、ライフラインが地中化されているため、電線が切れるということがないためであろう。

 

一方で、停電はなくともエレベーターは止まることがあるし、復旧に時間を要することはある。

また、余震があるのでエレベーターに乗るのが怖いということもあろう。

 

エレベーターが止まるという問題については、タワマン居住者にはついてまわる問題である。

これが許容できないなら、低層階に住んだ方がいいと思う。

 

震災後の湾岸タワマンでは、エレベータ停止が恐ろしくて高層階にパニック的な売りが出ていたが、

2年もすると忘れてしまい、また高値で高層階が買われていた。なぜ、みんなすぐに忘れてしまえるのだろうか。

 

 

(6)液状化

 

湾岸マンションの最も懸念する災害は地震に伴う地盤の液状化であろう。

湾岸エリアはハザードマップでも「液状化が発生しやすい、発生する可能性がある」エリアが多い。

 

これがどの程度のリスクなのかは正直よくわからない。震災の時は目立った被害(窓ガラスが割れるとか)は生じなかったが、

コンクリートにヒビが入るなどの被害が出たマンションは多かったようだ。

 

ただ、湾岸エリアでも強弱があるし、新浦安で発生したような停電や断水は生じていない。

また、新浦安でも家が傾斜したのは戸建てばかりであったようなので、

しっかりと杭打ちや耐震対策がされている大規模マンションは液状化に強いのかもしれない。

 

港南では海洋大学のグラウンドが液状化したようだが、これは何も対策がされてない地面なので、マンションは特に目立った被害はないようだった。

今後、首都直下地震のようなものが起こり得ると考えるのであれば、液状化ハザードマップをよく確認したらいいと思う。

 

 

(7)騒音

 

災害ではないが、火災や水害よりも騒音被害の方が気になる。

特に品川や天王洲は羽田新ルート、モノレールなどがうるさいし、三田、田町ではJRがうるさいし、有明では首都高がうるさいなど。

 

道路がうるさいところでは排気ガスも気になる。音については感じ方が人それぞれなので、気になる人は避けたほうがいいと思う。

 

 

 

 

以上、まぁ液状化や騒音などそれなりに気になることもあるが、風で揺れるとか塩害とかデマに近いものもある。

 

10年くらい住んでいる中では、災害で身の危険を感じたことはないし、停電などもないし、避難所に行ったこともないので、まぁ大丈夫かなと思っている。

 

内陸部の高台では液状化は安心かもしれないが、火災の広がりや電信柱が倒れて道を塞ぐなどが怖いので、

自然災害が多い日本においてはリスクゼロなものはないんじゃないかと思っている。

 

避難場所を確認する、ハザードマップを見て備蓄をするなどの対策をとったら、あとはまぁあまり気にせずに生活したほうが精神衛生上良いのではないか。

 

 

パークタワー勝どきの坪単価は?(1)周辺の新築タワマンの坪単価から予想

コロナ騒動でモデルルーム事前案内会が延期になったパークタワー勝どきだが、6月末あたりから動きが出てくるとのこと。

 

今のところ、8月下旬から販売開始とのことだが、現在の状況を踏まえて坪単価予想をしてみる。

こうした予想は当たらないが、「市場予想は相場の華」ということで楽しんでいただければ。

 

予想方法は以下。

(1)周辺の新築タワマンの坪単価から予想

(2)勝どきエリアの中古タワマン価格から予想

(3)勝どきエリアの中古タワマン賃料から予想

(4)その他

 

新築マンションは「原価積算」だから類似物件との比較による予想はあまり意味がないかもしれないが、

原価が高ければいくらでも高く売れるものでもないし、1600戸強を売らないといけないので、周辺相場からそんなにチャレンジしない価格と予想してみる。

また、一気に書くと文量が多すぎるので、今回は、(1)について書いてみる。やる気が出れば(2)以降も書くけど、どうだろ・・・。

 

 

(1)周辺の新築タワマンの坪単価から予想

 

パークタワー勝どきの近くで分譲中の新築タワマン(古いのもあるが)の価格と広さは以下のとおり。(2020年6月3日時点)

・勝どきビュータワー:5498万円〜21899万円(48.98平米〜134.13平米)→坪370万円〜539万円

・ドゥトゥール:7400万円〜10100万円(55.77平米〜81.53平米)→坪438万円〜409万円

・ベイサイドタワー晴海:5800万円〜13000万円(54.73平米〜76.13平米)→坪350万円〜564万円

・ブランズタワー豊洲:4500万円〜25070万円(43.41平米〜123.12平米)→坪342万円〜672万円

・シティタワー銀座東:4600万円〜13100万円(34.54平米〜82.32平米)→坪439万円〜525万円

・シティタワーズ東京ベイ:5000万円〜16000万円(38.2平米〜100.62平米)→坪432万円〜525万円

・ブリリアタワー有明ミッドクロス:3800万円〜16000万円(44.48平米〜91.72平米)→坪282万円〜576万円

 

(勝どきビュータワーは築年数がいっているとか、ドゥトゥールは眺望の厳しい部屋しか残ってないとか、プレミアム住戸を含んでいるとか、色々個別性はあるものの)周辺の新築タワマンの坪単価のレンジは坪342万円〜坪525万円(ミッドクロスのパンダ部屋、100平米超の部屋を除く)

 

周辺物件の中には安めの有明が入っているので、もう少しレンジが切り上がるとして、坪400万円前後〜(550万円前後)って感じだろうか。

(40〜80平米くらいの部屋、ワンルームやプレミアム部屋を含まない前提、上限については、プレミアム部屋ではないのでグロスの壁がありそうなので、もう少し低いかもしれない。)

 

坪単価の下限については、条件が悪い部屋では300万円台後半もあるかもしれないが、標準的な部屋では坪400万円台かそれ以上では・・・

 

なお、坪400万円だと、70平米で8485万円、80平米で9697万円。抜けてるとか、高層とか、広めの部屋はすべて億超え。

頭金が潤沢にない場合は、共働きでも世帯年収1500万円〜2000万円くらいないと厳しいんじゃないか。

 

なお、周辺の新築タワマンから中央区物件だけに絞ると、坪350万円〜564万円(100平米超の部屋を除く)

駅徒歩5分以内に絞ると、坪370万円〜525万円(100平米超の部屋を除く)

 

パークタワー勝どきは築年数のいった勝どきビュータワーよりも高いと思うので、もう少しレンジが切り上がるとして、

やはり坪400万円前後〜(550万円前後)って感じではないか。

 

ということで、周辺の新築タワマンから予想すると、パークタワー勝どきの標準的な部屋の坪単価は「坪400万円前後〜(550万円前後)」

(40〜80平米くらいの部屋、ワンルームやプレミアム部屋を含まない前提)

 

この物件、販売対象住戸だけで1600戸強もあるし、長期間の売れ残りをさほど好まない三井であるし、コロナもあって販売が進まなさそうなので、もう少し価格が控えめになる(特に下限はパンダ設定になる)可能性はある。

 

ただし、周辺物件の価格設定が正しいとすれば、他の新築タワマンよりも優れた点の多い(駅近で新築で共用施設が豊富で色々なお店が入る)この物件なら、この程度の価格帯になってしまうのではないだろうか。

 

まぁ、LDのFIX窓が曲がってる部屋とか85平米以上の広い部屋は、余裕の億超えで無理っぽい。広さが必要な人は晴海フラッグなり周辺の中古にしよう。

ぼくの場合、現在の住居より狭くなるのは嫌なので、今回予想したレンジより安くないと厳しいです。

 

ワンルーム欲しいって人もいると思うけど、ワンルームグロスは低くても坪単価は標準の部屋よりも高いので、坪500万円以上はするんじゃないかな。

 

坪500万円で25平米なら、3788万円なので、グロス見ながら、もっと単価を盛るかもしれない。

 

 

合理的に考えて埼玉?

都内のマンション価格が高騰して、23区の多くのエリアで、給与所得者がファミリーサイズの新築マンションを買うのは難しくなってきている。

 

それでも、子供ができるなど、ライフステージとして住宅を取得したい場合は、「都内の中古マンション」か「埼玉(郊外)の戸建てやマンション」を検討する人も多いのではないか。

 

そこで、合理的に考えて、どちらを選ぶべきなのだろうか?というテーマについて考えてみる。

 

答えは、何を重視するか次第ではあるので、「あなたがXXを重視する場合は、合理的に考えて埼玉(郊外)にすべき」という感じ。

 

・資産価値(10年後の売却時)

資産価値を重視する場合、都内の中古マンションの方が、郊外の戸建てやマンションよりも有利であることが多いだろう。将来的な住み替えが見えているような場合は、都内の中古マンションにしておいた方が無難だろう。特に、値落ちしやすく売りづらい戸建ては避けるべきだろう。

 

・職場へのアクセス

一般的には都内から都内への移動の方が通勤時間が短いが、副都心へ通勤する場合は埼京線が使えるので埼玉からのアクセスが優れる。通勤先によっては、都内の中途半端なエリアよりも埼玉の方がアクセスに優れる場合がある。

 

・通勤の負荷

埼玉から東京へ通勤する場合、基本的には通勤ラッシュに巻き込まれる。埼京線は日本屈指の混雑路線である。この点では、都内の方が混雑っぷりがマシで有ることが多いだろう。ただし、始発駅やグリーン車のある路線であれば、多少は負荷を減らすことができる。

 

・住宅の質

埼玉の地価は東京より安いため、注文住宅なら埼玉の方が質の高い住宅を建てることができる。ただしマンションについては、せっかく地価が安いのに埼玉の物件は仕様がショボいことが遠い。エリアや物件次第ではあるが、一般的には東京のほうがマンションの質は高いことが多い。また、埼玉なら新築マンションや新築戸建を取得できるということもある。新築にこだわる人は埼玉が有利。

 

・街の魅力

エリア次第で、どちらが優れているとは言いづらい。文化的な施設や商業的が多いので一般的には東京が有利だろうか。

一方で、埼玉は大きな公園が東京よりもたくさんあるし、河川敷もあるから子育て世帯にとっては東京のごみごみした街よりも暮らしやすい。埼玉によくある巨大なイオンイケア、ららぽーと等も、縦に長い都内の百貨店よりも、はるかに買い物しやすい。

 

・カーライフ

埼玉県は多くの場合、車社会である。都内は車を持つことのコスパが悪く、新築マンションの駐車場付帯率はどんどん下がっている。普通の人は車を持たなくなってきている。都内でも車を持てないこともないが、埼玉の方がカーライフは楽しめるのではないか。利用頻度が高いので良い車を買っても元が取れるし、車社会なので、どんな店にもタダの駐車場がある。ただし、埼玉はなぜか悪路でも知られている。

 

・災害に対する強さ

埼玉は荒川などが氾濫したら大きなダメージをうけるが、それ以外にはまぁまぁ災害に強いとされている。東京は人が多すぎるのと住居が密集しているので、火災が起きたら危険であるし、災害時にもあっという間に物資が売り切れてしまう。まぁ、どっちもどっちだが、一般的には人口密度が高い都市部のほうが災害には弱い。埼玉は車社会であることも、災害に対して安心感がある。

 

・教育

都内の方が優れていることが多い。埼玉よりも東京の方が中学受験をする人が多い。これは良し悪しで、東京のほうが教育熱心だし環境が良いとも言えるし、東京の場合は地元の中学に行かせたくても、みんなが抜けていってしまうので行かせづらいとも言える。埼玉から東京の塾や学校へ通う人はいても、逆は少なそう。

 

・医療

都内の方が優れていることが多い。埼玉から東京の専門病院に通っている人はいても、逆はあまりなさそう。

 

・・・他にも多くのポイントがあると思うので、比較してみて欲しい。

 

ざっと振り返ると、

・通勤先によっては通勤アクセスは埼玉の方が東京より優れていることもあるが、通勤負荷は高い。

・マンションの資産価値は東京が有利。

・質の高い注文住宅を建てたいなら埼玉が有利。

・カーライフは埼玉が充実。

・文化、教育、医療等は東京が有利。

 

ということになった。

 

あなたがもし、埼玉が有利なポイントを重視し、不利なポイントをあまり気にしないなら、「合理的に考えて埼玉」と言えるのではないか。

 

 

実用品としての新築マンションの死と中古マンション市場の勃興

都内の新築マンションは価格上昇が続いており新築マンションでは坪400万円程度が「標準」になってきた。

(ブランズタワー豊洲、千住ザ・タワー、ドゥトゥールの売れ残り物件など。なお、ブランズタワー芝浦はなぜか坪500万円強。。)

 

中古マンションも高騰しているが、頭打ち感があり、湾岸エリアでは築10〜15年で坪330万円程度で取引されている。

今のところ、ファミリーサイズの2LDK〜3LDKで7000〜8000万円ぐらいがグロスの限界なのだろう。(70平米〜80平米程度)

これ以上の価格だと、よほどわかりやすい魅力(駅距離、広さ、高層階、眺望など)がないと厳しい。

 

賃料も上昇しているものの、新築価格の上昇に比べて賃料の上昇は遅いため、新築マンションの利回りは低下している。

湾岸エリアの場合、以前は新築マンションの利回りは5%以上、条件の良いものは6%以上あったが、今は4%台の物件が大層だろう。

 

 

現在は坪400万円程度が標準と書いたが、コロナバブルで坪500万円程度まで相場が上昇するかもしれないと思っている。

 

株式市場では業績予想が悪くても、減配でも、景況悪化でも、場合によっては大赤字でも株価が上昇している。

中央銀行と政府がバックにいるため、リスクプレミアムが低下しているということだろう。

理由はともあれ、投資家が求めるリターンが低下している。

 

株式市場と同様に「以前よりも利回りが低くても許容される」という変化がマンション市場でも起これば、新築マンションの利回りは3%台でも許容されるかもしれない。これにより、賃料が大きく変わらなくても、金利が下がらなくても、物件価格だけがどんどん上がるということはあり得る。

 

コロナバブルで23区の新築マンションは坪500万円が標準になったとして、70平米の物件は10606万円である。

こうなると、買える人は絞られてくるし、頭金や年収が少ない一次取得層には厳しくなってくる。

 

これは極端な例だとしても、このまま値上がりが継続すると、リーマンの共働き世帯にはだんだんと購入不可能な水準になる。

 

すると、バブル期と同じで、「リーマンは23区内にファミリーマンションを買うことはできなくなり、広くて安い住宅を求めて郊外に出ていく」ことになる。

これは十分ありあえる話ではないだろうか。

 

Twitterでも、

「むしろ、都心や都心に隣接する区にリーマンがファミリーサイズの新築マンションを買えたのが異常だったのではないか」

「今後、リーマンが新築マンションを買えなくなるのではないか」

ということを言う人を見かけるし、説得力があると思う。

 

ただし、バブル期は専業主婦家庭が主流であったが、現在は共働き家庭が主流である。

共働き子育て中の世帯にとっては、勤務先に近いマンションは生活を支えるインフラであり、郊外居住が進むことは苦しい。

 

バブル期と違うのは、湾岸エリアなどに多くのファミリーサイズのマンションストックがあるということだ。

以前調べたら、築15年以内、80平米以上、1億円未満の中古マンションストックは多くが江東区にあると分かった。

 

近年、新築価格が高騰しすぎたため、中古マンションを検討する人が増えている。

新築供給戸数が減少し続ける中で、中古マンション流通戸数はジリジリ増加し、新築供給戸数を中古流通戸数が上回ったことは象徴的な出来事だった。

 

このまま価格高騰が継続すれば、この流れはより趨勢的、確定的なものになっていくだろう。

諸外国(特に欧米)と同様に、「都市部においては新築住宅は特殊な贅沢品となり、実用品としては中古住宅が主戦場」になっていくのではないか。

新築マンションは、現在の都市部におけるマイカーのように、「実用品としてはコスパが悪すぎるため、そういうものを無視した嗜好品、趣味的なもの」になっていくイメージである。

 

中古マンション価格は新築マンション価格に連動するところもあるため、「新築が高くても中古なら圧倒的に安い」というものでもないが、

新築価格が上昇し続ける中でも中古価格は頭打ちしているように、中古価格は購買力の限界を超えて上昇し続けるというものでもない。

 

湾岸エリアの新築マンションは相続対策や運用目的で買う人もいるが、中古になると実需(自分で住む目的)が多いだろう。

こうなると、価格は利回り(というか賃貸との比較)や購買力で正当化される価格になる。

 

新築マンション市場の死とは、価格上昇が急過ぎて、近隣住民は「何千万円も追加で借金する割には住宅の質が上がらない(むしろ狭くなり、低仕様になる)から、買い替えない」となり、近隣で賃貸している人は、「明らかに賃貸の方が安いから、賃貸のままにする」という状態である。

 

賃料や購買力を無視してリスクプレミアムの縮小で価格が上昇すれば多かれ少なかれそういう状態になっていくだろう。

 

新築市場の特殊性として、「供給が絞れる」ということがあるため、利回りで正当化できなくなっても価格が暴落するとは思わない。

 

新築マンションは実用品としての役割を終えて、一部の富裕層が利回りを無視して買う贅沢品、嗜好品のようになっていくのではないだろうかと考える。

 

富裕層とはいえ、利回りの低いマンションをポンポン買ってくれるわけでもないので、大規模マンションでは販売は長期化するのが常識となり、5年10年と売り続けるのがむしろ主流になるのではないか。

 

それが悪いというものでもない。空室が5年10年存在し続けるのは資源としては無駄だなと思うくらいだ。(空室には課税強化したら良いのではないか。)

 

価格上昇を前提にすれば、長い時間かけて売った方が業績に寄与することはスミフが証明しているから、他のデベロッパーが同じような戦略を取るのも自然だろう。

 

リーマンを客としないビジネスになることが悪いのか?嗜好品になることが悪いのか?(儲かっとるぞ、文句ある?)について。

 

私から見れば、悪くはないけど、嗜好品になれば買うことはなくなるので寂しい。

 

私は車というプロダクトが好きなのだが、都市部ではコスパ悪すぎて、合理的に考えたら買えないので寂しい。

 

同様に、私は新築マンションは好きだが、新築マンションが価格上昇しすぎて嗜好品となり、コスパ悪すぎて買えなくなれば寂しいと思う。

 

このブログに何度も書いているとおり、私はマンションは実用品だと考えており、特に湾岸タワマンは共働き子育て世帯の実用品として優れていると思う。

 

私は湾岸タワマンを買って生活が楽になったし、家族と過ごす時間も取れており、このようなマンションが妥当な価格で流通していることは大変ありがたいと思っている。

 

価格上昇によって、新築マンションがリーマンの実用品から富裕層の嗜好品になっていくとすれば残念だが、新築マンションの実用品としての死は、代替として、中古マンション市場を勃興させる可能性があると考える。

 

ストックが豊富な湾岸の中古マンションたちは、引き続き、実用品として共働き子育て世帯に利用される可能性が残っていると思っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リフォーム費用を考慮したら中古マンションよりも新築マンションの方が良 い?

質問箱での質問に関連して、新築vs中古について書いてみたい。

 

・新築マンションの狭小化、低仕様化、高価格化はドン引きするレベルだが、中古マンションだって値上がりしている

・売買仲介手数料、税制優遇、管理費等は新築が有利である(固定資産税の当初優遇、住宅ローン減税の差など)

・リフォーム費用を考慮したら、同じエリアの新築マンションと価格がそんなに変わらなくないか?

・リセールにおいても、新築の方が有利ではないだろうか?(いずれも、10年後に売却する前提)

 

 

まず、以前の記事でも書いたように、新築マンションへの強いこだわりがある人はどんなに高くても新築を買った方が幸せになれる。

新築であることに価値があると考えるのだから中古と比較する必要はない。価値観の問題なので、これも間違いではない。

 

 

以下は、新築にはこだわりがないが、中古のリフォームと客観的に比較してどうなのか?というテーマについて考えてみたい。

 

 

新築と中古の価格差

 

湾岸エリアの中古マンションは大体築10〜15年くらいで、坪330万円前後というところ。場所によって多少強弱はあるが。

坪330万円エリアに、新築マンションは坪400〜500万円程度で供給されている。(高くなったもんだ・・・)

 

坪400万円のマンションが、10年後に坪330万円になるとすれば、下落率は17.5%(1年あたり1.75%)

10年間で25%残債が減少しているため、フルローンでも残債割れにはならない。

 

さて、中古が坪330万円、新築が坪400万円のエリアでは、70平米なら中古は7000万円、新築は8484万円である。

まぁ場所によってだいぶ違う(新築が高値チャレンジしてる場所とかは新築が高すぎる)と思うので、適宜置換してみて欲しい。

 

 

リフォーム費用

 

リフォームにどこまでかけるのかはその人次第だが、築10年ならフローリングやバスは綺麗なのでリフォームする人は少ないと思う。

リフォーム箇所は壁紙、キッチン、トイレ。

 

リフォーム費用は壁紙で20万円、キッチンで200万円、トイレで50万円程度。合計300万円弱というところ。

なお、個人的に、キッチンは高さを身長に合わせた方が良いと思うので、リフォームすべきだと思っている。

 

中古は実質的に7300万円で買ったのと同じ。これに対して、新築は8500万円である。(まぁ、新築もオプションつけるけど)

したがって、新築と中古の価格差は1200万円〜といったところ。これを小さいと考えるか大きいと考えるか。

35年ローンなら、月の支払いでは3万円ちょっとの差である。(数字を小さく見せるテクニック)

 

 

新築優遇施策

 

(1)住宅ローン減税

新築マンションでは、住宅ローン減税の上限が4000万円(40万円)である。ペアローンならさらに倍。

中古マンションでは、上限は2000万円(20万円)であるため、最大で年間40万円の差が出る。10年で400万円。

(ただし、8500万円のマンションでは残債が少ないのでフルローンでも最大まで取れない)

個人的には、この新築優遇策は中古市場の育成を阻んでいるガンだと思っている。

 

(2)固定資産税の当初優遇

新築マンションの場合、当初5年間固定資産税が半分になる。

湾岸タワマンの場合、固定資産税は20〜30万円というところなので、10万円〜15万円。5年で50〜75万円。

個人的には、この新築優遇策は中古市場の育成を阻んでいるガンだと思っている。

 

(3)安い修繕積立金

マンションの修繕積立金は、デベロッパーの売りやすさを重視して段階増額方式になっており、当初の金額が必要額よりも小さい。

必要な金額は管理クラスタが細かく比較分析しているが、まぁ新築時の2倍くらいにはしないと回らない。

個人的には、この段階増額方式はマンションの短期売却のインセンティブになってしまい、管理不全に陥らせる要因にもなるためクソだと思っている。

※ただし、一時金方式で多額の積立金を徴収されるマンションもあり、この場合は正味の維持費は中古と比べてさほど安くない。

 

これらの新築優遇策は気に食わないものの、実際に存在しており、新築は10年で400万円程度は維持費が低くなっている。

新築と中古の価格差は1200万円程度と書いたが、この維持費を考慮すると、差は800万円程度になる。

確かに、この程度の差であれば新築を買うのも悪くないような気もする。

 

リセールの差も、10年後に築10年の物件の方が10年後に築20年の物件よりも10年間の値下がりは少ないのではないか。

(これについてはデータなし。変わらないという説もあるが、売りやすさで言えば築10年の物件の方が売りやすい。)

 

 

中古の利点

 

リフォーム代や新築優遇施策によってマンションの価格差は縮小し、割高に見えても新築マンションを買うのも悪くないという議論になった。

ただし、中古マンションの利点もある。

 

(1)即入居が可能

引き渡しまでの期間が短いので家賃の無駄がない。また、金利や優遇措置も早く確定できる。

 

(2)現物が見られる

眺望、日当たり、部屋の広さ、収納など、実物を見て決められるためミスマッチが少ない。

 

(3)良い場所に建っている

地価が安い時代に建てられているため、一般的には新築よりも良い場所に建っていることが多い。また、新築がないエリアにも建っている。(当然だが)

 

(4)個人の事情に最適化できる

保育園については、新築の購入とタイミングを合わせるのが難しい。中古であれば、保育園に入れてから最も近いマンションを買うことができるのでスムーズである。これは子育て世帯にとって非常に大きなメリットである。保育園に近ければ使用価値が高い(=QOLが改善する)ことは確定している。

 

(5)設備が豪華である

新築マンションはコストダウンが進み、設備がどんどんしょぼくなっている。多くの新築マンションで、エアコンは壁掛け、駐車場の設置率は低い、プールなどの豪華設備もない。必要かどうかという議論はあるが、中古の方が古いものの設備は豪華であることが多い。

というか、今の地価や建築費で、中古マンションと同じものを建てたら価格が何倍にもなってしまうので、企画が成立しない。

 

 

結論

 

新築と中古は価格差があるが、中古はリフォームが必要なことや、新築への各種優遇措置によって、10年間の維持費は新築の方が低いためトータルでの価格差はさほど大きくない。新築が坪400万円、中古が坪330万円程度で買えるエリアでは新築を買うのも悪くない。その際は各種優遇(特に住宅ローン減税)を使い切ることを考えるべきだろう。

 

一方で、中古マンションには多くのメリットもあるし、そもそも新築がないエリア、新築がチャレンジ価格で話にならないエリアもあるだろう。激安というほどではないが、中古は価格が安いので、その分をリフォームに当てることでQOLは確実に上がる。

 

「新築であること」に強いこだわりがないのなら、設備仕様、立地、広さなどを重視して中古マンションを買うのも良いと思う。特に、保育園問題を考えれば中古一択であろう。保育園に確実に入れて、かつ、近いというのは圧倒的な価値がある。

 

結局、何を重視したいのか?という価値観の話になってしまうが、リセールを重視するなら、この程度の価格差なら新築の方が低リスクであろうし、立地や設備を重視するなら中古が有利だろう。